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2024年10月の読書メーターまとめ

S.U.
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感想・レビュー
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2024年10月に読んだ本
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2024年10月のお気に入り登録
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  • Minamihama

2024年10月のお気に入られ登録
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  • Minamihama

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

S.U.
1人の男と花を巡る物語--男と花という取り合わせでなんとなくジェンダー問題メインのお話かなあ、と漠然と思いながら読み始めました。その予想は間違ってなくはなかったのだけれど、予想していたほど一面的な話でもなかったです。主人公『平』とその周りの人々の人生を語りつつ、次の世代に繋げていく展開はとても良かったと思います。私が一番共感したのは二章クロッカスの女の美園ちゃんなのですが、一冊読み終えた今、全然本筋とは無関係な人物だったな…と気づいてちょっぴり残念な気持ちです。せめてエピローグに登場させて欲しかったかも。
が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
23

S.U.
シリアのダマスカス近郊のダラヤという町に、反政府テロリストとして閉じ込められた人々の、リアルな声を取材したノンフィクション。彼らを支えたのは自作の秘密図書館と途切れ途切れのインターネットで、著者のミヌーイさんはSNSやアプリを駆使して彼らと連絡を取り続け、その声を私たち読者に届けてくれたのでした。樽爆弾が降ってくる町で、彼らが本を読み続ける様子に胸が詰まる思いがしました。彼らも凄いし、本てすごい。私は本が大好きですが、それは平和と安心があっての事で、私が彼らの立場なら本なんて読む気になれない気がします。
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S.U.
家庭裁判所の『補導委託』という制度で、少年を預かることになった父と息子。その2人を中心とした家族小説でした。家族、特に親子関係をテーマにした作品で、心温まる読後感でした。コミュニケーション不足の親子たちが、すれ違いを乗り越え心を通わせていく様が丁寧に描かれていたと思います。全体的に良かったのですが、せっかく柚月裕子さんの出身地である岩手県の南部鉄器の工房を舞台にしているのだから、登場人物には東北弁を使って欲しかったし、南部鉄器についてのエピソードが多くあっても良かったと思います。そこが残念ポイントでした。
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S.U.
1人の男と花を巡る物語--男と花という取り合わせでなんとなくジェンダー問題メインのお話かなあ、と漠然と思いながら読み始めました。その予想は間違ってなくはなかったのだけれど、予想していたほど一面的な話でもなかったです。主人公『平』とその周りの人々の人生を語りつつ、次の世代に繋げていく展開はとても良かったと思います。私が一番共感したのは二章クロッカスの女の美園ちゃんなのですが、一冊読み終えた今、全然本筋とは無関係な人物だったな…と気づいてちょっぴり残念な気持ちです。せめてエピローグに登場させて欲しかったかも。
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S.U.
日経平均30万円時代の到来を予想している、というエコノミストのエミン・ユルマズさんの著書ということで、尖った意見や見方が伺えるかなと思いましたが、終始日本人にとって耳触りの良い楽観的な経済予測が綴られているだけの本に感じました。地政学とか、目につきやすさを重視したワードチョイスもなんだかなと思います。その"地政学"的には、米中新冷戦の果ての有事を警戒しつつ、冷戦下の両国の間に位置するという絶好のポジションを活かした経済政策が展開出来れば、景気はどんどん良くなるであろう、とのこと。そうなったら最高ですが…。
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S.U.
婚活がテーマの連載がまとまった一冊でした。40代独身男性が主人公。独り身である、という事にああだこうだ周りから言われた最後の世代なんじゃないでしょうか。そういった意味で、読者の共感を呼びまくると思います。視点人物の猪名川も、婚活マエストロと呼ばれる鏡原さんも、素敵な人々ではあるのですが、成瀬という、とてつもなく強いキャラクターを生み出してしまった宮島未奈さんが書いた作品となると『期待とは異なる』という意見が多そうな気はしました。読んだ後に温かい気持ちになれるし、これはこれで、十分面白い作品だと思いました。
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S.U.
角田光代さんと紫式部研究者の山本淳子さんの対談本『いま読む「源氏物語」』の中で、角田さんが純文学からエンタメ方向へ舵を切ったターニングポイントとなった作品としてこの『空中庭園』を挙げられていて、山本さんも絶賛していたので読んでみました。確かに最近の作品よりも、純文学の風味を残しつつあり、まだ完全にはエンタメ作品に振り切っていない印象でした。家族5人+関係者1人の6人の視点で、ひとつの家族と彼らが抱える秘密について語られている作品でしたが、誰にも共感できず読了。もう少し後の作品の方が私は好きかもしれません。
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S.U.
アルゼンチンの作家による作品は初読みで、スペイン語で書かれているはずだけれど、舞台が英国オックスフォードということで英国の作品のような雰囲気でした。数学教授のセルダムとワトソン役のアルゼンチン人学生くんが、ルイス・キャロルに関する謎と連続殺人事件の謎を解くという筋書きでしたが、数学が謎解きに有効な形で登場しなかったことと、そもそもの事件の展開および結末、それらがすべて不可解で、いまひとつハマれずに読み終えてしまいました。あとアルゼンチン人学生の名前がなぜ明かされないのか(最終的にイニシャルのみ)謎でした。
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S.U.
バラエティ豊かな切り口で『信仰、神、宗教』を描いたSF短編集でした。ちょっと入り込めない話もあったけれど、面白い作品が多かったです。最後の『ちょっとした奇跡』は切なすぎるラブストーリーでしたし、『神についての方程式』は読んでいるうちに自分まで頭が良くなった気分になる作品でした。一番好みだったのは、表題作『スメラミシング』で、コロナ禍によく耳にした"陰謀論"をテーマにしていて、題材的にも読みやすかったですし、読者の想像力を試される終わり方が良かったです。そろそろ連作短編集または長編を読みたい作家さんです。
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S.U.
先日読んだ『赤と青のガウン』が良かったので、新装版が発売された本書も手に取ってみました。こちらは著者の彬子さまが現在もお住まいの京都の道に関するエッセイです。2014〜2016年の新聞連載だそうですが、内容は色褪せていませんでした。幼い頃から神道に触れてお過ごしになってきたり、遠いご先祖のゆかりの地が京都だったりするからか、道の名前や町の細かい部分にも歴史の物語を感じとられていたり、目のつけどころが一味違うなと思いました。京都の人はパンが好きという章の『伝統と革新は表裏一体』という言葉が印象に残りました。
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S.U.
めちゃくちゃ読み(聴き)ごたえがありました。長かったけど面白かったです。このタイトルは違くない?とずっと思っていましたが、終盤で意味がわかりました。『模倣犯』という言葉こそが犯人にとってフックとなるワードだったんですね。登場人物が多く、深く掘り下げられている人が何人もいて、各々細かい心理描写がなされているので、途中までは冗長に感じなくもないのだけれど、各登場人物について理解する事の結果としてストーリー進行が無理なく感じられました。中盤で犯人がわかっているのにラストまでドキドキの展開、素晴らしかったです。
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S.U.
内田舞さんの(意外にも)初の単著。小児精神科医である彼女ならではの知見も紹介しながら、徐々に広く一般に認識されつつある社会問題(往々にして無意識の偏見や先入観の存在に起因)も紹介されています。様々な差別などの社会問題については"新書やノンフィクション"と"フィクションの中で描かれるもの"を行き来することで、自分の脳に認識させアップデートしていきたいと思っていて、そのノンフィクションサイドとして良書だなと思いました。コミュニケーションを取る際の相手へのリスペクト、人と関わる上ではこれが一番大切だと思います。
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S.U.
1つの作品の中でどんでん返しがあるだけでなく、他の複数作品も含めてのカラクリが凄すぎる!エピローグを読むまで、私にはひとつもわかりませんでした。上巻から、唐突感のあった主人公いつかのタイムリープが謎だったし、違和感のある登場人物がいたり、色々引っかかるところはあったのですが、なるほどそういう事だったのね!という感じでした。辻村深月さんの作品は必ず想像を超えてくれるけど、毎回その方法に驚いてしまいます。単なる青春小説としても良かったし、いつかとあすな、そして仲間たちの成長物語としても感動出来ると思いました。
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S.U.
ブレイディみかこさんに関しては、最近の刊行本は小説が続いたと思いますが、エッセイやルポルタージュなどのノンフィクションの方が、私は好きです。今回はご家族とのエピソードが多かった印象で、特にコロナ禍においては色々とあった模様でした。読者も、コロナ禍では家族と健康について考える機会が多かったと思うので、共感しやすい内容だったのではないでしょうか。クイーンがキングに代替わりした話もあったりしましたが、個人的には、もう少し政治寄りの話題が読みたかったですね。この本ではそちらにベクトルが向いていない感じがしました。
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S.U.
本を開くと、生き生きとした会話が次々に目に飛び込んできて、富士の噴火に右往左往する人々の様子がありありと目に浮かぶ…そんな読書体験でした。暴力的なまでに降り積もった火山灰を前に圧倒されていた主人公、鷹取。その状況で強く生きていく人々の中で「どれだけ栄華を極め、銭を蓄えた者も、ひとたび災厄が襲えばすべてが灰燼に帰す」「だとすれば賤民と良戸の区別なぞ、この世においては何の意味もない」という気付きに至るところが良かったです。舞台設定が地味なので、ミステリー仕立てや連作短編などの方が読みやすかったなと思いました。
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S.U.
普通の短編集かな?と思って読み始め、2篇目のラストで、この本が連作短編集であると気付いた時はテンションが上がりました。ある1人の補聴器セールスマンの人生が、広がったり繋がったりしていく---小川洋子さんのオリジナリティ溢れる世界観を味わえて最高でした。どの作品も良かったですが、わたしは『今日は小鳥の日』が一番好きです。村上春樹さんの作品にもよくモチーフに使われている気がしますが『耳』ってなんだか不思議な魅力がありますよね。数学的な魅力もあるし、芸術的な魅力もあるから、美しい文学にもなるのだなと思いました。
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S.U.
在日朝鮮人一世であり、無名ではあるけれど作家として生きた尹紫遠の生涯を、多くはない資料を使いながらも様々な視点から掘り下げたルポルタージュ。このタイプのノンフィクションは、テーマに沿った複数のケースを一冊にまとめるのが定石だと思いますが、この本はあくまでも尹紫遠と家族だけに焦点を当てる伝記スタイル。最初はそこに違和感を感じましたが、読者はこの人の人生からテーマを見出していくべきなのだと気づきました。植民地に生まれ帝国の崩壊に立ち会い、国籍や言葉など人格形成の根幹が揺らがされる理不尽さに憤りを感じました。
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S.U.
ちょうど今読んでいる現代語訳の源氏物語の訳者、角田光代さんと、紫式部研究者として有名な山本淳子さんの対談をまとめた一冊。テーマは多岐に渡りましたが、注目の登場人物としては、藤壺、紫の上、浮舟が多く取り上げられていました。1000年前に書かれた物語に、現在のジェンダーやセクシュアリティについての感覚を持ち込むのはちょっと違うかな、と思っていましたが、そもそも私たちがこれまで触れてきた源氏物語は「昭和男性的」研究を経たものであり、それを現代の感覚を持って読み直していくべきという考えはとても納得感がありました。
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S.U.
タイの小説は初めて読みました。タイトルの『プラータナー』は欲望を意味するそうなのですが、欲望を描くための性描写が多くて、濃厚過ぎて、辟易してしまいました。欲望のほかに現代アートと政治もテーマになっていたので、アートまたは政治に主眼を置いてストーリーを作り、その流れの中での性的シーンならば受け入れやすかったかもしれません。ずっと視点が主人公の目線だなと感じていて、解説を読んで初めて、私小説的な小説だったのだなとわかり、納得です。国際的に評価されている作品だそうなのですが、私にはちょっと意味不明に感じました。
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S.U.
めちゃくちゃ面白いビジネス小説でした。物語に登場する具体的なアイディアも面白いし、主人公が大切にしているものと、スタートアップとして大事にしなくてはいけないもの、それぞれにズレがなくて、読んでいて爽快感を感じる作品でした。AIとスタートアップという題材が新鮮なので、ストーリー展開自体にそれほど新しさがないというのが逆に効果的だったと思います。『世界に君の価値を残せ』というセリフが格好いい。これから就職や転職をする人にも刺さると思うし、AIって何?という人(はさすがにいないか)にもオススメできる一冊でした。
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S.U.
日本のどこかにある、人間の力が及ばない自然や科学の力の痕跡、そして人生のどこかでそれらを見つけていくこと---そんなことをテーマにした短編集でした。土、オオカミ、原爆、隕石、ウミガメがそれぞれのモチーフでしたが、私は、投下されて間もなく原爆が及ぼした影響について研究を行った人、そして遺っていたそれらを大切な遺産として扱った人々をテーマにした話が一番好きでした。今回、すごく驚いたのが、伊予原新さんが書く方言のクオリティの高さ。描かれていた日本各地のすべての場所のネイティブなんじゃないかと思うぐらいでした。
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S.U.
傷をモチーフにした10篇の短編小説集でした。傷にまつわるお話、ではあるのですが、どれも人との関わりを描いた物語だったと思います。刺青だらけの近所のおっさんと少女の交流を描いた『あおたん』が一番(現実味はなかったけれど)好きな話でした。文章は読みやすいし短い話ばかりなので、普段あまり本は読まないけれどちょっと読みたい気分という方にも、気軽にオススメ出来る一冊ですね。ただ、閲覧注意な描写もありまして、特に『指の記憶』は、読んでいて自分の指がムズムズしてくる感覚に襲われましたので、その点だけ注意かもしれません。
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S.U.
物語の主役交代が行われる文庫第6巻目。匂宮と薫を中心とした物語が始まりました。そして宇治十帖もスタート。この辺りになってくると全然知らないお話なので、この先どうなるの?というワクワク感もありますが、5巻までは元気だった人々が次々に退場していくことが寂しくもあります。夕霧が本当に最低で、光源氏よりも酷いと思いました。あとは光源氏と女三の宮の間に生まれたことになっていた薫が出生の秘密を知った経緯が衝撃でした。忘れた頃に、思いもしないルートからの伏線回収劇。やはり紫式部は物語を作る天才だな。第7巻も楽しみです。
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S.U.
この本めちゃくちゃ面白かったです。内容というよりも著者の方の語り口が面白い。例えば『楽しい人生の秘訣は数学的適当さである』とか。ちなみに関数電卓を使う気になったかと言えば答えはNOなのですが、関数=函という概念に(一応知ってはいたけど)納得したので、読んで損はしていない本だったかなとは思います。最後の章でオリジナルの関数を作ろう、というのがあって、早速やってみたいと思います。本の面白さを5段階評価で付けているけど結局8割ぐらい☆3に収束していたのがイマイチだと思っていたのでこれを関数にしようと考え中です。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/08/29(4474日経過)
記録初日
2015/05/19(3481日経過)
読んだ本
1298冊(1日平均0.37冊)
読んだページ
406216ページ(1日平均116ページ)
感想・レビュー
731件(投稿率56.3%)
本棚
0棚
自己紹介

文芸書を中心に、ミステリー、ファンタジー、ノンフィクション、ビジネス書などなど、ジャンルを問わず読書しています。
特に好きなジャンルは、社会派ミステリーです。

◇好きな作家◇
辻村深月さん
太田愛さん
東野圭吾さん
◇好きなノンフィクションライター◇
石井光太さん

直木賞と本屋大賞を勝手に予想するのが趣味です😃

note
https://note.com/happy_bee503

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