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2024年5月の読書メーターまとめ

K
読んだ本
7
読んだページ
3116ページ
感想・レビュー
7
ナイス
51ナイス

2024年5月に読んだ本
7

2024年5月のお気に入り登録
2

  • ジュン
  • てぃむ

2024年5月にナイスが最も多かった感想・レビュー

K
WW1の間、英内閣官房長としてロイドジョージ首相を最も近くで支えたハンキーによる回顧録。本第2巻はロイドジョージ内閣発足から停戦までの出来事を描写(第1巻はアスキス内閣時代)。ハンキーは文民官僚ながらほぼ全ての政治・軍事的な決定の場に同席しており、タイトルの通りイギリスの最高戦争指導の様子を詳細に伝えている。彼はロイドジョージが国内、英帝国内、連合国間の調整が機能するシステムを作り上げたとして高く評価し、「戦争に勝利した男」と表現。戦時中のメモと1961年当時の回想から成る本書は間違いなく重要な一次資料。
が「ナイス!」と言っています。

2024年5月の感想・レビュー一覧
7

K
WW1におけるドイツとオーストリア=ハンガリーの同盟を、墺の視点、特に外交に観点から記述する書。墺にとって同盟が軍事的・内政的に不可欠だった一方、独への従属は墺の独立性を阻害し単独和平を困難にしたというジレンマが描かれている。皇帝フランツヨーゼフとカール、墺外相ビュリアンとツェルニン、参謀総長コンラートとアルツ等、主要人物達は独墺同盟の利益と不利益のバランスを管理しようとし苦心した。皮肉だが同盟によって墺は軍事的に生き長らえたものの外交上の自律性を失った。墺の対独関係を理解するうえで本書は重要文献である。
が「ナイス!」と言っています。
K
WW1におけるドイツとオーストリア=ハンガリーの戦争準備、作戦遂行、国内産業、銃後の生活、同盟関係、外交等を豊富なドイツ語の一次資料を基に描く書。英語で読めるWW1本は多くが連合国(特に英)視点のものが多い一方、ドイツ語文献を読むことができない読者にとって本書は独墺の状況を理解するのに最適な本である。独墺がいかに敗北したのか、連合国と比して何が足りていなかったのか、指導者は何を間違ったのか、という点は政治・経済・軍事面から紐解かれる。戦争終盤の墺の独への依存や墺内部での独への態度などがよく理解できた。
が「ナイス!」と言っています。
K
WW1の間、英内閣官房長としてロイドジョージ首相を最も近くで支えたハンキーによる回顧録。本第2巻はロイドジョージ内閣発足から停戦までの出来事を描写(第1巻はアスキス内閣時代)。ハンキーは文民官僚ながらほぼ全ての政治・軍事的な決定の場に同席しており、タイトルの通りイギリスの最高戦争指導の様子を詳細に伝えている。彼はロイドジョージが国内、英帝国内、連合国間の調整が機能するシステムを作り上げたとして高く評価し、「戦争に勝利した男」と表現。戦時中のメモと1961年当時の回想から成る本書は間違いなく重要な一次資料。
が「ナイス!」と言っています。
K
WW1前後の文脈も含めた政治・軍事・経済・産業の要素を網羅した非常に包括的な書。本書1冊でWW1の全体像は概ねつかめる。1917年までの出来事は主にテーマごとになっており、1917年10月から終戦までは中央同盟軍の主導権(カポレット戦勝利~春季攻勢第5弾)と連合軍の主導権(第二次マルヌ会戦~百日攻勢~終戦)が時系列で語られる。最後は80pにも渡り戦後の状況、特にWW2との政治的・軍事的な連接性が紐解かれる。グローバルな視点も十分(日本の出兵議論も出てくる)。WW1を学ぶ者にとって必読文献だろう。
が「ナイス!」と言っています。
K
1916年9~11月の中央同盟軍による対ルーマニア作戦についての書。本作戦は敵の後方連絡線をいち早く攻撃し、彼の指揮系統を麻痺させたという点で、WW2における電撃戦の先駆けとなるものだと評価。タイトルからWW2への影響が分析されてると思ったが、実際には純粋にWW1の「ル」作戦、ファルケンハインの第9軍やマッケンゼン軍の作戦に多くの筆が当てられている。「ル」作戦は同盟軍の楽勝だと思われているが、本書ではその困難性も指摘されている。独墺の連携は、西部戦線での英仏の連携との対比にもなる興味深い内容だった。
が「ナイス!」と言っています。
K
WW1を、陸上、海上、国内、外交、統一という5つの戦線(front)から成る一大消耗戦として捉えて主要国の戦略等を論じた書。当然、陸上戦線が戦争の帰趨に影響する最も決定的な要素だが、連合国は他の4つの戦線でも中央同盟軍よりも効率的に戦争を遂行したとする。同盟論に関心があったので、5番目の統一戦線、つまり効果的な同盟の組織化と維持について注目して本書を読みこんだ。著者の専門は英仏の戦略だが、意外にも独墺や西部戦線以外の記述も詳細・豊富。他には著者によるフォッシュの才覚を高く評価する記述が目立った。
が「ナイス!」と言っています。
K
WW1のフランスの戦略や試行錯誤に焦点を当てた書。500p超の大作だが、英語で読める仏軍の専門書としては代表的なものだろう。色々あるが、フォッシュとペタンの意見相違、英仏米との相克、クレマンソーと仏指揮官達の関係性は勉強になった。フォッシュを機会を掴む力に長けた指揮官だと評価している下りは、彼が最高司令官だったからこそ1918年夏秋の反転攻勢を成功させたとの印象を受けた。また独春季攻勢の際にペタンが英軍を支援しなかったという俗説にも反論。総じて仏軍は一貫した大戦略に沿って戦争を遂行したとの主張。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/10/20(4267日経過)
記録初日
2005/12/06(6777日経過)
読んだ本
376冊(1日平均0.06冊)
読んだページ
126097ページ(1日平均18ページ)
感想・レビュー
96件(投稿率25.5%)
本棚
9棚
性別
自己紹介

関心分野:国際関係、国際政治、安全保障、戦略研究、軍事、歴史全般、戦争史、軍事史、外交、インテリジェンス、ゲーム理論、社会科学全般、政治経済

英国大学院で国際関係論修士を修了、戦争学修士を専攻中。
⇒専門:同盟理論、抑止理論、第一次世界大戦
(と言えるかわかりませんが、特に関心の高い研究テーマ)

レビューは洋書多めです。

基本的に小説等の創作物は読みません(漫画は読みますが登録せず)。

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