Fearonの合理的戦争論に基づくのあれば、軍拡による戦争コストの増大は交渉レンジを増大させる、つまり(p-c)のcを増加させるため外交解決が得られやすいという結論に至ることもできる。軍拡が国際関係を安定させるのか戦争に繋がるのかはのIR議論は継続しており計量研究も複数あり著者が知らないはずはないが、それを紹介しないのは不公平かと。他にも抑止が破綻した後の軍事力の役割を考慮していないことや、近年の経済学における科学性への批判を言及していないなどの不備もある。
他方で、イズム論や高坂などの古典に終始するに傾向がある日本のIR教育への「刺激」としては良書。だからこそ、あえて著者は(本書のタイトルも含め)挑発的ともとれる内容を記したのかもしれない(繰り返すが第5章だけは異質であり、読む価値は低い)
関心分野:国際関係、国際政治、安全保障、戦略研究、軍事、歴史全般、戦争史、軍事史、外交、インテリジェンス、ゲーム理論、社会科学全般、政治経済
英国大学院で国際関係論修士と戦争学修士を修了。
⇒専門:同盟理論、抑止理論、第一次世界大戦
(と言えるかわかりませんが、特に関心の高い研究テーマ)
※留学終了につき、更新頻度遅くなります
レビューは洋書多めです。
基本的に小説等の創作物は読みません(漫画は読みますが登録せず)。
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Fearonの合理的戦争論に基づくのあれば、軍拡による戦争コストの増大は交渉レンジを増大させる、つまり(p-c)のcを増加させるため外交解決が得られやすいという結論に至ることもできる。軍拡が国際関係を安定させるのか戦争に繋がるのかはのIR議論は継続しており計量研究も複数あり著者が知らないはずはないが、それを紹介しないのは不公平かと。他にも抑止が破綻した後の軍事力の役割を考慮していないことや、近年の経済学における科学性への批判を言及していないなどの不備もある。
他方で、イズム論や高坂などの古典に終始するに傾向がある日本のIR教育への「刺激」としては良書。だからこそ、あえて著者は(本書のタイトルも含め)挑発的ともとれる内容を記したのかもしれない(繰り返すが第5章だけは異質であり、読む価値は低い)