何がいいのかさっぱりわからなかった。

人権が無視され不合理がまかり通るイメージの入管。基本的に外国人の入国は認めないという原則で運営されている入管。元入管職員が綴る実態を読んでも解決の糸口は見つけられなかった。

20年ぶりの長編小説。一気に読んだが、ストーリーはわかっていなかった。

倉本聰の自叙伝の前半が本書。幼少期から学童疎開、麻布中高、3浪して東大、ニッポン放送入社、5年間のサラリーマン生活に区切りをつけフリーになるまで。波乱万丈の半生記。

独走の代名詞として悪名高い関東軍を解き明かす。謀略活動を繰り返し、日本政府・陸軍中央の統制から外れて行動した。最後はソ連侵攻に対峙し、居留民保護という重要な任務を放棄し、崩壊した。太平洋戦争に於ける日本軍の象徴的な存在だった。

破れ星流れたを借りたつもりが、読了した破れ星燃えたを再読していた。それに気がついたのは三分の一も読み進んでから。それでも新鮮な気持ちで再読した。倉本聰の中身の濃い自叙伝。どれだけ多くの人々に支えられ、どれだけ多くの仕事を成し遂げ、どれだけ多くの人々と交流し、影響を与えてきたことか。大した演劇人だ。

長崎と五島列島を舞台に幕末の動乱のなかでいきぬいた蘭次郎の物語。

何がいいのかさっぱりわからなかった。

1年かけて熊野古道の全域を、紀伊路・中辺路・大辺路・小辺路・奥駈道・伊勢路そして三山を廻る全古道を歩きつないだ巡礼記。時にカヤックで川を下り、テントで野宿しながらの旅はとても良く真似ができるものではない。熊野が遥か昔からの巡礼の地であり、そこかしこに王子と呼ばれる現地の神様を祀る場所がある、霊験深いえりあしだと理解できた。でも行ってみないとわからない。