ネタバレこうだろう、という想像が実は違うことを、それぞれの視点から物語が進むことでわかっていくのが面白い。 子供を殺した犯人がわかっていても警察に言わず、自分で復讐し、しかも手口がかなり陰湿。淡々と綴られているのがさらに怖い。中学生の未熟な全能感を、これ以上ないほど叩き潰すラスト。想像すればするほど、じわじわ怖さが増していく。

ネタバレこうだろう、という想像が実は違うことを、それぞれの視点から物語が進むことでわかっていくのが面白い。 子供を殺した犯人がわかっていても警察に言わず、自分で復讐し、しかも手口がかなり陰湿。淡々と綴られているのがさらに怖い。中学生の未熟な全能感を、これ以上ないほど叩き潰すラスト。想像すればするほど、じわじわ怖さが増していく。

ネタバレ大奥に勤める女性たちの短編小説。大奥だと上様の寵愛をめぐる愛憎劇のイメージだけど、その時代に女性だてらに仕事で出世していくお仕事小説だった。女性は結婚して子供を産み育てて家を守るのが当然の時代。そんな中で役目を持ち収入を得て出世も望めるなんて、唯一の場所なのかもしれない。それぞれのお役目の中でイキイキと働く女性たちの話がどれも楽しい。器量が悪くてもわざと白塗りにして目立ち、上様のお召しを公言し、さらには朗らかに堂々としている夕顔さんが一番好き。

ネタバレ拘束されて餓死させられる事件の裏に、生活保護をめぐる問題が大きく横たわっている。おばあちゃんと、若者と子供の束の間のあたたかな擬似家族関係も貧しさに奪われ、セーフティネットのはずの行政は助けてくれない。ミステリーとしても、社会問題としても読むべき一冊。

ネタバレタイトルに惹かれて手に取り、電車で開いたものの、顔面が保てず途中で閉じた。ただ、すごく面白いと、正直怖いが入り混じっていて、紙一重な感じ。

ネタバレ主人公の学生時代と現在の話かと思っていたら、ゲーセンで働く主人と、その主人公が書く小説の中身だった。現実と虚構の境目が曖昧で、混乱する。二編目で芥川賞を受賞した主人公が小さい嘘を重ねていく張り詰めた空気に、読んでいて緊張する自分がどう見られてるか、どう思われているか、空気を読みすぎて、自分がどう思っているかさえ曖昧になっていく。本人もいつか破綻すると分かっていても、さらにエスカレートしていくのを止められない。あっという間に読めてしまう割に、モヤモヤと緊張と、何だったんだろう感もすごい。

ネタバレ会社の課題図書。読みやすくあっという間に読める。タスクが多くほとんど忘れてしまったけど、読んだ後はちょっと何か話しかけてみようかなという気になった。人とコミュニケーションを作る意識づけができただけでも、読んだ価値はあった。

ネタバレピアニストを目指す仲の良い従兄弟同士とおじいちゃんが火事にあう。火事の描写が凄まじく、リアルに想像できてしまい、怖かった。 病院で目覚めた後も、学校に入学した後も、辛いことばかり。そんな中でお母さんは転落死するし、主人公は狙われるし、どう決着するのかと読む手が止まらなかった。最後全く予想していなかったので、また最初からめくり直してしまった。

ネタバレわずかなお題から、こんな物語が産まれるなんて、作家さんとはすごいのだな思う。内容はとにかく軽快。コロナ禍に書かれたので、読む人を元気づけようという意図なのか、たまたまか。猫のクリームパンのお手て、ヤモリの赤ちゃんのお手て。全体的に宝塚多め。推しがいる生活に憧れがあるので、読んでいて楽しかった。読み終わってから表紙を見ると全部入りで、また楽しめる。

ネタバレ平凡だけど誠実な若い刑事さんと、法曹界を目指す学生とそのおばあちゃんの謎解き短編小説。守秘義務は！と思いつつも、良いのです、お話だから。若い二人だからか爽やかな読み心地。思いがけないラスト。あと、要人から無理難題を言われるコンシェルジュは、元有名書店員の方と同じ名前だけど、関係あるのかな。