タイトルからはハウツー本もしくはクマの生態解説を期待してしまいがちですが、むしろ本書は姉崎氏の生き様、人生哲学、自然とヒトの在り方を学ぶものと捉えています。いかにアイヌの方々が自然へ敬意を示していたか（ウェンカムイは除く）、どのように付き合ってきたか、というところは、現代でもなお参考にすべきところが多々あると感じました。遭遇時の対策については、あとがきにあるように個体差があるでしょうし、20年前のインタビューなのでクマや取り巻く環境が当時と同じでないので参考程度に。役に立つ日が来ないのが一番ですが。

タイトルからはハウツー本もしくはクマの生態解説を期待してしまいがちですが、むしろ本書は姉崎氏の生き様、人生哲学、自然とヒトの在り方を学ぶものと捉えています。いかにアイヌの方々が自然へ敬意を示していたか（ウェンカムイは除く）、どのように付き合ってきたか、というところは、現代でもなお参考にすべきところが多々あると感じました。遭遇時の対策については、あとがきにあるように個体差があるでしょうし、20年前のインタビューなのでクマや取り巻く環境が当時と同じでないので参考程度に。役に立つ日が来ないのが一番ですが。

現代物理学、たとえば物質の成り立ちや空間とは何かといった話から始まり、そこから宇宙の「ぜんぜんわからない」を解説してくれています。繰り返し言及されている「科学とは実験で検証できるもの、そうでなければ哲学か宗教」という文言は、我々が星空を見上げ、原子をバラバラにしたりする上で留意しておかねばならないと感じます。宇宙の95%が「ぜんぜんわからない」現在ですが、観測可能な宇宙と検証可能な宇宙がちょっとずつ広がっている以上、いずれは玉ねぎの皮が一つ剥かれて「ちょっとはわかった」が発行される日を心待ちにしています。