五百年ぶりに復活した呪いの人形「お梅」。現代人を呪い殺そうとするが、時代の進化により悪戦苦闘する…。 呪いの日本人形も藤崎さんの手にかかればこんなにも愛おしくなってしまうんですね。 重くなりがちな現代が抱える問題点を優しく切り取る語り口は見事。 お梅ちゃんのいたる所で巻き起こる場外乱闘は可哀そうだけど笑ってしまいました。その辺で拾われるのを待っていないか探しに行きたいです。

被害は拡大し、謎は増殖。 正体不明の恐怖がひたひたと忍び寄る。 こんな状況のなか、新たな展開への布石が敷かれ、本当の恐怖と魔の手が襲い掛かってきそうな予兆…。というところで三巻へ！

山に囲まれた村で連続して起こる不審死。殺人か疫病か、それとも…。 古い因習に囚われた村民の良い意味でも悪い意味でも、閉鎖された空間での生活感が生々しく、うっすらとした気味の悪さがつきまとう。 明らかに人が死んでいて、何かが起きているはずなのに何も起きていないような不気味さが、この先どう展開していくのか期待と不安が拡がります。

今では落ちぶれたかつての人気俳優・堂城。ある晩、麻薬を吸った帰りにひき逃げしてしまう。後日、事故の瞬間を撮影したファンに結婚を要求されるが…。 苦痛な私生活とは逆に仕事の運は向いてくるという、手放しで喜べない状況のなか、思いもよらない展開と筆者の軽妙な語り口に翻弄され、感情が追い付かず迷子になってしまいました。 不穏な空気から突如として訪れる終盤戦の勢いに呑みこまれて読了。面白かった。 もう全員地獄に堕ちればいいのに…。

作家アリスシリーズ22作目。 「お店」を巡る5つの物語。 お店というテーマに様々な手法を凝らしていて、長いシリーズなのに、飽きることなく読めるのだから凄いことです。 3話目「ショーウィンドウを砕く」の倒叙ミステリが見応えあってお気に入り。 豪華なフルコースの後にデザートのような東川篤哉氏の解説も楽しかった。

謎のメッセージを残して死んだ兄に何が起きたのか調べるため、妹のナオコは信州白馬にあるペンションへ向かうが…。 密室に暗号とミステリ全開の東野圭吾初期作品。 新たな真相が次から次へと明らかになる終盤の畳みかけが気持ちいい。 序盤から読者に仕掛けてくるネタにも遊び心が感じられて面白かった。

夜の学校のプールにはなたれた金魚。誰が、何のために？4年1組の仲良し3人組のミステリトリオが謎の解明に動き出す…。 児童書初の本屋大賞ノミネート作。 期待していたよりもずっと面白かった。3人の魅力的なキャラクター、わくわくするストーリー展開、本格ミステリのような謎解き編、かわいいイラスト付きで読みやすく分かりやすい。 小学生の頃に出会いたかったです。

シリーズ2作目。 聖女伝説が伝わる里で行われた婚礼の場で、同じ盃を回し飲みした出席者に起きた「飛び石殺人」。探偵・上笠丞が奇蹟の証明に挑む…。 地味な展開になりがちな多重解決の反証と証明を、ド派手な展開を取り入れつつ先が読めない展開で飽きずに読めました。 ところで続編の予定はないのでしょうか？１番弟子の八ツ星くんの成長した姿をぜひ見たいものです。

五百年ぶりに復活した呪いの人形「お梅」。現代人を呪い殺そうとするが、時代の進化により悪戦苦闘する…。 呪いの日本人形も藤崎さんの手にかかればこんなにも愛おしくなってしまうんですね。 重くなりがちな現代が抱える問題点を優しく切り取る語り口は見事。 お梅ちゃんのいたる所で巻き起こる場外乱闘は可哀そうだけど笑ってしまいました。その辺で拾われるのを待っていないか探しに行きたいです。

刀城言耶シリーズ4作目。 忌み山で起こる謎の現象、一家消失に見立て殺人、そして正体不明の山魔とは…。 今作は最後まで集中して読むことが出来ませんでした。怪異による恐怖が薄く、お約束ごとのような終わり方も疑問。 回りくどい解決編と真相にも胃もたれしました。 唯一、刀城言耶の担当編集者は良きキャラでした。