言わんとしていることは分かるけど 理屈てんこ盛りにした割に結び方で「あり得なくない？」 好みの問題でしょうか。

ストーリーが加速してくるまでは 中年おばちゃんの鈍臭さにうんざりで 少々 辛抱が要る。 後半 瞬きする間もないほど 話はビュンビュンと。 このスピード配分も 宇佐美ワールドならでは… かな。

かなしみを 実物大でそのまま受け止めよう、という本。かなしみを恐れるあまり見えないジャンボお化けを創り出さぬよう そのまま黙って寄り添っていればいい… ってことかな。優しいようで 実は深い話。子供達はどういう反応をするんだろうな。

グロテスクなモノクロ写真を見ているような 千早ワールド健在。エグいというより痛く哀しい感触。程度の差はあるにしろ人には誰でもいくつかの傷跡がある。そこに何かしらの物語があり傷跡自体の呟きがある。転んで作ったもの/犬に噛まれてできたもの/うっかり刃物で作ってしまったもの/手術を受けて残ったもの…読み終えた時 長い間忘れていた自分の身体に残っている ささやかな傷跡たちについても ふと振り返りたくなるような一冊でした。

言わんとしていることは分かるけど 理屈てんこ盛りにした割に結び方で「あり得なくない？」 好みの問題でしょうか。