松田自身が引用しているように、日記では78年に松田と会って割と景気のいい話を聞かされ、翌日筑摩の倒産を聞かされたとある。だがその点について松田が何も説明していないのがおかしい。せっかく解説者になったのだから説明すべきだろうと思った。
その松田解説では、不安神経症が薬をやめたら治ったというようなことが書いてあるが、これは何だか薬を敵視するどこかの医者のようで、今の精神薬は急にやめるとひどい禁断症状が起こることもあるので、軽々にこういうことは書くべきではないんではないかとすら思った。
我慢してじっくり読んだら五日くらいで読んだ。狂った姉を抱えて60歳まで生きて結婚できなかったかわいそうな文学者である。しかしこれは読売文学賞をとっているが著者福原はこの三年前にも「トマス・グレイ研究抄」で同じ賞をとっていて、こういうことは余り良くないと思う。
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