読書メーター KADOKAWA Group

2024年10月の読書メーターまとめ

小谷野敦
読んだ本
11
読んだページ
4618ページ
感想・レビュー
11
ナイス
74ナイス

2024年10月に読んだ本
11

2024年10月のお気に入られ登録
6

  • ッ
  • Wv Domo
  • テイネハイランド
  • イタミカンゾー
  • rienafaire
  • 名無し

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

小谷野敦
いわゆる地下鉄サリン事件の被害者を中心に多くの人へのインタビューを編纂したもので、読み応えがある。印象に残ったのが多くの人の、勤務先へ行かなければという熱意の強さである。私は公安警察がこの事件を予測しえていなかったことは驚きでしかない。著者のあとがきもそのあたりを突いているが、最終的には「信教の自由」が妨げとなったのだろう。私はすべての宗教はカルトだと思っている。もちろん、カルトだから毒ガスをまくわけではないが。
が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
11

小谷野敦
1975年から80年までの、つげの37歳から42歳までの時期の日記で、83年に『小説現代』に連載され、その後刊行された。長男正助の出生、妻マキの子宮がんをへて、つげが不安神経症に襲われて苦しむまでを描いていて、読んでいて大変きついものだった。特に私のようにガン恐怖症で不安神経症の人間には。しかし妻で唐十郎の劇団にいたマキというのは結構悪妻だと感じ、そのためこれが発表された時に夫婦関係が険悪になり、文庫化もマキが死んでから20年もたってからのことであった。文庫の解説は元筑摩書房の松田哲夫が書いているが、
小谷野敦
2024/10/31 15:21

松田自身が引用しているように、日記では78年に松田と会って割と景気のいい話を聞かされ、翌日筑摩の倒産を聞かされたとある。だがその点について松田が何も説明していないのがおかしい。せっかく解説者になったのだから説明すべきだろうと思った。

小谷野敦
2024/10/31 15:22

その松田解説では、不安神経症が薬をやめたら治ったというようなことが書いてあるが、これは何だか薬を敵視するどこかの医者のようで、今の精神薬は急にやめるとひどい禁断症状が起こることもあるので、軽々にこういうことは書くべきではないんではないかとすら思った。

が「ナイス!」と言っています。
小谷野敦
鳥井加南子の訃報を耳にしたので「天女の末裔」を読んでみた。乱歩賞は応募型新人賞なのでよくあることだが、下手。素人の習作を読んでいるようであった。前に読んだ東野圭吾の受賞作でさえ下手だったのだからやむを得ないが、なるほど最初はこれだけ下手でも書いているとうまくなるもんだなと思えるが、鳥井のほうはその後うまくなったのかどうかは知らない。
が「ナイス!」と言っています。
小谷野敦
白血病で入院中の著者がベッドで書いて『小説すばる』に連載したもの。小説教室などと銘打った本はいくつもあるが、実際には本を読んで小説家になれる者などほとんどいないので、「たった独りのため」つまりごく少数の才能のある者に向けて書いているという体なので、普通の作家志望者が読むとすごく腹が立つらしいが、書いてあることはほとんど本当のことで、作家志望だったがついに果たせず無念を抱いて死んでいった著者の父の話が最初と最後に来る、ある意味私小説ともいえる。
小谷野敦
2024/10/26 22:46

あと、書評家や評論家は(なぜか「文芸評論家」とは書いてなかったが)自分で小説を書いてみたらいい、というのはその通りだと思った。

小谷野敦
2024/11/08 10:42

「つげ義春日記」を実際に読んでみたら、比喩あった

が「ナイス!」と言っています。
小谷野敦
古典だが今まで読んでいなかった。『馬鹿一』の次に読んだがこれはどっちを先に読むべきか?と思ってしまった。最初にいきなり、天皇をどう思うか、尊敬すべきものだ、などという保身的な対話があるが、あとは、真理先生、馬鹿一に、泰山、白雲子、語り手の山谷に、杉子と愛子の女性二人などが縦横無尽に行ったり来たりするヘンテコ小説になる。が、さほど飽きないから、今まで読まれているのだろう。
が「ナイス!」と言っています。
小谷野敦
いわゆる地下鉄サリン事件の被害者を中心に多くの人へのインタビューを編纂したもので、読み応えがある。印象に残ったのが多くの人の、勤務先へ行かなければという熱意の強さである。私は公安警察がこの事件を予測しえていなかったことは驚きでしかない。著者のあとがきもそのあたりを突いているが、最終的には「信教の自由」が妨げとなったのだろう。私はすべての宗教はカルトだと思っている。もちろん、カルトだから毒ガスをまくわけではないが。
が「ナイス!」と言っています。
小谷野敦
比較文学の入門書というのは国文や英文学のと違って、読むべき文学作品のリストというのを載せられないので、学習者はそれとは別に専門としたいものについて学ばなければならない。精力的な編集だが、「言語相対説」サピア・ウォーフの仮説について一項目あるのは疑問である。あれはすでに昔言われたような『雪を表す単語が数百ある」などというのは都市伝説で、かろうじてちょっとした言語の影響がある程度になっているはずだ。
小谷野敦
2024/10/13 15:09

あと江藤淳の『漱石とアーサー王伝説』を比較文学の名著のように取り上げてるがあれは比較文学の博士論文としてもゴミに近いほうだぞ。

が「ナイス!」と言っています。
小谷野敦
辻原登という作家の作品が面白いと思ったことがなくて、文章も下手だし、なんでこれが多数の文学賞をとって藝術院会員になっているのかも謎だったが、谷崎潤一郎賞をとったこれは読んでいなかったので目を通そうとしたが、落語家を主人公にした短編連作の、第一編から退屈、意味不明でダメ。
が「ナイス!」と言っています。
小谷野敦
以前『エリア随筆』を読もうとしたら難しくて挫折したが、これは英語で読まないと分からないと言われている。次に笙野潤三がラムのことを書いた『陽気なクラウン・オフィス・ロウ』を読もうとしたがとりとめがなくて挫折、ついでこの本を読み始めたが、実に読みづらい。姉が母を刺し殺したところまでは読んだが、この読みづらい本は読売文学賞を受賞していて、吉田健一は名著だと言っているがその吉田の文章がまた読みづらい。これは昔の英文学界の何か独特の雰囲気と結びついているので、誰か新進の英文学者にこの分かりづらさを解説してもらいたい
小谷野敦
2024/10/07 15:23

庄野潤三の間違い

小谷野敦
2024/10/17 14:36

我慢してじっくり読んだら五日くらいで読んだ。狂った姉を抱えて60歳まで生きて結婚できなかったかわいそうな文学者である。しかしこれは読売文学賞をとっているが著者福原はこの三年前にも「トマス・グレイ研究抄」で同じ賞をとっていて、こういうことは余り良くないと思う。

が「ナイス!」と言っています。
小谷野敦
藤浦敦という人は、円朝の友人の藤浦周吉というのが三遊派宗家というのになり、その孫の三代目で、円朝の名を継がせる権限を持っているという。それでこんなタイトルになっている。談志、小さん、小朝がお気に入りでこの三人との対談が入っているが、ほとんどは1980年から94年まで時事通信の配信で書いた寄席の随筆で、題名と中身が食い違っているので不満の声が多いようだ。驚くのは六代目圓生をかなり悪く言っていて、戦後の滑稽噺は良かったが円朝の怪談噺はダメだと言いつつ、小朝の累ヶ淵なんかは絶賛している。志ん生や文楽に対しても
小谷野敦
2024/10/06 12:37

あと九代目の文楽に甘い。概して普通に甘い人だが、小三治もそれほど褒められてない気がする。

小谷野敦
2024/10/06 12:42

六代目小さんになった三語楼にも甘いのは小さんびいきだからか。しかし花緑も大した落語家にはならなかった

が「ナイス!」と言っています。
小谷野敦
1978年、日経新聞に連載された「第三の新人」の近藤啓太郎の長編で、近藤は妻を亡くした経験を「微笑」(74)に描いているが、ここでは画家の江口草介がやはり妻を亡くし、新しい女を獲得していくさまをエロティックな場面も含めて風俗小説として描いている。
が「ナイス!」と言っています。
小谷野敦
芥川賞受賞直後に「日本経済新聞」に「ざぼんの花」として連載されたもので、一家の日常を描いた、のちの庄野文学の核となる私小説的作品で、子供にも読める読物。こういうジャンルでの第一人者なので読んでいて大変面白く、愉快である。「入り乱れて寝ている」とか色々面白い表現も多い。代表作としてもはや古典の域に達している。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/08/11(4121日経過)
記録初日
1987/11/01(13536日経過)
読んだ本
122冊(1日平均0.01冊)
読んだページ
41514ページ(1日平均3ページ)
感想・レビュー
121件(投稿率99.2%)
本棚
0棚
性別
外部サイト
読書メーターの
読書管理アプリ
日々の読書量を簡単に記録・管理できるアプリ版読書メーターです。
新たな本との出会いや読書仲間とのつながりが、読書をもっと楽しくします。
App StoreからダウンロードGogle Playで手に入れよう