犯罪を犯した人たちに最高の環境を提供するために新宿に建てられた「東京都同情塔」を巡る物語。ザハ・ハディドによる新国立競技場を登場させることによって、並行宇宙的な読み方もできました。設計者の牧名沙羅さんや同情塔のサポーターを勤める拓人さんに何か悪いことが起きなければ良いがとヒヤヒヤしました。

力持ちの村人ユーヴァが死霊術士にさらわれた王女イグネリアを救出するため竜の塔を進む物語第３弾。今回も塔の中で怪物や掘削連合に会ったり、魔法が使われていましたが、大きな進展はあまりなかったように思います。ただ、ユーヴァの素性が明らかになったのは大きかったでしょうか。

人類とAIとの戦争終結後の世界を歩くエリオとアンジュの物語第３弾。アンジェの戦闘能力もエイダの力で復活。二人が立ち寄ったホースシュー島でのささやかな親子の物語を経て、セント・カルタスへ。シュミットとヴァレットが意外と早く物語から退場してしまったのは少し残念な気もしました。

舞妓さんたちのまかないを担うキヨさんの物語、第27弾。今回は前巻に引き続き、芸妓さんになる「つる駒さん」と妹分の「駒えみさん」のいい話。新しい仕込みさんの凛さん、桜さんが屋形に加わり、時の経過を感じます。主役の三人の登場場面は少なめでしたが、それぞれの道を精進していてホッとしました。

怪獣が頻出する日本を舞台に防衛隊の活躍を描くスピンオフ第２弾。前半はキコル、後半は鳴海隊長の物語。２人が専用武器を獲得する物語が丁寧に描かれていて面白かった。四ノ宮隊長（長官）のリーダーシップが光る巻でもありました。

谷川俊太郎さんの詩に岡本よしろうさんの絵が添えられた絵本。「生きているということは」という少し哲学的な詩ですが、岡本さんが一見、詩と無関係な日常を描くことで、詩と日々の暮らしの接点を感じることができました。

犯罪を犯した人たちに最高の環境を提供するために新宿に建てられた「東京都同情塔」を巡る物語。ザハ・ハディドによる新国立競技場を登場させることによって、並行宇宙的な読み方もできました。設計者の牧名沙羅さんや同情塔のサポーターを勤める拓人さんに何か悪いことが起きなければ良いがとヒヤヒヤしました。

世界各地で経験したり考えたことをまとめたエッセイ集「旅の窓」の続編。今回も右ページに文章、左ページに文章にまつわる写真という構成。エッセイと写真から現地の空気が伝わってくる感じがします。もったいない気もしましたが、一気に読みました。

以前は許されてきた職場のパワハラは、許されなくなっています。一方、どこまでが指導でどこからがパワハラなのか知りたいと思っている経営者や従業員は多いのではないかと思います。この本はパワハラの基礎知識から具体的な事例まで網羅した教科書のような本です。パワハラ問題に多く関わってきた弁護士の著作らしく、とても分かりやすい。今度、職場の同僚にも薦めたいと思います。

日本政治の方向性をテーマにした佐藤 優さんと山口二郎さんの対談。与党にしっかりした政策を望む佐藤さんと野党の可能性を期待する山口さんの立場が異なることによって、政治の課題を浮かび上がらせる内容。自民党の戦後の歩みも学べますが、揺れ動く社会情勢の中で日本がどうあるべきかといった議論が多く、興味深く読むことができました。

東北新幹車内誌に寄せられた著者の旅エッセイ集。青森の竜飛岬や鎌倉の小さな路地、震災後の浄土ヶ浜など沢木さんが訪れた場所が目に浮かぶよう。普通列車を使って、あてのない旅をするのも楽しそうだと思える本でした。

中年のシングルファザー３人の子育て奮闘記。学生時代からの友情がお互いを支えている様子が微笑ましいコミックでした。日本ではあまりないようなアメリカらしい会話も楽しめました。今後、続編もあるのかな。