渡辺明のとんでもないレベルでの常識の無さとか、世の中とはあまりにかけ離れた生活振りを知れるだけでも、このシリーズの価値はあるのだが、今回は第50話の藤井聡太を語る「独占インタビュー」のところが興味深い。今や全てのトップ棋士が打倒藤井だけを考えているハズだか、その成果は八大タイトル戦の番勝負無敗という2024年3月までの結果をみると、それに成功した者は誰もいないということになる。今回はそれを棋士がどのように感じているのかを垣間見ることが出来る。この状況は特に年上の棋士にとっては絶望でしかないのだろうと思う。

渡辺明のとんでもないレベルでの常識の無さとか、世の中とはあまりにかけ離れた生活振りを知れるだけでも、このシリーズの価値はあるのだが、今回は第50話の藤井聡太を語る「独占インタビュー」のところが興味深い。今や全てのトップ棋士が打倒藤井だけを考えているハズだか、その成果は八大タイトル戦の番勝負無敗という2024年3月までの結果をみると、それに成功した者は誰もいないということになる。今回はそれを棋士がどのように感じているのかを垣間見ることが出来る。この状況は特に年上の棋士にとっては絶望でしかないのだろうと思う。

万城目学の文学賞での選評を読んでいると「物語の破綻が」などと書いている評者がいるが、あれは小説を擬似現実と捉えているからこその評論であって、万城目学の小説は擬似夢なのであって、元から破綻しているのは当たり前と感じている私なんかにとっては、見当違いな評論であるように思える。それはさておき、今回の小説は万城目学の夢想全開である。これからどう回収されるかは最後まで読んでいないから分からないが、今のところとっ散らかりまくっている。まあこんかものだろうという気もするが、これがいかに収斂していくのか見ものなのである。