お話ごとに毛色が違って、次はどんな話だろう…と身構えながら読んだ。どの話も一筋縄ではいかないというか、きれいごとで終わらせてくれないので読み応えがある。とくに「式日」が好きで、「好かれるって恐怖だろ」って言葉がなんとも頭に残った。後輩が事故までどんな選択をしたのかわからないけど、少しでも先輩と穏やかな時間を過ごしていたならいいなと思う。

感動するわけでも読後感がさわやかでもないけど、思い当たることがある人にとっては読んでよかったと思える本だと思う。兄の誠実も弟と本質が似ている気がする。自分の人生の優先順位が低いというか。最後の希望の今を書いた話が、本人は苦しいだろうけど救いがあったように思う。

オシャレなお店は店主のコントロール下に置かれてる感じがして居心地悪いっていう一文、すごくわかる。店に釣り合うか考えてしまって落ち着かない。人は隙がある方がいいなんて言うけど店もそうなんだ。変なことを言語化するのが相変わらずお上手な穂村さんでした。

お話ごとに毛色が違って、次はどんな話だろう…と身構えながら読んだ。どの話も一筋縄ではいかないというか、きれいごとで終わらせてくれないので読み応えがある。とくに「式日」が好きで、「好かれるって恐怖だろ」って言葉がなんとも頭に残った。後輩が事故までどんな選択をしたのかわからないけど、少しでも先輩と穏やかな時間を過ごしていたならいいなと思う。

ミニマリストを突き詰めるとこうなるのか。なにもない刑務所のような家とか、本人はいいとしても家族がつらい。主人公はミニマリストだけど、ミニマリストをターゲットにしたモノを売っていて、本人もその行為のおかしさに気づいている。それなのに周りのミニマリストたちのことは冷めた目で見ているのはどういうことなのか。自分だけはモノを捨てることに固執しすぎずきちんとバランスのとれたミニマリストだと思っていた？ラストの展開を考えるとタイトルのなんと空虚なことか。