誰に薦められたかは皆目見当がつかないが、積読されて久しい本書を予習なしに読んでみた。倒叙ミステリーというジャンルはあまり不慣れなのだが、比較的謎を多く残した物語設定で読みごたえがあったと思う。ラストでの伏見と碓氷優佳との攻防はなかなか良かった。ここで多くの謎が一気に回収されていくのも醍醐味かもしれない。ただこの二人の関係性はすごく微妙な感じがして、この物語進行には似つかわしくない気がしたが、意外な展開で二人の関係にさらなる伏線を残して終わったのは非常に良かった。続編はと思ったらそちらもあるようだ。

浦沢直樹の「漫画編集者」でリチャード・ウーなどのペンネームを使う「漫画原作者」でもある著者の小説作品は、同様な経歴を持つ大塚英志のそれと似てなくもない。主人公の醍醐はリチャード・ウー原作の「警部補ダイマジン」の主人公・台場を彷彿とさせる。物語は漫画をモチーフにしたミステリー。その中で漫画や漫画編集の蘊蓄がちりばめられている。エンタメ要素はいまひとつだったが、なかなかの佳作で読みごたえあった。

誰に薦められたかは皆目見当がつかないが、積読されて久しい本書を予習なしに読んでみた。倒叙ミステリーというジャンルはあまり不慣れなのだが、比較的謎を多く残した物語設定で読みごたえがあったと思う。ラストでの伏見と碓氷優佳との攻防はなかなか良かった。ここで多くの謎が一気に回収されていくのも醍醐味かもしれない。ただこの二人の関係性はすごく微妙な感じがして、この物語進行には似つかわしくない気がしたが、意外な展開で二人の関係にさらなる伏線を残して終わったのは非常に良かった。続編はと思ったらそちらもあるようだ。