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2025年1月の読書メーターまとめ

Aminadab
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感想・レビュー
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393ナイス

2025年1月に読んだ本
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2025年1月にナイスが最も多かった感想・レビュー

Aminadab
〈古典部〉シリーズは4冊かと思っていたらいつの間にか6冊に増えていたのでこの1冊目から読み返した。全巻読んだ上で結論を言うと、5冊目6冊目も快調。むしろ良くなっているから心配ご無用のお薦め。この1冊目はライトノベル新人賞への応募作で、受賞ねらいの戦略があり、さらに作者の持ち味であるミステリジャンルのマニア性もすでに十分に出ている。前半に北村薫ばりの小さな〈日常の謎〉が3つあり、後半で〈時の娘〉ばりに33年前(1967)の事件の真相を解明する。その手続きがA・バークリーの有名作へのオマージュになっている。
が「ナイス!」と言っています。

2025年1月の感想・レビュー一覧
11

Aminadab
米沢穗信『遠まわりする雛』でフットレル「十三号独房の問題」(1905年)が引き合いに出されていたので懐かしさに負けて借りてきた図書館本。フットレルは傑作、すごくテンポがいい。1人1篇、もと5巻本今回6巻本、創元推理文庫の看板アンソロジーの新版だが、ポオやドイルを含め通しでいま読んでもすごく楽しい。コリンズとチェーホフはサービス満点で、オルツィも簡潔。時代色濃いのがグリーン「医師とその妻と時計」。ヴァン・ダインが見つけてきた1895年の作で、フットレルとは対照的なごたごた構成のメロドラマ。だがそこが面白い。
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Aminadab
結論からいうと、米澤穂信マニア以外の人にはちょっとお薦めできない。先に〈古典部〉とか〈小市民〉とか『満願』とかを読んだ方がいい(それ以外は読んでないのです)。新人賞で『氷菓』を採用した角川書店編集部がボツにした作を、東京創元社が引き受けて改作してもらって出した長編、ということで、構成は〈日常の謎〉が3つ、続いて女主人公マーヤがユーゴスラヴィア構成6共和国のうちどこの出身だったか、という話になるのだがやや不完全燃焼。〈日常の謎〉のうち3つ目が厭ミス的にとてもよかった、と米澤マニア向けには言いたい。
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Aminadab
シリーズ6作目。短編集。4作目の表題作「遠まわりする雛」でシリーズ全体の結末が暗示されていたが、本作の表題作にはそれをひっくり返すサプライズが仕掛けられている。だけどこれ、おそらくもひとつひっくり返してシリーズ完結じゃないかしら。6篇収録だが純粋な短編としては摩耶花一人称の「鏡には映らない」がベストか。しかし長編補完の中篇としては、同じく摩耶花一人称の「わたしたちの伝説の一冊」が力作。第3作(アニメでは悠木碧がいい仕事をしていた)と第5作の伏線を鮮やかに回収。このシリーズはまだまだ伸びるぞ、と期待。
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Aminadab
シリーズ5作目。長編。構成の整いではこれまでのベストじゃないか。3作目の文化祭に続いて校内行事、しかも省エネ主人公には最もふさわしくない全校マラソン大会をとりあげ、その進行とともに謎を提示し、そして解いていく。あと、米澤にしても北村薫にしても、〈日常の謎〉派の作家は人殺しは描かないのに、要所要所で〈厭ミス〉要素を不意打ちに入れてくるから油断がならない。すごく賢くて性格もいい〈新入部員〉(これも定番の校内行事だ)の言動が次第に不穏になっていって、最後にあの真相、というのはかなり心臓に悪いが堪能した。お薦め。
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Aminadab
シリーズ4作目。〈日常の謎〉なので満を持しての短編集。4篇目「心あたりのある者は」は受賞作。ハリイ・ケメルマンの有名作品「九マイルは遠すぎる」へのオマージュで、集中のベストはこれ。しかし幾篇かは独立の短編としての出来もさることながら、ここまでの3長編を補完してシリーズを先に進める機能が大きい。「手作りチョコレート事件」と表題作がそれで、特に後者は素封家の一人娘千反田の地域社会での役割を描いていてアニメ最終回にふさわしい。これに対しアニメ初回後半の「やるべきことなら手短に」はやや詰めこみすぎだったか。
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Aminadab
『愚者の…』感想の続き。ウィキペディアによると作者は〈古典部〉シリーズを、長編『さよなら妖精』で完結させるつもりだったらしい。『さよなら妖精』はもちろん佳作だけれど、しかし本シリーズにはまだまだ伸びしろがあるので勿体ない。それを阻止した角川書店編集部には見る目があったと思う。それなら、というので、全2作でさんざん話題になっていた〈神山高校〉文化祭を正面から扱ったこの作が生まれた。お祭りすごく楽しそうで堪能。だけど作中でえらく期待を盛り上げられているこの作中作『クドリャフカの順番』、私は全然読みたくない。
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Aminadab
『氷菓』感想の続き。最初に告白すると、自分は〈古典部〉シリーズの最初の2冊だけ読んであとはアニメですませたと思っていたが、実はこの2冊目も活字では読んでいなかったのに気づいてびっくり。シリーズ全体の舞台が岐阜県高山市だとすると、作中の映画のロケ地は三井金属神岡鉱山(主に亜鉛)か、今はカミオカンデになっているところだ。人が死なない〈日常の謎〉と、映画の中の血なまぐさい密室殺人とを、A・バークリーの有名作『毒入りチョコレート事件』とホームズ短編への蘊蓄でつないだあたり、マニアックな点ではシリーズ随一の作では。
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Aminadab
〈古典部〉シリーズは4冊かと思っていたらいつの間にか6冊に増えていたのでこの1冊目から読み返した。全巻読んだ上で結論を言うと、5冊目6冊目も快調。むしろ良くなっているから心配ご無用のお薦め。この1冊目はライトノベル新人賞への応募作で、受賞ねらいの戦略があり、さらに作者の持ち味であるミステリジャンルのマニア性もすでに十分に出ている。前半に北村薫ばりの小さな〈日常の謎〉が3つあり、後半で〈時の娘〉ばりに33年前(1967)の事件の真相を解明する。その手続きがA・バークリーの有名作へのオマージュになっている。
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Aminadab
大河ドラマの参考書を探していて、松木寛の本書か、それとも平凡社ライブラリーの鈴木俊幸かで迷いました(同じ鈴木俊幸で平凡社新書も新しく出た)。著者の専門からして松木が美術(浮世絵)寄り、鈴木が文学(黄表紙・洒落本)寄りかと思い、こちらを買って読んでみた結果、文学関係の内容も先行研究をおさえた上で過不足なく簡潔に書いてある印象。納得したので私はこれでいいや。鈴木も旧版は1998年、本書も1988年で、どちらも信用できる本だと思う。この本では写楽の正体は蜂須賀家の能役者斎藤十郎兵衛という斎藤月岑の説を推す。
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Aminadab
図書館本。シリーズ第4集、5編収録だがうち3編は2回分載の長めの作。漱石が「アイラブユー」を「月が綺麗ですね」と訳したという虚説は実はごく最近にできたもの。松本清張『点と線』はミステリとしては作者自身が認める欠陥作だが、小説として読ませる力は作者自身が自覚していなかったほど素晴らしい。三遊亭圓生が池波正太郎の初期短編を人情噺に脚色して口演したことがある。明治の「居残り佐平治」にはあったが今はなくなった「十二煙草入れ」とは何か。芥川龍之介と12歳年下の大衆芸能研究家正岡容(いるる)との接触など。お薦め。
が「ナイス!」と言っています。
Aminadab
シリーズ第3集、6編収録。今回〈お父さん〉の俎上に登るのは大岡昇平、古今亭志ん生、小津安二郎、菊池寛、古今亭志ん朝、という錚々たる顔ぶれ。4篇目の瀬戸川猛資(1948~1999年)はワセダミステリクラブ出身のミステリ評論家。同窓の作者(1949年~)の一年年上。こういう昔の人を主題にしながら、ドラえもんのしずかちゃんがお風呂に入るのはなぜか、なんていう話題を混ぜこんで、意外に若者フレンドリー。それと〈お父さん〉の暴く真相が意外と〈文春砲〉的で意地が悪い。志ん生と小津と菊池寛はかなりショックでした。お薦め。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/10/27(4131日経過)
記録初日
2013/10/25(4133日経過)
読んだ本
770冊(1日平均0.19冊)
読んだページ
257808ページ(1日平均62ページ)
感想・レビュー
747件(投稿率97.0%)
本棚
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性別
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