テーマの一つは「受付嬢」という仕事。派遣で30歳定年なんだそうだ。もう一つは「漫才師」という仕事。お笑いだけでは食べていけない、客席を沸かせるための絶え間ない努力を日常として描いている。堅実な社会人（笑）人生を歩んできた私には読んでいてイライラが募るばかりだった。読了というよりはページを捲りに捲ったという感じであった。

同期の耳鼻科医川村は要領がいいし、新たに来た後輩の研修医西桜寺凛子は覚えが早くて皮膚の縫い目も美しく仕上げる。と、他人の評価は高くするのに何故か自己評価は低く見てしまう、27歳の後期研修医雨野隆治である。その年令になっても売店のスターバックスは高くて飲めないし、めったに寮に戻ることもない生活を続けるなんてお医者は大変だ。大腸がんの患者の主治医を務める中で発生する数々の問題点。その具体的な表現がわれら読者を引き付ける。薬剤性間質性肺炎。随分前になるが漢方薬の副作用で多くの方が命を落としたのを思い出した。

再読。中学２年生のときにした虫垂炎の手術を思い出した。おなら、おならと看護師さんが言っていたのはこういうことだよなと納得。

人間とはなんと不可解で厄介な生き物であることか。学術優秀、運動抜群、幼い頃から憧れていた教員一家の一人息子が下着泥棒だとはいまだに信じられない美咲であった。上から目線で申し訳ないが、これを書いたのが高校生なのだ。毎年１作の上梓を目標にしているらしいが、今年度から大学生。今後も楽しみにしたい。

土浦駐屯地は桜の名所であり、今年も写真を撮りに行ったところである。だから自衛隊は身近にあるのだが、駐屯地と基地の違いすら知らなかった。3.11で松島の基地が津波でやられた映像も見た。しかしそこに勤務する自衛隊員のことについては想像もしなかった。今ウクライナで多くの人命がむざむざと失われている。日本にもそんな事態が発生しないとは言えない。陽気に描かれた自衛隊の姿だったが、現実の厳しい姿に思いを馳せる内容だった。

テーマの一つは「受付嬢」という仕事。派遣で30歳定年なんだそうだ。もう一つは「漫才師」という仕事。お笑いだけでは食べていけない、客席を沸かせるための絶え間ない努力を日常として描いている。堅実な社会人（笑）人生を歩んできた私には読んでいてイライラが募るばかりだった。読了というよりはページを捲りに捲ったという感じであった。