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2023年8月の読書メーターまとめ

大泉
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147ナイス

2023年8月に読んだ本
11

2023年8月のお気に入られ登録
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2023年8月にナイスが最も多かった感想・レビュー

大泉
信長に叛旗を翻し、有岡城で籠城する荒木村重。城内でおこる不穏な事態の解決に奔走する中、牢の中にとらえた黒田官兵衛の知恵を借りるが、これが思わぬ事態をもたらす。山田風太郎の名作『明治断頭台』を想起させる、歴史的事実をバックボーンにした骨太の連作。いくつもの事件が最後に大きな絵となって立ち上がる手際はお見事。著者の新境地として、長く読まれるマスターピースでしょう。
大泉
2023/08/19 15:12

ブログに感想を書きました。知略の果てと外────米澤穂信『黒牢城』感想 - 宇宙、日本、練馬 https://amberfeb.hatenablog.com/entry/2023/08/18/000000

が「ナイス!」と言っています。

2023年8月の感想・レビュー一覧
11

大泉
一躍時の人となった著者による、ロシアにまつわるあれこれのエッセイ。そうだろうなという感じはしたが、執筆を進めている最中にロシアのウクライナ侵攻が始まり、本書の末尾もプーチン体制の今後を展望して終わる。権威主義体制の指導者の最期が幸福でないことを知るプーチンがその地位を降りられなくなっていることがもたらす災禍に慄くばかりです。出てくるメシが美味そう(艦隊スープとか)で、いいですね。
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大泉
前著『試験に出る哲学』の続編はいわば東洋思想編。インドの仏教思想、中国の儒家、老荘思想にはじまり、それらの展開および日本における受容について取り上げたセンター試験の設問を取り上げて解説する。前著と同じくいかにも予備校的な知識の整理がされていて好みがわかれるでしょうが、巻末のブックガイドは非プロパーのわたくしにはとっても有益です。
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大泉
クリストファー・ノーラン監督による映画の予習のために読む。ロスアラモス研究所で所長を務め、原爆の父としてその名を知られる男の伝記。国家や軍の意にそい科学を殺戮に奉仕させたマッドサイエンティスト…という見方を退け、世知に長けた同業者によってスケープゴートにされてしまった男としてオッペンハイマーを提示する。政治的な立ち回りが同業者と比べて得手ではなかったばかりに、戦後の赤狩りの犠牲となり、ネガティブなイメージが流通していった…というのがおおよその構図だろうか。よい予習ができました。
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大泉
首都圏をぐるりと囲む国道16号線の地理的な条件、そこから生じた無数の文化現象の一端を書く。三多摩地域で自由民権運動が活発だったことは知っていたが、それが「絹の道」が故に海外との接点があったゆえでないか、というのは特におもしろく感じた。松任谷由美や矢沢永吉など、米軍基地から影響を受けたミュージシャンも16号線というトポスでくくれるのはおもしろいっすね。俗な『アースダイバー』の縮小再生産という感じもするが楽しく読みました。
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大泉
100分で名著の改題新書版。司馬遼太郎が明るい明治と暗い昭和とを切断しようとしていたことはしばしば指摘されるが、『坂の上の雲』の乃木のなかにすでに昭和陸軍的なエートスを見て取り、明るい明治のなかに昭和への萌芽をみやるとは本書のおもしろさだろうとは思う。しかしかなり素朴な坂本龍馬への評価など、歴史学者の看板背負った人間の発話としてはマジでどうかと思うが…。
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大泉
脳梗塞の後遺症で苦しむ母、ときたま感情を激発させ暴力を振るう父、それらから逃げ去るように家を去った兄と弟。そんな家族に取り巻かれた少女と、それでも愛する家族との紐帯について書かれた小説。生きていくこと、生きてしまっていることのどうしようもない苦しみが切実に胸に迫る、しんどい読書体験でした。
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大泉
源頼朝と北条義時の伝記的記述を通して、中近世社会を特徴づける武家政権の形成史をたどる。頼朝がいかにして東国における権力基盤を確立し、また源氏のなかでの第一人者となっていったのか、頼朝亡き後のゆらぎのなかで、朝廷をしのぐ権勢を得るようになっていく過程が整理されていて、『鎌倉殿の13人』の復習にとっても役立ちました。先行研究を手際よく参照する語りは巧みで、この優れた研究者があのような愚かな振る舞いをしていたことはやはり残念でなりません。
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大泉
信長に叛旗を翻し、有岡城で籠城する荒木村重。城内でおこる不穏な事態の解決に奔走する中、牢の中にとらえた黒田官兵衛の知恵を借りるが、これが思わぬ事態をもたらす。山田風太郎の名作『明治断頭台』を想起させる、歴史的事実をバックボーンにした骨太の連作。いくつもの事件が最後に大きな絵となって立ち上がる手際はお見事。著者の新境地として、長く読まれるマスターピースでしょう。
大泉
2023/08/19 15:12

ブログに感想を書きました。知略の果てと外────米澤穂信『黒牢城』感想 - 宇宙、日本、練馬 https://amberfeb.hatenablog.com/entry/2023/08/18/000000

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大泉
1950年代、居場所を失った少年が馬を連れてメキシコへと越境する。思うまま馬と戯れることのできる約束の場所、美しい娘、そして遅いくる恐るべき危機。主人公たちが留置所にぶち込まれてから一気にギアがあがり、夢中で読み終えてしまった。このあからさまな反時代性に脱帽です。
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大泉
1968年の運動に全くちがう立場からコミットした二人の対談を、一世代下の外山恒一が仕切る。小熊英二への批判、白井聡や斎藤幸平などの若い書き手への評価など特におもしろく読みました。日本の学生運動(SEALDs)が近隣諸国とくらべてぜんぜん暴力的じゃない、というのはそうよね。
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大泉
再読。構図の設定と村上なりの読みを開陳する手際が惚れ惚れするので思わず説得されてしまう。やはり実作者としての実感をもってテクストの書き手のスタンスなんかを類推するあたりは、村上ほどのキャリアの作家にやられると説得力が半端ないのでズルです。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/12/24(3797日経過)
記録初日
2013/11/07(3844日経過)
読んだ本
2147冊(1日平均0.56冊)
読んだページ
645014ページ(1日平均167ページ)
感想・レビュー
2137件(投稿率99.5%)
本棚
2棚
性別
職業
大学生
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