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2025年2月の読書メーターまとめ

大泉
読んだ本
12
読んだページ
3271ページ
感想・レビュー
12
ナイス
125ナイス

2025年2月に読んだ本
12

2025年2月のお気に入られ登録
3

  • テル35
  • 那由田 忠
  • azi_tarou

2025年2月にナイスが最も多かった感想・レビュー

大泉
ポストコロナのインターネット陰謀論小説である表題作、劉慈欣ばりの壮大な設定で『ほしのこえ』風のロマンスを描く「ちょっとした奇跡」など所収。SF的なガジェットが前面に出ているのは半分くらいか。小川にしてはやや外連味やはったりが控えめで、その点やや期待にそぐわぬ感じではあったがおもしろく読みました。
が「ナイス!」と言っています。

2025年2月の感想・レビュー一覧
12

大泉
「戦後民主主義を、占領期に進んだ政治的・経済的・文化的な民主化に基づくさまざまな制度・思想の総称」として捉え、その隆盛と衰退の過程を辿る。ある意味で総花的な戦後思想史という感じで、論壇や政治の状況を中心に、さまざまな文化的事象に目配りしているのが本書の叙述の特徴。アジア太平洋戦争のリアリティが希薄化したことで、戦後民主主義もまた衰微しているというのが大きな見立てだろうか。論壇の状況を網羅的に抑えている感じがして勉強になりました。
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大泉
大阪万博を目前に再読。1970年にあっては開発を通した経済成長のための手段であった万博が、その意味を次第に失い、そのアンチテーゼとして自然保護の主張が存在感を増してくる様を、4つの万博を例に跡付ける。万博は日本列島においてはすでに歴史的役割を終えているというのが本書刊行時点の見立てだが、まさか亡霊のようにオリンピックと万博が回帰してくるとは著者も予測できなかったのでは。維新の連中の時代錯誤ぶりは改めて総括される必要があると思いますので、続編が望まれます。
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大泉
日本列島の都市は、災害にあうたび旧来の状態に戻す「復旧」ではなく、新たなあり方を目指す「復興」によってその姿を変貌させてきた。幕末・明治の大火事や関東大震災、アジア太平洋戦争、そして阪神淡路大震災からの復興計画と、それが十全には実施されなかったさまを論じる。本書の刊行は2005年。東日本大震災から遠く離れた現在にあっても、本書の指摘は古びていないと思います。
が「ナイス!」と言っています。
大泉
ポストコロナのインターネット陰謀論小説である表題作、劉慈欣ばりの壮大な設定で『ほしのこえ』風のロマンスを描く「ちょっとした奇跡」など所収。SF的なガジェットが前面に出ているのは半分くらいか。小川にしてはやや外連味やはったりが控えめで、その点やや期待にそぐわぬ感じではあったがおもしろく読みました。
が「ナイス!」と言っています。
大泉
町内会の成立と衰微の歴史を明治までさかのぼり、その理念型を摘出することで跡づけようとする試み。明治期、自由民権運動を経由した、民衆を統治の仕組みに組み込むための手段として成立し、それが戦後に都市部の中小小売業者を中心として、時に政治への回路をもつ、欧米における労働組合のような装置として働いたとする。衰微に関わる記述は、新雅史『商店街はなぜ滅びるのか』の裏面史として読んだ。概説というよりは著者の仮説が強く出た、それゆえ刺激的な論考でした。
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大泉
世界のゴーストタウンおよそ100ヶ所の写真をキャプション付きで収めた写真集。冒頭、中国の失敗したニュータウンが出てきてその偉容に圧倒されるが、中心になるのは廃坑などで廃れた町。取り上げられている日本の軍艦島がその典型だが、北アメリカなんかにはこういうゴーストタウンが点在してるのね。廃墟写真集として楽しみました。
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大泉
ニューヨーク、パリ、東京などなど世界の大都市の地下空間をエッセイとイラスト、写真で辿る。外国の地下鉄路線図をみると複雑で驚くが、改めて東京のそれを眺めると大概なんだよな。おもしろく眺めました。
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大泉
『ベンハー』や『グラディエーター』など著者の専門とする古代ローマを舞台にした作品から、『七人の侍』、『幕末太陽傳』などの日本映画の名作、『アラビアのロレンス』などの歴史映画などなどを扱い、それにかかわる歴史的背景などを語るエッセイ。史実と映画の描写の違いも指摘するが、あくまで映画は映画として楽しむ姿勢に好感。教養云々はともかく、趣味人としての著者の好みが滲む、楽しい読書でした。
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大泉
主に2010年以降の時評をまとめたもの。著者自身がそう総括しているとおり、『輿論と世論』の実践編ともいうべき内容。民主党政権も遠くになりにけりという感じではあるが、そこで語られるデモクラシーに関わる問題はいまだアクチュアル。インターネットなどのテクノロジーが提供する「速さ」にいかに抗っていくか、というのはまさしく我々個々人が鍛えていくべき問いでしょう。
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大泉
原広司追悼のために読む。1970年代に地中海沿岸や中東、中米、サハラの集落を調査した記録を語るエッセイ。近代の波濤が世界を覆わんとしていた時。そこからさらにおよそ50年の時が経った現在、この本で記述される集落はどれほどかたちをとどめているのだろうか。おそらくいまはほとんど現存していないのでは。その意味でたいへんノスタルジーを喚起する本ではある。
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大泉
宇野の専門であるトクヴィルから入り、我々と行政権との関係、デジタル技術の長足の進歩、それに伴うファンダムの伸長などと、民主主義の在り方の変容が対話のなかで論じられる。サブタイトルにあるなかでもとりわけファンダムに関する議論が印象的で、しかし(対話のなかでもその功罪は触れられてはいるが)あまりに楽観的にファンダムを捉えすぎでは?と思っちゃうのよね。「推し活」ってつまるところ高度な資本主義社会において大衆を慰撫するためのフレーズ以上のものではないし、そこに可能性を見出すのは難しいと思う。
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大泉
音楽批評をめぐる論考をおさめる。刊行から約20年経って、サブスク全盛の現在とは音楽聴取をめぐる環境も変わってはいるが、いま読んでも全然おもしろく読めた。クラシックとポピュラーミュージック、ジャズでそれぞれ何を前提にして語りがなされるのか、またはっぴいえんど史観のつくられた文脈などなど印象に残る。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/12/24(4092日経過)
記録初日
2013/11/07(4139日経過)
読んだ本
2245冊(1日平均0.54冊)
読んだページ
675043ページ(1日平均163ページ)
感想・レビュー
2235件(投稿率99.6%)
本棚
2棚
性別
職業
大学生
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