これはまた相当に尖った作品だ。村上春樹の「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」を少し連想した。二つの世界が互いに感応し合いながら並行していく語り。暗喩的な描写、壮大なテーマを個の物語に落とし込んでいく辺り流石の筆力だった。クライマックスの美しく、熱情的にうねる様な描写の圧は読んでいて圧倒されてしまう程だった。間違いなく筆者の作品群でも特別な位置付けの作品であろうと思う。時を経てまたいつか読み直したいと思った。

これはまた相当に尖った作品だ。村上春樹の「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」を少し連想した。二つの世界が互いに感応し合いながら並行していく語り。暗喩的な描写、壮大なテーマを個の物語に落とし込んでいく辺り流石の筆力だった。クライマックスの美しく、熱情的にうねる様な描写の圧は読んでいて圧倒されてしまう程だった。間違いなく筆者の作品群でも特別な位置付けの作品であろうと思う。時を経てまたいつか読み直したいと思った。

誰しもが通り過ぎてきたであろう季節感。国が違っても時代が違っても、そこには同じ風が吹いている。本当に爽やかな気持ちにさせてもらった。絵の力を改めて感じる。小説でも映画でも無く、漫画だけが持つ魔法が確かに掛かった作品だ。

新鮮な空気を胸いっぱいに吸い込んだ様な、そんな爽快感のある作品だ。瑞々しい感覚に既視感を抱きつつ、遠い昔のあの頃の不安とか希望とかが目の前に蘇る様。空気感を丸ごと表現できる様な絵の力に圧倒された。日本のサブカルチャーが時を経てこんな作品に結実するとは面白い。

それぞれの登場人物にとっての卒業が、短くも多くの行間を想像させながらクロスオーバーしていく。作話のテクニックと表現の瑞々しさは非凡のものがある。切実でリアリティがあるかと言われればそれほどでは無いが、読者自身の思い出を刺激する所が受けたのかも知れないと思った。