所収作「黄金の花びら」ジュブナイルものだが、金田一耕助シリーズで角川文庫に唯一収録されていないという、ある意味レアな作品。とある博士の館に深夜に侵入した怪盗を射殺した嫌疑をかけられてしまった博士の甥の少年。たまたま博士邸に泊まっていた古川という名の「小がらで、貧相な人物で、もじゃもじゃ頭をしている」「よれよれの着物に、よれよれのはかまをはいている」小説家が事件の解明に乗り出す。変装ではなく変名パターン。
所収作「石膏美人」を読む。新聞記者の青年・三津木俊助が乗る車にトラックがぶつかり、中から彼の恋人そっくりな石膏像が! 横溝御大が大好きな石膏像ネタから始まる。せむし(今では禁止用語)の怪人の追跡劇は江戸川乱歩チックである。金田一耕助シリーズの方と同一人物かどうかは不明だが、等々力警部も登場する。由利先生の登場は中盤以降になってから。結末に至るまでの人情劇的などんでん返しの展開は、同時期に発表された「白蝋変化」と近いものがある。
最近のアメリカ史家の潮流として「イギリスの白人を中心に描かない」と評し、実際本書でも女性や黒人奴隷、そして先住民の置かれた状況等にも紙幅を割いているのだが(多分そうしないと日米とも学会で爪弾きなのだろう)、連邦憲法の制定をメインテーマに据えればやはり英国由来の白人男性が中心にならざるを得ないという印象である。もちろん、オーソドックスな政治史としては、むしろその方が評価できるのであるが。
ミステリや歴史関係を好んで読みます。
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所収作「黄金の花びら」ジュブナイルものだが、金田一耕助シリーズで角川文庫に唯一収録されていないという、ある意味レアな作品。とある博士の館に深夜に侵入した怪盗を射殺した嫌疑をかけられてしまった博士の甥の少年。たまたま博士邸に泊まっていた古川という名の「小がらで、貧相な人物で、もじゃもじゃ頭をしている」「よれよれの着物に、よれよれのはかまをはいている」小説家が事件の解明に乗り出す。変装ではなく変名パターン。