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2024年10月の読書メーターまとめ

Porco
読んだ本
6
読んだページ
1864ページ
感想・レビュー
6
ナイス
170ナイス

2024年10月に読んだ本
6

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

Porco
古い屋敷,相続問題,六部殺しを元にした因習と、ぼさぼさ髪のフケ症探偵がゆるりと現れそうなロケーションの中、子供の視点で展開される民俗ミステリ。講談社かつ子供が主役のミステリという時点で、察しのいい方は気がつくだろうがミステリーランドとして刊行された一作だ。同レーベルは殊能将之『子どもの王様』や麻耶雄嵩『神様ゲーム』のような、児童書と侮ると童話のような悪辣さと陰惨さで殴られる作品が多く、今回も身構えたが、このまま夏休みの子供向け映画として出せるほど言い得て妙だが良心的な作品だった。 (1/2)
Porco
2024/10/27 14:56

個人的に良かった点として、タイトルにもなっている座敷童子こと「くらのかみ」という怪異は、人が”いいこと”だと思ってることを連れてきてくれるから”いい妖怪”と人は認識しているのであって、本質的には「得体の知れない油断ならないお化け」として語られてることだ。良いものもたまたま人に福をもたらすことをしているだけで、ただそこに在るものという民俗学に沿った「怪異」の書き方をしてくれたのが嬉しい (2/2)

が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
6

Porco
古い屋敷,相続問題,六部殺しを元にした因習と、ぼさぼさ髪のフケ症探偵がゆるりと現れそうなロケーションの中、子供の視点で展開される民俗ミステリ。講談社かつ子供が主役のミステリという時点で、察しのいい方は気がつくだろうがミステリーランドとして刊行された一作だ。同レーベルは殊能将之『子どもの王様』や麻耶雄嵩『神様ゲーム』のような、児童書と侮ると童話のような悪辣さと陰惨さで殴られる作品が多く、今回も身構えたが、このまま夏休みの子供向け映画として出せるほど言い得て妙だが良心的な作品だった。 (1/2)
Porco
2024/10/27 14:56

個人的に良かった点として、タイトルにもなっている座敷童子こと「くらのかみ」という怪異は、人が”いいこと”だと思ってることを連れてきてくれるから”いい妖怪”と人は認識しているのであって、本質的には「得体の知れない油断ならないお化け」として語られてることだ。良いものもたまたま人に福をもたらすことをしているだけで、ただそこに在るものという民俗学に沿った「怪異」の書き方をしてくれたのが嬉しい (2/2)

が「ナイス!」と言っています。
Porco
本年最も惹かれた書題。「平熱のままこの世界に熱狂していたい」そのまま受け取るとそんな無茶なことを…とは思うが、この言葉を知ってたまに考えるにつれ座右の銘にしたいくらい惹かれてしまった。当事者として向き合うにはそれ相応こちらの熱も必要であるが、一定温度の温度に達すると視野狭窄に陥りむしろ見失ってしまう。といって、理性的に見るために距離を置くとそれはそれで見えないものも出てくる。あるがままを楽しむには平熱でありつつ熱狂するという、光と闇を行ったり来たりできるやつが1番強い理論を実践することが肝心なのだ。
が「ナイス!」と言っています。
Porco
さらりと悪趣味な物語が気負わずに読めるそんな短編集。角川ホラーで出された小林泰三の短編集の中では、可もなく不可もない小品が大半といったところ。【五人目の告白】や【森の中の少女】と【魔女の家】の叙述ミステリーのような話といいミステリ風な作品が多い
が「ナイス!」と言っています。
Porco
ドイツのロマン派幻想小説9篇による短編集。お国柄が強く出ているのか、同じ西洋の怪奇小説の有名どころと言えばなイギリスのものより、どの話も少々固く理論的な印象を受ける。グリム童話ゆかりの地シュヴァルツヴァルトの暗い森からインスパイアされたのか、所々深い森への恐怖が散見されたのもドイツの作品らしい。
が「ナイス!」と言っています。
Porco
綴られる物語群に度々登場する毒婦と美少年のせいか、グランギニョルめいた毒々しいほど極彩色な血の様相を見出してしまう作品ばかり。ただそんな印象を受けつつも汚さや残忍さは全くなく、塚本邦雄の絢爛な語彙とイメージによるものか花の香りの甘さや清らかな美しさすら与えてしまう正に和製の耽美なゴシックというものを体現した物語は無二のものだ。
が「ナイス!」と言っています。
Porco
某逃げ上手のアニメ観てこの時代を題材にした作品読みたいとなって購入。後醍醐天皇の即位から鎌倉幕府の滅亡までの太平記の記述を元に、『徒然草』の兼好法師と日陰一族なる後世の忍びのような郎党がそれらに関わっていたという、この手のジャンルの第一人者らしい伝奇もの。展開は落ち着いていて話も淡々と進んでいくのが小説というよりは偽史『裏太平記』というものを読んでいるような感覚がした。推測込みだがさらっと書き綴っているせいか嘘と分かっていても話に妙に説得力がある。しかし、小説の体はあまり成していないのでお勧めはできない。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2014/07/24(3777日経過)
記録初日
2014/07/24(3777日経過)
読んだ本
664冊(1日平均0.18冊)
読んだページ
224303ページ(1日平均59ページ)
感想・レビュー
625件(投稿率94.1%)
本棚
3棚
性別
血液型
O型
職業
技術系
自己紹介

好きなジャンルはサスペンスとホラーとSF。
しかし最近は、興味があればそれ以外のジャンルも手を出すので雑食気味。

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