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2024年5月の読書メーターまとめ

Porco
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2024年5月に読んだ本
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  • 青乃108号
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2024年5月にナイスが最も多かった感想・レビュー

Porco
安部公房生誕100周年記念5冊目。何度目かの再読。安部公房の傑作というより現代日本文学の傑作と思っている。読むその時々の社会情勢や文化によって、読後に感じる気持ちは変わるが、本来の安部公房の作風なら砂は意識を持って主人公に語りかけるだろうが、擬人化させず砂が砂のまま1人の登場人物かのように様々な表情を見せ、読者の心に侵入してくる感覚はいつだろうと変わらないだろう。下手な官能小説より変な感情を覚えさせられる、砂に濡れた未亡人の魅力は何度読んでいても感嘆する。
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2024年5月にナイスが最も多かったつぶやき

Porco

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2024年5月の感想・レビュー一覧
19

Porco
第1章でコッポラ監督の『地獄の黙示録』が言及されたが、作品内では彼らにとっての外部であるアジアにのまれ同調する登場人物が度々現れた。フィールドワークに臨んだ研究者達はより学術的やより理性的に試みたという違いはあれ、彼らと同じであり「異文化」を知ることは同調こそ第一なんだろうと読んでて思った。 著者も言及した、文化には貴賤も優劣もないこと。「外部」に目を向け体感すること。悪感情持ってもいいが、それを直接表に出さない程度には敬意を払うことを忘れてはならないこと。人類学という学問に限らず今だからこそ大切な教えだ
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Porco
赤川次郎のホラー作品は初めて読んだ気がするが、Jホラー前夜の古き良き怪談に近い風情を感じる。すうっと気負いなく読んでその感慨のまま終わったので、全体的に作品の印象が薄い。
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Porco
新品で買ってよかったというのはさておき、読んでメタなギミックに目が向きがちだが、『ゆうずど』のシステムを説明する『リング』的な進行のシンプルな第1章。叙述トリックを織り交ぜた第2章。『ゆうずど』を凶器として扱った、1章2章とはまた異なるホラーの第3章。第2章から示唆されていたそういう悪趣味な”呪物”として作られ、ルールに則りシステマチックに殺人をするのではなく、突飛だが明確に意識を持った怪異となった『ゆうずど』が書かれた第4章。オチの終章が若干弱く第1章が面白さのピークだったが中々上手い構成をしている。
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Porco
先に読んだ『結ぼれ』は精神科医という経歴らしい、抽象的でも論理で組み立てられている本と感じたが、こちらは読んでもなんとも言えない。似通ったものとして挙げるのであればアウトサイダー・アートだろうか?むき出したそのままの感情と共に出されたであろう言葉。それを受けてレイン自身の内面から浮かびあがってきた数多の詩。素材の味を活かした料理や塩のみの味付けを“本物”と形容する時と同じ感覚か...だとしてもこれが似て非なるものであっても判別はできない。これは理解も共感もしてはならないものである気がする。
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Porco
詩集という体裁であって決して詩などではない。ならばなんだというと、矛盾しているが言葉あるいはコミュニケーションを抽象的に論理立てたものとしか今のところ理解できない。単純化したからこそ複雑になっていく本書に、影響を受けた脱構築を唱えたデリダやラカンらが”複雑なまま複雑なことを考える”方針に舵を切ったのもこれが原因だったりするのだろうか。途中途中で読んで理解した気になっていても、結局考えがポケットに入れたイヤホンの何倍もややこしくごちゃごちゃに頭の中で結ぼれ、最終的になんなんだろうこの本?という疑問で終わる。
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Porco
再読。様々な散文詩のようなシュルレアリスムみを感じる【一千一秒物語】とタイトルそのままに足穂が魅せられた天体のお話が収録された【天体嗜好症】。足穂のエッセイみたいなところがある後半より、前者と後者の中頃の方が夢見るように落ち着いて楽しめはした。”天体”と”機械”に惹かれているなら納得ではあるのだが、急に数学的な学術論考を出されると、良い心地に水をかけられたように感じてしまう。
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Porco
再読。現実と虚構の入り混じる神戸の街。他宗教の世界観が入り混じる独特な世界。ハイテクではない歯車や単純な部品で構成されたローテクのマシンと飛行機に彩られた足穂の宇宙模型。話の間の繋がりなど決してあるとは限らないのに、連続して語られることでまた一つの作品として成立しているように思えるのは、本書のタイトルを日本訳した「機械的生活」の名の通り、稲垣足穂自身の生活から生まれた一つの宇宙を本というスコープを通して眺めさせられているからなのかもしれない。
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Porco
安部公房生誕100周年記念12冊目。絶筆作品。完成したら各登場人物(目撃者3名と飛ぶ男)視点で章節が切り替わる作品だったのだろう。前衛的な要素が強い『壁』や文学的な『砂の女』というよりは、両方の要素が入り混じった上でユーモアが強く出つつちゃんと安部文学らしい思想も兼ね備える『方舟さくら丸』のような作品だったのだろう…飛ぶ男はなんなのか?透明人間と化した父親は?明かされないことが実に惜しい。
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安部公房生誕100周年記念11冊目。再読。最後の長編作。再読してもやはり思うことは夢を見た時のような、話に統合性があるのか無いのかあやふやな読後感ということだ。だが、この作品を「夢」と感じた感覚が死をテーマとしていることに関連があるというのは言うまでもないことだろう。ブラックではあるしユーモアもあるし読んでいてわかりやすい。だが安部公房の作品として今まで陰鬱さや哀れみはあっても、ここまで話の節々に悲観的と感じる要素はなかったはずだ。解説で言っていた他では見つからない姿を見付けれる作品という評も頷ける。
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安部公房生誕100周年記念10冊目。目的地を見失い蒸発者を探す探索者が蒸発者に反転する。ここまで安部公房の作品を連続で読んだその上で思うのは、非常にらしい小説だということである。風景描写や奇妙でどこか哀れみを誘う登場人物、そして立場の反転。もはや登場人物の一つのようだった砂の描写をしていた『砂の女』などの正統派の現代文学作品を良さを維持したまま品質をあげた作品といったところだろうか。
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Porco
安部公房生誕100周年記念9冊目。安部公房版ノアの方舟。壮大に何も始まらず準備に準備を重ねて転覆する方舟さくら丸。これに主人公ことモグラが便器にどん詰まり、そして同じところでグルグル回る生態の時計虫ユープケッチャと、登場人物みんな一癖二癖を持ち脛に傷を持った落伍者や非社会的人間ばかり!様々な要素が、動いているように見えて停滞している状態を皮肉るブラックユーモアさが重なり合った喜劇作。「女子中学生狩り」とかいう、今ならコンプライアンスに中指立ててるとしか思えない用語のおかげで表に出ることがないのが難点か。
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Porco
安部公房生誕100周年記念8冊目。様々な視点,散文詩かのような詩情がある箱内部の落書き。常に誰かに自分が見られるという現代監視社会、見られることは見ることであり語り手のように窃視症に近いくらい見ることに取り憑かれる人間も出てくるだろう。箱男が自分から匿名性を得た上で好き勝手に見ることに耽溺できる、しかも煩わしい社会生活から逃げたのだ、そりゃあ嫌がられる。することはされることという簡潔な題材から生まれた箱男、見る見られるの意味が強くなった今の時代では、実験的というよりは鈍く輝き目を引く作品なのかもしれない。
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Porco
安部公房生誕100周年記念7冊目。『鉛の卵』と同様に国内SFの先鋭作品。理屈っぽい台詞選びなだけで、単純な作者の言葉の巧みなロジックが観れる作品として考えれば楽しめるため、他作品に比べてまだ話が理解しやすいし読みやすい。訪問者が暴力に訴えるタイプの病人であることが提示された上で、登場したそれが頭が回る偏屈な詭弁論者かつ、火星協会なる組織の一員を名乗る誇大妄想狂なためか段々と常識が寓話に侵食されていく。終始簡単な状況説明と会話で進むため、ワンシチュエーションの会話劇を観ている感覚だった。
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Porco
安部公房生誕100周年記念6冊目。仮面の下にある本来の顔を持つ「ぼく」と、他人の顔=仮面を被る「ぼく」が乖離していき、だんだんと支離滅裂にも難解にも見える自分語りが始まりだしていく。正直なところ主役が信頼できない語り手であるため、早い段階で話の筋を見失い、読んでいて軸が宙ぶらりんの不安定でしかなく、ただ文字を追う機械でしかなかったと思う。そりゃそうだ、終盤明かされるようにこの大半をしめる長ったらしい話は、最後のどんでん返しのためだったのだから。
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Porco
安部公房生誕100周年記念5冊目。何度目かの再読。安部公房の傑作というより現代日本文学の傑作と思っている。読むその時々の社会情勢や文化によって、読後に感じる気持ちは変わるが、本来の安部公房の作風なら砂は意識を持って主人公に語りかけるだろうが、擬人化させず砂が砂のまま1人の登場人物かのように様々な表情を見せ、読者の心に侵入してくる感覚はいつだろうと変わらないだろう。下手な官能小説より変な感情を覚えさせられる、砂に濡れた未亡人の魅力は何度読んでいても感嘆する。
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Porco
安部公房生誕100周年記念4冊目。再読。『壁』のような前衛文学というよりはブラックユーモアと『飢餓同盟』のようなプロレタリアート的な側面が強い。しかし、【犬】など人間と非人間を同一に置くというよく見られる表現が今回も散見される作品が多く安部公房らしさもたしかにある。 (1/2)
Porco
2024/05/04 03:11

本短編集の作品は惹かれる一文が多いように感じる。挙げるのであれば【耳の値段】では「六法全書は金儲けの手引書」これは手引書というのがいい。法律の抜け穴を突いて、金儲けを成功するという話を的確に表現している。【盲腸】では「外では飢えが、本当の飢えが再び彼を待ち受けている」これで締めるのが作者らしい。今回は話より語彙に目が向いたような気がしなくもないが、こういうのも作者の魅力だろう。 (2/2)

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Porco
安部公房生誕100周年記念3冊目。再読。閉鎖的村社会の人間関係をブラックユーモアで書いた作品。『壁』より安部公房の前衛さが薄いので理解しやすくはあるが、停滞した政治をテーマに寓話を描いたものとしかいまいち解釈できなかった。唐突に異色な人間計器というワードが出てくるので面食らう。
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Porco
安部公房生誕100周年記念2冊目。再読。ナンセンスもしくは説得力のある詭弁の嵐。収録作の多くが挿絵の所為ではないだろうが、まるで一枚の絵画を観てるかのように読んでいてパッと頭に思い浮かぶ。特に【S・カルマ氏の犯罪】なんかは連続してシュルレアリスム絵画を観てる感覚だ。【バベルの塔の狸】は何度再読しても詭弁なり詐欺師なりの語り口だという感想で止まるが、唯一わかるのが、笑う形而上に存在している獣,オチの展開などルイス・キャロルの影響の大きさを感じることくらいだ。難解だが何度でも読みたくなる。
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Porco
デビュー以前から『壁』までの短編を集めたということもあり、後に『壁』にも使われただろう要素に読んでいて目が向くことが多いが、それ以外にも後年の作家安部公房の萌芽が見受けられる。わかりやすいところで「語り手の内面との対話」「村社会における人間関係への嫌悪」「概念や物質の擬人化」などなど。【(霊媒の話より)題未定】は秀作ではあるが、自分が認識している安部公房らしくはない。しかし【天使】の頃にはもう読み慣れた安部公房の作品らしさが見受けられていて、過去読んだ作品を思い出しながら読むと興味深くはある。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2014/07/24(3620日経過)
記録初日
2014/07/24(3620日経過)
読んだ本
595冊(1日平均0.16冊)
読んだページ
199553ページ(1日平均55ページ)
感想・レビュー
556件(投稿率93.4%)
本棚
3棚
性別
血液型
O型
職業
技術系
自己紹介

好きなジャンルはサスペンスとホラーとSF。
しかし最近は、興味があればそれ以外のジャンルも手を出すので雑食気味。

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