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2024年8月の読書メーターまとめ

rinakko
読んだ本
10
読んだページ
3053ページ
感想・レビュー
8
ナイス
86ナイス

2024年8月に読んだ本
10

2024年8月にナイスが最も多かった感想・レビュー

rinakko
ネタバレ辛い内容なのに夢中で読み耽った。自分とは全然違う境遇の主人公エスターに、「私もこの感情を知っているし覚えている」と思わずにいられない箇所が幾度もあり、ひき込まれる。そんな風に読まれ続けてきた作品なのだな…と。前半、ニューヨークに滞在し、大抵の女性にとって夢のような体験をしながら、華美や軽薄さに馴染めず、エスターの内面に何の関心も示さない人たちに囲まれ彼女は少しずつ壊れていくけれど、最後の夜の屋上の場面が哀しくて美しくて忘れがたい。落ちていく洗練された衣装の数々が、(私の中で)何か…他のことに重なってしまう
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2024年8月にナイスが最も多かったつぶやき

rinakko

2024年7月の読書メーター 読んだ本の数:13冊 読んだページ数:3961ページ ナイス数:114ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/4839/summary/monthly/2024/7

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2024年8月の感想・レビュー一覧
8

rinakko
再読。13年ぶり。冒頭の一文を読んだ瞬間「うわっ、そうだった!」と声が出た。政情の不安定なアルゼンチンで、カリオストロ兄弟からシアンカリーニ家そしてロンブローソ家へ、イタリア系移民が受け継いでいくビストロの70年に渡る年代記でもある。天才料理人たちが生み出した伝説の逸品の数々は、調理過程を詳しく説明する文章が既に美味。同じ厨房に立った彼らを繋いだ指南書を最後に所有したのは、末裔セサル・ロンブローソだった…。淡々とした筆致がとても好きなのと、主人公の名前については「エッジの効いた目配せですね…」と思っている
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rinakko
再読。素晴らしい読み応え。悪夢の中で味わう眩暈とその眺めを更に騙し絵にしたような世界、偏愛せずにはいられない。名門夫妻に生まれた畸形の嗣子ボーイが幽閉されている屋敷と、ムディート(小さな唖の意)が身を隠す古びた修道院。双方を繋ぐ存在であるウンベルトの人格は徐々に崩壊し自我は境界を漏れ出し、彼の語る事実と妄想は障壁を失う。浸食し合う2つの時間軸を行き交う、不気味な移植や生殖のイメージ、妖怪インブンチェと魔女と黄色い牝犬の影が渦巻く。時間を混乱させる力を具えた老婆たちが有機体めいてわらわらしてるのも好きだった
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rinakko
美麗な装幀を愛でつつ。以前から『地上のアリス』は愛読していて好きな歌が多い。〈求婚者を鏖(みなごろし)にする少女らに嵐とは異界からの喝采〉〈獏園に陶の枕は置かれゐて夢を生み出す機械、われらは〉〈恐竜を象る指輪失せにけり。わが指啖ひ受肉したるや〉〈月かげを脳(なづき)へと吸ひ上ぐるごと涼し額(ぬか)より角伸びゆくは〉〈反逆のひとつと思(も)へりこのほしに亡国の姫として在ること〉〈自分ひとりの部屋のやうなるうつくしき衣服の中に立つ(なんどでも)〉〈退廃の美、と告げて駅の灯にかざすマニキュア剝げてゐたるを問はれ
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再読。沖の島々から夥しい数の鳥たちが、己の骸を投げ棄てる為だけにやってくる砂浜。その死んだ鳥で足の踏み場もなくなる浜辺の情景が忘れがたかった。その理由を誰も知らないけれど、きっとどんなことにも訳があるはずと(表題作)。他に今回好きだったのは、「デカダンス」や「贋作」「鳩市民」「キリマンジャロではすべて快調」。訳者あとがきの内容も充実していて、著者自身の人生が複雑だったことなどあらためて興味深く読んだ(とりわけやはり、ジーン・セバーグとの出会いから最期までの件が)。
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rinakko
再読。1997年の秋、“砂時計をひっくり返すようにして” 2052年から『未来の古本たち』の目録がクラフト・エヴィング商會に届けられた。そこから選んで取り寄せた(!)本の数々が紹介されている。私がまず読んでみたいのは、『老アルゴス師と百の眼鏡の物語』かなぁ(百眼の老眼鏡って…w)。ギリシア神話の登場人物たちの老境を描いた大人の童話シリーズ〈21世紀のギリシア神話〉、全部読みたい全部。茶柱の美学と哲学を説く『茶柱』も読んでみたいし、てゆか他の本も全部読みたい…。あと、装幀フェチとしても堪らない一冊である。
rinakko
2024/08/10 15:34

“いずれは失われ、懐かしまれる世界。私たちは、いつでもそのような世界を生きている。”

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rinakko
面白かった。ローマ帝国に自由を奪われたアテナイの青年貴族グラウコスは、ギリシャへの郷愁を分かち合う清廉な美女イオネーと恋に落ちる。が、エジプト王朝の末裔だという魔術師アルバケースは、イオネーの身も心も奪う気満々でふたりの仲を裂こうとし、そこにもうひとり、グラウコスへの思いに胸を焦がす盲目の少女ニディアの存在があって…。と、如何にもなお膳立てだけれど、はらはらする展開で楽しめた。自分たちの住む街が灰に埋もれる運命など夢にも思わぬ人々の、享楽的で自堕落な暮らしぶりが、当時の風習や習慣を踏まえて描かれている。
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rinakko
ヴィクトリア朝の作家が当時における念入りな調査に基づき、文明が爛熟したローマの小型版・古代ポンペイを舞台に描いたゴシック歴史小説。“陽気なポンペイの人びとは刻々と近づく恐るべき運命の警告があったことさえ忘れてしまった。”
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rinakko
ネタバレ辛い内容なのに夢中で読み耽った。自分とは全然違う境遇の主人公エスターに、「私もこの感情を知っているし覚えている」と思わずにいられない箇所が幾度もあり、ひき込まれる。そんな風に読まれ続けてきた作品なのだな…と。前半、ニューヨークに滞在し、大抵の女性にとって夢のような体験をしながら、華美や軽薄さに馴染めず、エスターの内面に何の関心も示さない人たちに囲まれ彼女は少しずつ壊れていくけれど、最後の夜の屋上の場面が哀しくて美しくて忘れがたい。落ちていく洗練された衣装の数々が、(私の中で)何か…他のことに重なってしまう
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2008/07/22(5968日経過)
記録初日
2008/02/17(6124日経過)
読んだ本
3459冊(1日平均0.56冊)
読んだページ
1040224ページ(1日平均169ページ)
感想・レビュー
1750件(投稿率50.6%)
本棚
0棚
性別
外部サイト
URL/ブログ
http://blog.goo.ne.jp/rinakko_may
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