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2024年7月の読書メーターまとめ

rinakko
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2024年7月に読んだ本
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2024年7月のお気に入られ登録
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2024年7月にナイスが最も多かった感想・レビュー

rinakko
再読。素晴らしい。暴政が横行する流刑地タスマニア(まず司令官は発狂)。その暴虐と理不尽な死に満ちたクソな世界への怒りと抗議を記して、それでも語り手ビリー・グールドは己の書き連ねた「魚の本」を“愛の物語”と呼ぶ。そしてゆっくりと声なく死んでいく魚の絵を描くとき、“ほんの一瞬の真実”をそこに宿らせたのだと言う。牢に籠められ錯乱気味にもなりつつ、狂った世界へ向かって「絶望してやるもんか」と唾を吐くような手記の凄まじさとその孤独よ。(タツノオトシゴはウロボロスの竜へ…。ぐるり)
rinakko
2024/07/30 13:39

“「おれはウィリアム・ビューロウ・グールド。おれの名は歌で、人はおれの名を口ずさむだろう」”

が「ナイス!」と言っています。

2024年7月にナイスが最も多かったつぶやき

rinakko

2024年6月の読書メーター 読んだ本の数:12冊 読んだページ数:3432ページ ナイス数:123ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/4839/summary/monthly/2024/6

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2024年7月の感想・レビュー一覧
11

rinakko
未だ、悪人ではなく悪女。烈士ではなく「烈女」…。先日名前を聞いたばかりの相馬黒光(実業家)やプーラン・デーヴィー(盗賊・政治家)、マーガレット・ミード(文化人類学者)の章など、初めて知ることも多かった。ほんの上辺しか知らなかったことも。カミーユ・クローデルについては湯原かの子の著作をかつて読んだが、彼女の無念を思うと何度でも胸が痛くなる。
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rinakko
再読。素晴らしい。暴政が横行する流刑地タスマニア(まず司令官は発狂)。その暴虐と理不尽な死に満ちたクソな世界への怒りと抗議を記して、それでも語り手ビリー・グールドは己の書き連ねた「魚の本」を“愛の物語”と呼ぶ。そしてゆっくりと声なく死んでいく魚の絵を描くとき、“ほんの一瞬の真実”をそこに宿らせたのだと言う。牢に籠められ錯乱気味にもなりつつ、狂った世界へ向かって「絶望してやるもんか」と唾を吐くような手記の凄まじさとその孤独よ。(タツノオトシゴはウロボロスの竜へ…。ぐるり)
rinakko
2024/07/30 13:39

“「おれはウィリアム・ビューロウ・グールド。おれの名は歌で、人はおれの名を口ずさむだろう」”

が「ナイス!」と言っています。
rinakko
頗る面白かった。野上弥生子、ヴァージニア・ウルフ、オースティン、シルヴィア・プラス、『エブエブ』『年年歳歳』『水星の魔女』などなどなど…翔べなかった女たち(エヴリンは翔んだけど!)がここに会し、縦横無尽に繋がり合う。思いがけず、でも説得力がある。とりわけ3章「魔女たちのエンパワメント」では『白鶴亮翅』『マクベス』にも話が及び、魔女というテーマにも魅かれてとてもよかった。魔女が排除されてきたこと(家父長制社会が「悪魔」とみなすのは、女性の自立を目指す思想と生き方)、まだ続いていること。その為のエンパワメント
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rinakko
中世ヨーロッパの人々にとって言葉とは声であり、キリスト教世界はうるさく声と音とで統治された。一方、沈黙に近いあり方が美徳とされ、沈黙は聖性に結び付けられていく。そして聖職者の座から追放された敬虔な女性が口を開くのは、預言者や男性の仲介者の役割としてだった…。第五章“聖女の沈黙”ではベギン(半聖半俗の女性たちの活動)について頁が割かれていて、興味深い内容だった。心身の服従を示す為の沈黙、その沈黙がどんな人物たちによって如何に破られていったのか…という過程をめぐる論考であり、感情史としてとても面白かった。
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rinakko
久しぶしで嬉しくて1巻から読み返してしまった。どっぷり浸って満足。今回は、ジリとスミヒトとピピの幼馴染みが顔を合わせた時の雰囲気も好きだった。美味しそうに料理が並んだテーブルの上、部屋の中の細々としたところや背景の街並みまで、いつまでも眺め飽きない。
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rinakko
小川公代『翔ぶ女たち』の前に読んでおきたくなった。声を摘み取られてしまう側にいるひとたちに言葉を与える物語、として。祖父の墓参り(ちゃんとした食器や供え用の料理の大荷物の用意をして、軍事境界線近くの山奥まで…)に拘る母イ・スンイルの昔ながらの信仰のこと、彼女のネガティヴ・ケイパビリティ、母娘でアルファとベータが交互することについて…など思う。“あの子にはそこで生きろと言ったのに、私にはどうしてそう言わなかったの。/帰ってくるなと、/おまえが生きやすいところにいろとあの子には言ったのに。”
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rinakko
お目当ての、川野芽生「不死者の物語──女生徒」を(大好き)。あと、久しぶしに翻訳ミステリを読みたくなった。
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rinakko
素晴らしい読み応え。学生に“史上最悪の教授”と酷評されたレスリー(日系四世)は、父親にリーディング・リストを作って欲しいと頼まれる。薦めた本(小説を読んだことがない人にいきなりがっつり系)を自分も再読し、内容に自身を取り巻く状況を重ねたり、登場人物を元恋人や親族の誰かに準える読み方をしてしまう(研究者には向いていないらしい)。その一方、同じ本を読みながら父親と向き合い、エキセントリックな一族の秘められた部分を知る。レスリーの鬱状態は酷くなるばかりで、はらはら目が離せなかった。最後の章で胸がいっぱいになった
rinakko
2024/07/20 06:48

書評小説としても(レスリーの読み方は主観的になりがちだけどw)ダメ人間小説としても楽しめるし、恋愛面も荒んでいて突っ込みどころが満載。そも小説を全く読まない(しかも折り合いがあまり良くない)父親に薦める本が『ダロウェイ夫人』とか『ロリータ』である時点で、「そういうとこじゃね?」と言いたくなる(でも父親もしっかり食らいついてくるところがよい)

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rinakko
八日目から最終の十日目まで。一篇、また一篇と読んできてとても楽しかった。ただただ唖然とする話も幾つかあって女性の扱い酷いけどw、それも含めての「これが『デカメロン』か…」と面白かった。
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rinakko
再読。先日読み返した『噂の娘』の姉妹作(内容は続篇なのだが刊行には16年の隔たりがある)。少しずつ変わっていくモナミ美容室と、そこに流れる女たちの時間、主人公の両親のその後のことも、映画女優を夢見る “金魚の娘”みっちゃんの更なる奮闘も、小さな記憶の齟齬を交えながら語られていく。零れていく。“キラキラした明かるい虹色の光のせいで、そこはいつも時間が失われているようなのだ”
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rinakko
素晴らしかった。舞台はヴィクトリア朝ロンドン。ブラム・ストーカーが『吸血鬼ドラキュラ』の執筆に至る経緯が、当代一の二人の名優との何とも名付けがたい交わり(深い愛も狂おしい嫉妬も憧れも)を軸に語られる。作中には『ドラキュラ』からの引用や目くばせ、仄めかし、名優アーヴィングが得意としたシェイクスピア劇のセリフの引用やもじりなど惜しみなく鏤められている。繊細で人に優しく夢見がちだったストーカーが、その想像世界の中では邪悪な流血の物語を生み出していた…ということ、その、誰にも見せない昏い顔を持つ人物造形に感嘆した
rinakko
2024/07/02 10:24

当時の有名な事件(切り裂きジャックやオスカー・ワイルドの裁判など)との絡みも面白い。そして名優エレン・テリーが大好きだった。

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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2008/07/22(5902日経過)
記録初日
2008/02/17(6058日経過)
読んだ本
3430冊(1日平均0.57冊)
読んだページ
1031688ページ(1日平均170ページ)
感想・レビュー
1735件(投稿率50.6%)
本棚
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性別
外部サイト
URL/ブログ
http://blog.goo.ne.jp/rinakko_may
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