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2024年9月の読書メーターまとめ

rinakko
読んだ本
10
読んだページ
3296ページ
感想・レビュー
7
ナイス
95ナイス

2024年9月に読んだ本
10

2024年9月にナイスが最も多かった感想・レビュー

rinakko
再々読。ゆるやかに繋がる22人の女たちは、ギリシャ神話の登場人物の名で呼ばれ、其々の女神やニンフたちを示す幾つもの符牒が鏤められている。両腕の麻痺したレダ、亡命してきたコロニス、言葉の力と戦うクリメネ、男になりたいイフィス…。彼女たちの生き辛さと撓やかさは、性別や年齢、容姿、出自等々…によって外側から一方的に決め付けられ押し付けられる諸々の事柄に対し、やんわりと逃亡を図ろうとしていることから発しているように思える。そしてそこに必要なのは、“オウィディウスに立ち向かうためのオピウム”がもたらす陶酔状態。
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2024年9月にナイスが最も多かったつぶやき

rinakko

2024年8月の読書メーター 読んだ本の数:10冊 読んだページ数:3053ページ ナイス数:86ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/4839/summary/monthly/2024/8

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2024年9月の感想・レビュー一覧
7

rinakko
再読(源氏物語は他の訳者で幾度か読んだが、角田源氏は初めて)。「夕霧」から「椎本」まで。遂に「宇治十帖」。角田さんの文庫版あとがき、素晴らしかった。“「女ほど、身の振り方が窮屈でかわいそうなものはない。うつくしいものに心動かされたり、折々の風雅を味わったり、そういうことを何もわからないかのように引きこもっておとなしくしていたら、いったいどうやってこの世に生きるよろこびを味わい、無常の世のむなしさを忘れたりできるというのだろう。”
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rinakko
頗る面白かった。そも、何故アリストテレスの “再” 発見なのか。何故偉大なギリシア哲学者の膨大な著作は1000年以上も闇に埋もれていたのか…と、歴史を紐解いていく流れは物語を読むようだった。アリストテレスの再発見が、当時の聖職者や学者たちに与えた衝撃と興奮は想像するのも難しい。神が存在しないアリストテレスの世界観を、そこから如何にキリスト教徒に容認出来るものに変えていったのか。アリストテレス主義的キリスト教への、保守派と急進派の論文による闘争、禁書、命題の禁止、断罪、粛清…。
rinakko
2024/09/24 20:09

自然の探究者にとっての真理と、神学者にとっての真理の相容れないままの並存。哲学と神学が統合された思想体系の成立した後、時代は信仰と理性の分離に進んでいったことなど。

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rinakko
再読。10年ぶり。何とも不思議な小説だが、茫洋として意識が漂い出しそうになる読み心地が忘れられなかった。〈旅〉と〈移動・流動〉という主題でゆるゆると繋がり合った116もの断章。そも逃亡派とは何ぞや…と思いながら読み進むと、“旅行心理学”とか“巡礼の目的は巡礼者” “空港共和国”といった気になる言葉が更に出てくる。「自分はいま何処にいるのか」という問いは実は重要ではない。たとえ同じ場所に留まり続けたとしても、人も物事も移ろい変化していくことからは免れないしそれもまた広義における旅…と。めも)ショパンの心臓。
rinakko
2024/09/17 16:10

語り手の好みが驚異の部屋(病的なコレクション)なのも面白い。

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rinakko
ネタバレ頗る面白かった! これは変梃りん好きには堪らないかも…と読み進むほどに一層奇妙さが増していき、のめり込んで頁を繰っていた。物語の端緒は、憎悪を育む文豪の急死と、〈踊るご婦人がた〉のヴィラ、黒いプードルの爆発と居合わせた青年の死…なのだが、それらは置いておいて話はぐいぐい展開していく。一体どこに着地するのかと気が遠くなった(ラストが好き過ぎるw)。こっちの地球はリアルだからこそ偽物だという哲学者の妻、システムのために些末なものの救出作業に勤しむ政府の要人、本質を扱うために物事に気づかない手相占い師、(続く)
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rinakko
いつとも知れず母の舌を失くした語り手が、再び母語を取り戻そうとする(表題作と「祖父の舌」)。訳者あとがきによると、“舌足らずでブロークンなドイツ語” で書かれているそう。トルコ語からそのまま直訳したという言い回しなどは、思いがけない表現になっていて、むしろ新鮮に言葉の意味が直截に伝わる。エクソフォニーの作家の作品として堪能した。「ある清掃婦の履歴、ドイツの思い出」がとりわけ好きだった。“わたしは清掃婦、ここで清掃するのでなかったら、ほかにいったい何しろと。故郷(くに)でわたしはオフィーリアだった。”
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rinakko
再々読。ゆるやかに繋がる22人の女たちは、ギリシャ神話の登場人物の名で呼ばれ、其々の女神やニンフたちを示す幾つもの符牒が鏤められている。両腕の麻痺したレダ、亡命してきたコロニス、言葉の力と戦うクリメネ、男になりたいイフィス…。彼女たちの生き辛さと撓やかさは、性別や年齢、容姿、出自等々…によって外側から一方的に決め付けられ押し付けられる諸々の事柄に対し、やんわりと逃亡を図ろうとしていることから発しているように思える。そしてそこに必要なのは、“オウィディウスに立ち向かうためのオピウム”がもたらす陶酔状態。
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rinakko
ネタバレ再読。素晴らしい読み応え。6人のモノローグが入れ替わりに続き、幼年期から老年期までを区切るように、夜明けから日没までの自然の移ろいを描く散文が挿まれる。彼らの意識の流れは、連なる波が寄せては重なり合い次の波を生む様にも似て、その止めどなさの中に私も身を浸した。互いに隠した敬意や羨望、憐れみ、恐れ、憎しみ…の綯い交ぜになった幼馴染の繋がり。和音と不協和音。そして太陽が最も高い真昼、誰よりも輝かしい未来が待つように思われ愛されていた人物の死がある。その後は日没へと向かい陽は傾くと、明暗の際を知らしめるようだ。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2008/07/22(5988日経過)
記録初日
2008/02/17(6144日経過)
読んだ本
3468冊(1日平均0.56冊)
読んだページ
1043223ページ(1日平均169ページ)
感想・レビュー
1752件(投稿率50.5%)
本棚
0棚
性別
外部サイト
URL/ブログ
http://blog.goo.ne.jp/rinakko_may
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