佐和子の家族は少しへん。ほのぼのとした4人家族のように見えて、こうなるには五年前の事件があった。傷を抱えながら支えながらなんとか家族を続けている。普通ではあり得ないけれど、この家族も温かい。そして当然のように迎えるはずだったクリスマスイブ。思わず「えっ」と呟いてしまった。今度こそ本当に家族の絆で乗り越えて。

三姉妹で営業するお店を人は陰で「三人屋」と呼んでいる。しかも三人で一緒ではなく、三人が朝、ランチ、スナックの三者三様の店を別々に。そう、決して仲は良くないのだ。それぞれに思うところがあり、うまく意志疎通ができない。でも心の奥底の方では求め合っているのかもしれない。そして最後に……。これからの三姉妹は助け合いながら、でもそれぞれの道を歩いていくんだろうな

連句もいう全くしらなかった世界。ほしおさなえさんの優しい始まり方から連句の説明にはいると、んー難しいと少し苦手感が。しかし、どんどん繋がっていくポップを通しての一葉のお仕事(？)やまさしく人と人との連なり。生きていくってこういうことなのかととても深い所を優しく表して……。素敵なお話でした

佐和子の家族は少しへん。ほのぼのとした4人家族のように見えて、こうなるには五年前の事件があった。傷を抱えながら支えながらなんとか家族を続けている。普通ではあり得ないけれど、この家族も温かい。そして当然のように迎えるはずだったクリスマスイブ。思わず「えっ」と呟いてしまった。今度こそ本当に家族の絆で乗り越えて。

青春物語なのだがそれだけではない。身近な人を突然亡くす。それぞれの人々の時間はそのまま止まってしまった。きちんと別れができないまま。4年という時間が長いのか短いのかはわからないが、後半にいくにつれて、各々の心の中の思いが明らかになりけじめをつけるために動き出す。三十六時間の音楽を演奏するという意味がとても理解できなかったが、読み終えた後はなかなかの読後感。

不思議なお話。最後は号泣。最初は与那国島という南の島を舞台に、その島が醸し出す雰囲気に不思議なことも起こりうるかもしれないも思う。題名の「この世界で君に逢いたい」の意味は最後の最後につながる。悲しい過去や心残りを乗り越えて、本当に大切な人を見失わないで