戦国末期の石見銀山を舞台に、天才山師の喜兵衛に拾われた少女ウメの生涯を描いた物語。面白かったー｢うちはずっと喜兵衛の手子(てご)じゃ｣この言葉にウメの喜兵衛への思いが凝縮されていると思った。喜兵衛、ヨキ、隼人、龍とウメを取り巻く男達も皆、魅力的だった。第168回直木賞候補作。

医療刑務所に勤める矯正医官達の物語。自分達が治療をして助けるべき患者は、犯罪者。職務を全うすることと、気持ちの折り合いをつけることのせめぎ合いだろうなと思った。

家族をテーマにした6話収録の短編集。前の話でチラッと出てきた人物が次の話では主人公だったりと、各話でリンクしているのが、面白かった。毒舌女子の葉月さんが好きだったので、彼女の話をもっと読みたかったな。

久しぶりに文庫で再読。以前読んだ時は特に思わなかったが、今回読んでみると、夏美の夫である一浩は可愛い人だなと思った。あと、時田さんがチラッと登場するのが嬉しいw そして、解説が江國香織さんだということを忘れてたので、得した気分。

表題作他三編収録。表題作は、タイトルどおり、首だけの侍が登場する物語。首ざむらいだなんて、不気味な存在でありながら、なぜか可愛く思えてくるのが不思議だった。

どの話にも｢青木きらら｣が登場する短編集。と言っても同じなのは名前だけで、同一人物ではない。｢トーチカ｣と｢トーチカ2｣が面白かった。日々拡張していき、都市を丸ごと飲み込んでいく放送局。閉塞感がある反面、居心地良さそうとも思えた。私も放送局内でお得に生活したいw｢スカート・デンタータ｣と｢消滅｣もよかった。

戦国末期の石見銀山を舞台に、天才山師の喜兵衛に拾われた少女ウメの生涯を描いた物語。面白かったー｢うちはずっと喜兵衛の手子(てご)じゃ｣この言葉にウメの喜兵衛への思いが凝縮されていると思った。喜兵衛、ヨキ、隼人、龍とウメを取り巻く男達も皆、魅力的だった。第168回直木賞候補作。

訳ありの死の痕跡を清掃する専門会社｢デッドモーニング｣を舞台にした連作短編集。第三章｢彼の欠片｣のラストシーンの浅井の台詞｢君はどんな人間だったの？｣で少し泣いた。会ったこともない誰かの人生に思いを馳せる優しさ。いい物語だっただけに、最終章での笹川の心情の変化が唐突過ぎるように感じられたのが残念だった。

わる食べシリーズ第3弾では、住み慣れた京都を離れ東京へ。今回も面白かった。このシリーズ続きますように。

怖くて面白くて、終盤は一気読みだった。ダミアンを思わせるような、希彦の成長記録の部分が特によかった。

カリフォルニア在住の著者による食にまつわるエッセイ集。普通、こういうエッセイを読むと、わー美味しそう！食べてみたい！となるが、著者の食の好みと私のそれが、あまり重ならなくて淡々と読み終えたw

毎日新聞の日曜版に連載されていた山田詠美さんの本格自伝小説。これまで、詠美さんのエッセイの中で、細切れに知っているエピソードなどもあったけど、こうして幼少期から作家デビュー、更にその後まで纏まって読むことが出来て、とてもよかった。