読者から物語の種になりそうだと思ったものを投稿してもらい、蒔かれた種からおはなしを書く、芽吹いた物語をネット上で発表する遊びからなる短編10編。それぞれの良さがあり、どのおはなしもさすが有川さん。 ー努力しつつ運天。投げやりでも開き直りでもなく、それ以外にどうしようもない。そうだなと。

この世の理は、鏡。必ず自分のしたことは返ってくる。 相手を憎む気持ちは、仕方のないことだが、頭の中で悪いことを思っても、呪いの言葉を口にしてはいけない。頭の中で恨んでも、それが終わったら、それ以上に、自分が楽しく幸せに過ごしている姿を思い浮かべるようにする。 本心か執着かで迷った時は、『美学を通す』と思えばいい。

『こんなに上手くいくはずがない』『落とし穴があるに違いない』と考えるのはマイナス思考ではなく、どうなっても対応できるようにシュミレーションしているだけの話で、心底から上手くいってほしいからこその思考。不測の事態をシュミレーションしたところで、それを望んでいるわけでもなければ、呼び寄せていることもない。

すべての良いことは、自分が自分で或ることから生まれてくる、それには、自分を知ることが必要。それは、道を照らす光となり、進むべき道が見えてくる。

誰かが求めるイメージの自分になろうとしすぎて苦しくなった時は、他の誰でもない、自分が自分を『私はこんな人間です』としっかり認めること。『自分はこれでいいんだ』という一本の軸がしっかりしていなかったら、人の意見や評価にいちいち揺れて、自分が分からなくなる。思うような結果が出なかったり、評価されなくても、『自分はやったんだ』というものがあれば、強くいられる。最善を尽くすから、自信が生まれ、おのずと結果もついてくる。

人間は嫉妬や欲や競争と隣り合わせで、この社会に生きてるだけで十分な修行。 悔しさや羨望、嫉妬や怒りを溜め込めば、負のエネルギーが渦巻いて、身を滅ぼしてしまうこともあるが、それを前向きな行動のエネルギー、成長への原動力に使ったなら良い結果を生み出すこともある。 また、たとえ『良いこと』だとしても、『こうしたらいい』ということに囚われてがんじからめになるのは違っていて、大事なのは『自分の心が、いかに快適でいられるかということ』。まずは心を優先することが一番。

この話がめちゃくちゃ刺さるとかではないが、どの話もなんとなく気持ちが上向く。しゃべり口調も手軽で読みやすい。テレビで観る人となりしか知らなかったので、こんな本を書く人だったんだと新鮮。

読者から物語の種になりそうだと思ったものを投稿してもらい、蒔かれた種からおはなしを書く、芽吹いた物語をネット上で発表する遊びからなる短編10編。それぞれの良さがあり、どのおはなしもさすが有川さん。 ー努力しつつ運天。投げやりでも開き直りでもなく、それ以外にどうしようもない。そうだなと。

神社では自分の希望や願望を伝えるより、｢すべてうまくいきました。ありがとうございました｣と言うことで、人智では計れない『うまくいく』方に導いてくれる。人の希望や願望が、必ずしも良い方向とは限らない。目先の願望ではなくて、最終的に良い方向に導いてくれる。