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2023年7月の読書メーターまとめ

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読んだ本
9
読んだページ
3469ページ
感想・レビュー
9
ナイス
148ナイス

2023年7月に読んだ本
9

2023年7月にナイスが最も多かった感想・レビュー

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個人的には合わなかった。総じて人物描写が薄っぺらく、物語もご都合主義的に感じたからだ。しかし人の善意を信頼するような内容で、それが本屋大賞を取れた理由かなと納得できる作品でもあった
が「ナイス!」と言っています。

2023年7月にナイスが最も多かったつぶやき

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今月の白眉は『シンセミア』。長大で猥雑でスプラッタでブラックな展開に魅せられた。他、『皇帝のかぎ煙草入れ』の構成の上手さ、『スローターハウス5』の軽いタッチながら反戦意識のにじみ出た雰囲気、『ミドルマーチ』の重厚なストーリーが心に残った。 2023年6月の読書メーター 読んだ本の数:13冊 読んだページ数:5157ページ ナイス数:201ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/51204/summary/monthly/2023/6

が「ナイス!」と言っています。

2023年7月の感想・レビュー一覧
9

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読みごたえがあった。先入観にとらわれないよう歴史をとらえ直そうとする著者の姿勢に感服する。特に階級闘争史観に対する疑惑の視点は大いに勉強になった。文永の役のモンゴル撤退を日本の勝利としないのは鎌倉武士を低く見積もる戦後歴史学のゆえという点や、悪党の過大評価は階級闘争史観をひきずっているという点、反権力志向の学者ゆえ足利尊氏を優柔不断と決めつけるが尊氏の態度が一貫しているという点、批判にさらされる北畠親房が評価の高い今川了俊と似ている点等の指摘は勉強になる。虚心に資料に向き合う歴史学の手法は興味深かった
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戦争に何となく賛同できず、生きたいと思いながらも、時代と状況に流されざるを得ない青年を主人公に据えている。現実もそういう青年が多かったと思うけど、そんな設定もあり、青年の心理の描き方はリアルだ。実際耕二は普通の青年だ。幼馴染の智恵子に対する未練や、死地へ異動となる同期の姿に動揺するところなどは、今でもいそうな青年を見るようだ。また庶民の姿の描写も丁寧で、特に原爆後の広島の風景はその生々しさに強烈なインパクトを残す。戦争当時の人々も今と変わらぬ普通の人々であったことをよく伝える戦争文学である。
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一青年の半生を描いており、目立ったドラマ性はなく地味だが、抒情的で誠実なタッチが忘れがたい作品だった。詩人肌の青年ペーターは恋に悩み、親しい人の死に立ち会い、それなりの悩みを抱えながら生きている。個人的には母親の死を見つめるあまり隣で寝ている父親を起こそうとしない場面はふしぎな凄味があり、エリーザベトに告白しようとしながら果たせないところは青春期らしくて物狂おしく、憧れの聖フランチェスコのようになろうとボッぺを引き取るシーンが偽善的にも見えるが心に残る。そういった個々の場面の積み重ねが印象的だった
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語りの特殊さにまず戸惑う。無駄を排除して単語だけを羅列した文体は、スピーディだけど読むのがしんどい。加えて人物の多さや複雑な事件のせいで情報量は多くて、冒頭は困惑した。しかしスピーディでぶっきらぼうでクールな文体は読んでいく内に癖になるのだ。物語も情報量が多いわりについていけなくもない。内容もノワールらしく警官は悪事に励んでいるが、後半になるにつれ次々と人が死に、はびこる不正の根深さが露になっていく展開には凄みがあった。そこには人の醜さと暗い情熱に溢れており、心に刺さるような味わいがあった
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個人的には合わなかった。総じて人物描写が薄っぺらく、物語もご都合主義的に感じたからだ。しかし人の善意を信頼するような内容で、それが本屋大賞を取れた理由かなと納得できる作品でもあった
が「ナイス!」と言っています。
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ナチス高官暗殺を描いた作品だが、その特徴的な語りに驚く。著者は事件を描きながら、その物語の執筆の迷いや考えも含めて記述しているからだ。実際著者は小説を書くのに随分苦心している。小説である以上創作が入るのは仕方ないが、どこまで書けばいいのか、そのこだわりと迷いを正直に吐露しており、メタフィクションとして読みごたえあった。もちろん暗殺者の話も面白い。暗殺シーンの緊迫感や、その後のナチスの蛮行には心を動かされる。この題材だけでも面白くなるが、作者はそのような小説形態をとらなかった。その姿勢に感銘を受けた。
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平将門の乱を寛朝という楽音を求める僧侶の視点から描いており、その趣向が面白い。至誠の声を求める寛朝に、どのような手段を用いてでも名器の琵琶である有明を求める千歳、異なる方向の熱意で良き楽音を求める二人の造形は目を引く。だがそれより何よりも将門の存在感が良い。彼の価値観は任侠の世界そのもので悪事に利用されても甘んじて受け入れる度量の大きさが悲しい。また如意やあこやなど傀儡女たちは存在感が力強くて目を引いた。
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北条時宗と安達泰盛の時代を描いており読み応えあった。北条得宗家は時頼の頃にはその権力が強大となっており、跡を継いだ時宗も北条氏の支配を確立させていく。だが時宗の蒙古襲来への対応は状況にふり回されたもので英雄的な行為ではないという点は興味深い。安達泰盛の存在も目を引く。彼の成した弘安徳政は将軍権力を強化し、全武士階級まで御家人を広げようとするもので、得宗家や被官と対立するのは目に見えている。しかし原理主義的ながら時代を先取りしたとも言える政策は面白く、彼が長生きできたらどうなっていたかという思いを抱いた
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光文社古典新訳文庫の『ミドルマーチ』に載っていた「読書ガイド」は非常に読みごたえがあったが、本書と併せて読むと、作品世界に対する理解がさらに深まった気がする。『ミドルマーチ』という長大なテクストにはいかなる技法が使われ、その作品世界を読み解くにはいかなるアプローチがあるのか。それを知れて興味深い。読書ガイドでもずいぶん多様なアプローチを示していたが、まだまだ別のアプローチがあり、ここまで深く小説世界を語れるものらしい。と同時に研究者にはこれほどの深い読み込みが求められるのだともわかり感嘆とした
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2010/02/06(5260日経過)
記録初日
2010/11/11(4982日経過)
読んだ本
1882冊(1日平均0.38冊)
読んだページ
564149ページ(1日平均113ページ)
感想・レビュー
1539件(投稿率81.8%)
本棚
32棚
性別
職業
技術系
現住所
宮城県
外部サイト
URL/ブログ
http://blog.goo.ne.jp/qwer0987
自己紹介

本が好きな中年化学系エンジニア。
読む本は小説が中心。ほか歴史関係のものを読むことが多い。
好きな作家は、村上春樹、芥川龍之介、川上未映子、アゴタ・クリストフなどなど。

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