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2023年6月の読書メーターまとめ

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読んだ本
13
読んだページ
5157ページ
感想・レビュー
13
ナイス
201ナイス

2023年6月に読んだ本
13

2023年6月にナイスが最も多かった感想・レビュー

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ネタバレドラマ版でも感じたことだが、何でこんな方法を使うの?とそのトリックの必然性を疑いたくなるようなものが多かった。結局理系的知識をトリックに織り込み、それを理系的発想で解決する、というコンセプトありきで物語がつくられているから、そんな無理が生じるのだろう。だけど東野圭吾なだけにさすがにどれもそれなりに楽しめる。湯川先生のキャラが立っているのも良い。今は福山雅治で当て書きしているらしいが、佐野史郎を元にしたと思って読むと、また違った印象を持てた。
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2023年6月にナイスが最も多かったつぶやき

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今月は粒ぞろい。『ネイティヴ・サン』の黒人社会と心理の描写が、『チェルノブイリの祈り』の事故を取り巻く悲惨さが、『大衆の反逆』の現在にも通じる洞察が、心に残る。『ヒロシマ・ノート』『たかが殺人じゃないか』『エンタメ小説家の失敗学』もおもしろく読めた。 2023年5月の読書メーター 読んだ本の数:14冊 読んだページ数:5531ページ ナイス数:243ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/51204/summary/monthly/2023/5

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2023年6月の感想・レビュー一覧
13

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牡丹燈籠と言えば、お露が若侍を取り憑いて殺す話のイメージだったが、原作を読むとそれがまったく脇の話なのだと気づかされる。作者が描きたかったのは孝助の忠義と仇討の話であり、下駄を鳴らしてやって来るお露の怪談は添え物でしかない。全体を通して読むと、題のわりに怪談っぽさはあまりないのだ。そもそも本作はいくつもの話が複雑に入り組んでいるが、効果的に結びついていると言えずもどかしいことこの上ない。しかし落語を元にしているだけあって語りは心地よい。勧善懲悪でご都合主義的だけど、エンタメ要素にあふれた作品であった。
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幾分古臭さはある。語りは講談っぽくて時代がかっており、内容は変装による人物入れ替わりが激しく、荒唐無稽になりかねない代物だ。だがテンポが速く、つっこみたくなるもののそれなりに楽しい娯楽作品となっている。作者が力を入れた黒トカゲのキャラクターも目を引く。妖艶で食えない雰囲気や、彼女の私設美術館のエログロ感はいかにも乱歩っぽくって、作者の趣味が前面に出ているのが興味深い。そして彼女を追いかける明智小五郎に対して奇妙な愛情を抱いていく設定などはベタと思うけれど、面白く読めた。
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ネタバレロザモンドの考えのなさがもどかしい。彼女の自分中心で夫を思いやらない姿を見てると、リドゲイドに同情する。それでも妻を突き離せないのが、リドゲイドの優しく弱い所だろう。それだけにドロシアの理想主義的な行動が夫婦に救いをもたらし、リドゲイド夫婦に和解をもたらす過程が心に響く。ドロシアも誤解の果てラディスローと結ばれるのは感動的だ。ドロシアはその強烈なキャラや資産の割に大きなことを成さなかったが、周囲の者を良い方向に巻き込んだ。その姿は魅力的だ。夫婦関係やいくつもの諸要素を縦横に描き上げた重合な作品だった。
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ネタバレカソーボンの嫉妬に翻弄されるドロシアの姿が悲しい。それを契機にドロシアはラディスローへの愛に気づくが、二人の性格を知っていれば報われない恋とわかるだけにまた切ないものだ。ただ彼女が夫から解放されたことは救いである。リドゲイドとロザモンドの夫婦も金銭問題もあって思いはすれ違うばかり。基本的にこの小説はすれ違うことが想像つきそうな夫婦しか登場しないが、他人同士である以上致し方ないのだろうか。ガースの下で真剣に働こうとしているフレッドとメアリはどうなるのだろう。こちらも困難が予想されそうだが。。次巻を待ちたい
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フェザストーンの遺産争いはいつの時代でも変わらない風景で実に醜い。フェザストーンのやり口も問題あるが、嫌な光景だ。しかしこれが甘ったれのフレッドにとって良い方向に向かえば好ましいのだけど。リドゲイドとロザモンドの結婚問題も片がつきそうだが、不幸への予兆がまかれていて油断ならないところ。またラディスローの登場で、ドロシアとカソーボン夫婦にもすきま風が訪れる。それぞれの思惑はかみ合わず、思いは時にすれ違うことを感じさせる巻だった。
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ドロシア・ブルックのキャラが印象的。理想主義的でいくぶん思い込みの激しい彼女はカソーボンを理想の人と思い込み結婚してしまう。周囲の説得も耳に入らない時点でこの結婚が不幸に至ることは明白だったが、実際そうなってしまうのがわかりきっているとは言え切ない。それ以外の人物としてお気楽すぎるフレッドや、芯の強そうなメアリー・ガース、コケティッシュなロザモンド、野心的なリドゲイド、強欲なフェザストーンなど、個性豊かな面々が多士済々。彼らの生活や結婚の行方がどうなるのか期待したい
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ドレスデン爆撃を経験した著者はその内容を書くのに時間がかかったようだが、その悲惨な内容を読めば気持ちもわかるというものだ。だが作者はそんな重い内容を軽いタッチと設定で淡々と書いている。そしてどんな悲惨で不条理な事実に出会っても「そういうものだ」という諦念のにじみ出た言葉で受け入れているのだ。それは起こってしまったことはどうしようもならないという事実を確認しているように見える。しかし変えることができることは変えたいとも願っており、それが一章で書かれた反戦意識とも結びついていて、しんしんと胸に響いた
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ネタバレドラマ版でも感じたことだが、何でこんな方法を使うの?とそのトリックの必然性を疑いたくなるようなものが多かった。結局理系的知識をトリックに織り込み、それを理系的発想で解決する、というコンセプトありきで物語がつくられているから、そんな無理が生じるのだろう。だけど東野圭吾なだけにさすがにどれもそれなりに楽しめる。湯川先生のキャラが立っているのも良い。今は福山雅治で当て書きしているらしいが、佐野史郎を元にしたと思って読むと、また違った印象を持てた。
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ネタバレ非常によくできている。伏線の張り方は丁寧で謎解きのところでは素直に感心できるし、ミスディレクションも秀逸であっさりと騙されてしまった。ストーリーテリングもすばらしく、盛り上げ方も堂に入っている。見事な作品だ。しかし犯人は女に思い込みの暗示をかけたわけだけど、そういった暗示は物語の読者に対して、作者も行なっている行為なのだ。そういう点推理小説の本質を突いたような作品と感じた
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全体の印象としては散漫であった。テムズ川を遡上する男たちの話だが、話は脱線に次ぐ脱線で、ぐだぐだと進んでいく。そういう点私には合わなかったが、訳が良く、歴史的なエピソードやユーモラスな小話は多いので、サクサク読み進められたのは美点だ。個人的には大物の魚を釣ったと吹聴する話は面白かった。
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古代・中世篇同様、雑多な印象はあったが、どの議論も読みごたえがあった。個人的に面白かったのは、藩主に傷がつくことを恐れ改革を進められない秋田藩政の状況や、藩校教育の充実と遊学から他藩との結びつきができる様、衰退する城下町がその挽回をねらって軍を誘致する構図、三越などに対抗して地元の百貨店ができる過程、飢饉の発生を受けて温泉で復興を目指す領民と農業振興での復興を目指す藩の指向性の違い、震災における史料レスキューの現状や、原発の存在と地域における歴史教育や史料保存がなされていない状況への警告など興味深く読んだ
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非常によくできた作品だった。これだけ多くの人物を動かし、有機的に結び付けながら、最後の破滅までを描き切った筆力に素直に脱帽する。しかもどの人物のエピソードもおもしろく、人間の醜さ、滑稽さ、共感、嫌悪を感じさせるからすばらしい。個人的には、一見まじめで真摯な田宮博徳が麻薬に溺れていく様や、ロリコン警官中山正の狂気じみた少女への妄執、会沢慶子の盗撮魔に対する行動が印象的だ。そして彼らの物語は予想した通り破滅を迎える。その破滅の様はタランティーノばりのスプラッタかつブラックなもので強いインパクトを残した。
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全体小説という言葉を思い浮かべた。非常にくせの強い人物たちが神町を舞台に、それぞれの事情を抱えながら様々な事件を起こす。それらが微妙に絡まり合いながら物語が進んでいく様は良い。しかしここには困った人物ばかり登場する。暴力的なロリコン警官や、盗撮を行なう青年グループなど、倫理的に見れば眉をひそめたくなる人たちが多い。そんな彼らの行動の中には事件の種になりそうなものが多く、最後に待ち受けているのは破滅の予感しかない。しかし具体的にどんな着地を見せるのか全く想像もつかないところが絶妙だ。次巻を期待して待とう
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2010/02/06(5262日経過)
記録初日
2010/11/11(4984日経過)
読んだ本
1883冊(1日平均0.38冊)
読んだページ
564529ページ(1日平均113ページ)
感想・レビュー
1540件(投稿率81.8%)
本棚
32棚
性別
職業
技術系
現住所
宮城県
外部サイト
URL/ブログ
http://blog.goo.ne.jp/qwer0987
自己紹介

本が好きな中年化学系エンジニア。
読む本は小説が中心。ほか歴史関係のものを読むことが多い。
好きな作家は、村上春樹、芥川龍之介、川上未映子、アゴタ・クリストフなどなど。

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