気になった順に読んでいきました。私は一つの町を舞台にした連作的なものが好きで、一連の章を通して長い時間を感じたり、生活が感じられたりしてよかったです。個々のミステリ的な仕掛けも巧みだし、それぞれのキャラクターのことも好きになりますが、もうとにかく文章がうまい。ただ、まあ、これは……なんでそんなことを……したんですか……？

パリの街と歴史のロマンに思いを馳せ、自由を求めて転がっていく主人公とハルさん。バックのフランスにある憧れの雰囲気がいい。温かく楽しく読める本でした。恵まれた家に生まれ、才能豊かな主人公の目に入る素敵なものは、みんないっぱい輝いて見えて、読んでいて気持ちがいいです。

ド直球ストレートの社会派警察小説。群像劇っぽく、ドラマ映えしそうな作品。昔をなつかしみ、よき妻に支えられ、地道な仕事で巨大な犯人を追い詰める。なつかしいデカ(刑事)が見られました。さすがに時代が古いためか、推理の内容やキーワード(逆手持ちなど)に違和感はあり。

気になった順に読んでいきました。私は一つの町を舞台にした連作的なものが好きで、一連の章を通して長い時間を感じたり、生活が感じられたりしてよかったです。個々のミステリ的な仕掛けも巧みだし、それぞれのキャラクターのことも好きになりますが、もうとにかく文章がうまい。ただ、まあ、これは……なんでそんなことを……したんですか……？

ただの高齢者による自動車事故かと思われたが……というお話。村の慣習の設定が強く、主人公の設定もユニークだったので、事件の内容や顛末にももうひとひねりあると思ったんですが……想像のつくところで終わっちゃいましたね。文章に繰り返しが多かったのもちょっと読み味よくなかったです。

ラストマイルを観てから読みました。潜入ルポで有名な人だったらしく、おもしろかった。体験記だけでなく様々な視点から取材したり論じたりしていて読み応えあり。十年前の本ですが、ざっと物流の歴史を知れました。資本主義の負の側面……！と大きな言葉で言いたくなる。とりあえず時間指定の荷物はその場で受け取ろう。

設定も展開もセンスが良くてグロテスクで、疾走感がすごかった。はじめに出される見取り図の施設名、最初の数ページの描写だけでもパンチが効いてて、ずっとこの感じがつづく。設定に気になるところもあるけど、確かにキャラクターの良さでカバーされてるかも。

考えるとはなにか、論理とはなにか？可能性を検討できることが考えることである。問題への緊張した態度が考えることそのものだ。短く平易な文章で、率直でエモい。純粋な意味での「論理的」についてあたることができてよかったです。考えかたの作法と純粋な論理は別のものなんですね。

限界集落の……どこにもいけない狭いコミュニティ、その中で生きていくためにどう人と関わっていくのか、そんなことを考えてしまい怖気がすごい。笑って受け流す処世術に、陰口を叩く噂は対になって生活にしみこんで……