気が重くなる内容なのだが、不思議と続きが気になってスイスイと読んでしまった。40年前の作品とは思えぬ読みやすさである。自分の祖母は四者四様で、ピンコロだった祖父、コロナ禍で面談もできないまま病院で亡くなった祖父、認知症がすすみ介護施設で暮らしている祖母、腰は曲がりつつも元気に暮らしている祖母と、それぞれこの本の登場人物と重なる。近い将来向き合わなければならない両親の老化を想像すると苦しくなるが、自身の道末としてはあまり実感がない。20年後にまた読みたい作品である。

文化融合のさせ方が面白かった。最後の方、駆け足気味な印象を受けたのがすこし残念。なんとなく、ジュンは血界戦線のレオと似ている気がする。