未熟な大人に振り回され、理不尽の中で生きぬくしかないヤングティーンから、ままならないものを抱えて選択を重ねる大人への変遷がうまく描かれている。自分はこうはならないと決意していたはずの大人にいつのまにか自分もなっていて、世のままならなさを時に受容し、時に避け…随分と”大人”になってしまったものだと思う。 曇りなきハッピーエンドを希望しても、現実は向かってくる。突き付けられる。向き合わざるを得ない。折り合いをつけて行くしかない。世の中は、全方位を幸せにできないことの方が多くて、その中で自分の精一杯を生きる。

黒部川第3発電所の軌道トンネル工事にまつわる記録文学。なんと苛烈で過酷な取り組みか。これが現実を元にした話とは俄には信じがたい内容だった。人間の潜在能力と大自然の強大さ、実現不可能を可能にする執念・信念に圧倒された。また、前々から黒部渓谷には登りたいと思っていたが、これを読んで必ず行こうと心に決めた。登山好きは皆読んでいるのだろうな。未読の方にはぜひ読んでいただきたい。

『汝、星のごとく』を読み終えた時は、続編の存在を意外に感じていたけれど、『星を編む』の後半からは、これを書いてくださった凪良ゆう先生に心から感謝した。このお話を紡いでくれてありがとうございます。読めてよかった。

未熟な大人に振り回され、理不尽の中で生きぬくしかないヤングティーンから、ままならないものを抱えて選択を重ねる大人への変遷がうまく描かれている。自分はこうはならないと決意していたはずの大人にいつのまにか自分もなっていて、世のままならなさを時に受容し、時に避け…随分と”大人”になってしまったものだと思う。 曇りなきハッピーエンドを希望しても、現実は向かってくる。突き付けられる。向き合わざるを得ない。折り合いをつけて行くしかない。世の中は、全方位を幸せにできないことの方が多くて、その中で自分の精一杯を生きる。

表紙買いした本。各章のタイトルを裏切らないおもしろさ。