はじめまして、青山さん。アニマルライドって名称があるのね。私が子供の時分にもあったのか、動くでもないアレに乗って楽しいのかな、と常々疑問だったのだけど、むしろそういう存在だという方が肯けるかも。子どもの頃に母がついた優しい嘘が、長い年月のあいだに地域住人のお守りのような存在になっていた、というのにグッときました。表紙のカバヒコがキュートで、お話もそれに負けずにかわいらしい、人のつながりが優しい連作短編でした。「リカバリー・カバヒコ…カバだけに」、この決め台詞、知ってしまったら言いたくなるよね(^ω^)b

はじめまして、青山さん。アニマルライドって名称があるのね。私が子供の時分にもあったのか、動くでもないアレに乗って楽しいのかな、と常々疑問だったのだけど、むしろそういう存在だという方が肯けるかも。子どもの頃に母がついた優しい嘘が、長い年月のあいだに地域住人のお守りのような存在になっていた、というのにグッときました。表紙のカバヒコがキュートで、お話もそれに負けずにかわいらしい、人のつながりが優しい連作短編でした。「リカバリー・カバヒコ…カバだけに」、この決め台詞、知ってしまったら言いたくなるよね(^ω^)b

冒頭は平成３年に同時発生した２件の誘拐事件。犯人不明のまま１件の被害男児は戻るが、もう１件の被害男児が戻るのは３年後だった。そして、30年後から物語の本編が始まる。冒頭の警察パートがあまりに緊迫していたので、警察、記者の30年間の無念さに門田に肩入れして読み始めるも一転、高校生の淡い恋や画壇の悪慣習、薄氷の上にそれでも幸せだった疑似家族と、内容はガラリと変わり時系列も前後する。写実画への熱量もすごいけど、一つ一つ緻密にピースを積み上げたこの小説自体を、写実画のように描き出したかったのかなとも思った。

休筆宣言明けの第一作はデビュー15周年記念。告白の衝撃から15年経ったのか。もっと長いおつきあいの気もするけど多作だからかな。なので休筆されてた感もあまりないままお久しぶり、湊さん。英気養いすぎじゃない (^◇^；)？のっけからショッキングな口絵が６枚で本当に標本にしちゃうの？とドキドキ。小口から章が分かれているのがわかるのに目次がないのは意図的なのかな？心中かなり奇声を発しながら涙目でなんとか読み終わりました。カドブンの特設サイトにモデルになった蝶がまとめられているのも口絵に入れてくれればよかったのに。

幼いころから「普通の」男の子らしさとは無縁の海。それでも「海は海」と、彼が大事にするものを守ってくれているかに見えた父も、托卵先を見つけたら東京へ行ってしまった。処世術で武装した海の本質を忍が理解していないことに傷ついたとき、海が吠える相手が自分を捨てた父親だったことがとても切ない。緑亮と美佐子の全面的な承認の中で育ち自分を確立しえた海と、最も身近な他者である親の考え方に縛られて自分と向き合う忍。タイトルを考えた時、両者とも「青くて透明で」あまりにもろい鎧をまとっているように思えた。