ネタバレ凡そ半分まで行ったところで事件が起きて全体を、前半と後半、に分ける。前半の森林警備隊員としての生活と後半の山を離れたあとのこと、の時間や場所の書かれ方の差分が興味深い。山の時間は短く密度が濃く森林警備隊員たちそれぞれが際立ち、下山した生活はすかすかと時間が過ぎる。が失って一層強く募る山への思いの所為、バルナボの山でない生活を読みながら、バルナボ自身の山への回想と読み手が前半に読んだ山岳地帯の再生（岩棚、稜線、長いガレ場、高く切り立ってそびえる高峰、垂直に刻まれた錆色の裂け目）を読んだ。厳しく高く深く厳か。

ネタバレ凡そ半分まで行ったところで事件が起きて全体を、前半と後半、に分ける。前半の森林警備隊員としての生活と後半の山を離れたあとのこと、の時間や場所の書かれ方の差分が興味深い。山の時間は短く密度が濃く森林警備隊員たちそれぞれが際立ち、下山した生活はすかすかと時間が過ぎる。が失って一層強く募る山への思いの所為、バルナボの山でない生活を読みながら、バルナボ自身の山への回想と読み手が前半に読んだ山岳地帯の再生（岩棚、稜線、長いガレ場、高く切り立ってそびえる高峰、垂直に刻まれた錆色の裂け目）を読んだ。厳しく高く深く厳か。