この本の中で映画「ペイ・フォワード」が贈与の失敗の例として紹介される。主人公のトレバー少年はいじめを止めに入る中でナイフで刺されて死んでしまうんだけど、この結末を「贈与を受け取ることなく開始してしまったゆえの悲劇」と説明する。トレバーは誰かに贈与を受け取った実感なく、世界が何もかも最悪だからペイ・フォワード(恩送り)を開始したことは、要するに神様にも重なる根のない行為なので、彼は物語として死すべき定めにあった、という感じ。たしかにそうなんだろうけど、根のないところに花が咲いてはアカンのかと切なくなった。
デジタル領域やマーケティング、脳神経科学、哲学、経営学、組織心理学の書籍を読むことが多いです。小説や詩歌も好きです。
海外ではヘルマン・ヘッセ、カート・ヴォネガット、サン=テグジュペリ、ジュンパ・ラヒリ、エイミー・ベンダーあたり。
日本だと川端康成、宮本輝、津村記久子、川上弘美、クラフト・エヴィング商會を好んで読みます。
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この本の中で映画「ペイ・フォワード」が贈与の失敗の例として紹介される。主人公のトレバー少年はいじめを止めに入る中でナイフで刺されて死んでしまうんだけど、この結末を「贈与を受け取ることなく開始してしまったゆえの悲劇」と説明する。トレバーは誰かに贈与を受け取った実感なく、世界が何もかも最悪だからペイ・フォワード(恩送り)を開始したことは、要するに神様にも重なる根のない行為なので、彼は物語として死すべき定めにあった、という感じ。たしかにそうなんだろうけど、根のないところに花が咲いてはアカンのかと切なくなった。