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2024年1月の読書メーターまとめ

浅香山三郎
読んだ本
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2681ページ
感想・レビュー
7
ナイス
29ナイス

2024年1月に読んだ本
7

2024年1月のお気に入られ登録
1

  • ろば

2024年1月にナイスが最も多かった感想・レビュー

浅香山三郎
松本清張といふ作家の凄さの一つは、1960年代には硬質な社会派推理小説を多作する一方で、初期から胚胎してゐた歴史研究的な素材を次第に創作に取り込み、晩年に至るまで作風を多様化させたといふ点にある。小説のみならず、古代史については、論考の形での著作もある。本書は、テレビ番組の為の取材旅行をベースにした、1984年の紀行文と論考を一書にまとめたもの。空海と密教のやうなものも扱つてゐたのかと驚くが、ゾロアスター教への関心は既に『火の路』に生かされてをり、インドにおける西の宗教の影響といふ論にも踏み込む。↓
浅香山三郎
2024/06/10 00:17

中国に伝へられた密教を、大乗仏教ともことなる、今は残らない「第三の宗教」(ヒンドゥー教と仏教の混合したもの)を移植したものではなかつたかとみる意見は興味深い。

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2024年1月にナイスが最も多かったつぶやき

浅香山三郎

2023年の読書メーター 読了数:103冊 読んだページ:31677ページ ナイス:1301ナイス 感想・レビュー:59件 月間平均冊数:8.6冊 月間平均ページ:2640ページ ▼浅香山三郎さんの2023年に読んだ本一覧 → >> https://bookmeter.com/users/619362/summary/yearly 何とか年間100冊といふペースはキープできた。24年もこのペースでいけたら、と思ふ。

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2024年1月の感想・レビュー一覧
7

浅香山三郎
松本清張といふ作家の凄さの一つは、1960年代には硬質な社会派推理小説を多作する一方で、初期から胚胎してゐた歴史研究的な素材を次第に創作に取り込み、晩年に至るまで作風を多様化させたといふ点にある。小説のみならず、古代史については、論考の形での著作もある。本書は、テレビ番組の為の取材旅行をベースにした、1984年の紀行文と論考を一書にまとめたもの。空海と密教のやうなものも扱つてゐたのかと驚くが、ゾロアスター教への関心は既に『火の路』に生かされてをり、インドにおける西の宗教の影響といふ論にも踏み込む。↓
浅香山三郎
2024/06/10 00:17

中国に伝へられた密教を、大乗仏教ともことなる、今は残らない「第三の宗教」(ヒンドゥー教と仏教の混合したもの)を移植したものではなかつたかとみる意見は興味深い。

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浅香山三郎
(上巻から続く)著者の思索は、生前の父に何故中国でのことを問はなかつたのかといふ点に及び、戦中・戦後の日本社会を貫く体質をも問ふていく。その体質を鋭く衝ひた茨木のり子の「四海波静」に触れ、更に「未来に過去がやってくる」といふ暗い予兆を見出してゐる。記憶や体験が忘却され、過去が曖昧にされて、無味乾燥の歴史に作り替へられてゐく過程への、鈍感・無自覚をこれほど深く抉つた本は、近年他にないやうに思ふ。
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浅香山三郎
手元の本は、1973年の文庫本2刷。発表は1961〜1962年の『サンデー毎日』。『旅』に連載した『時間の習俗』と同じ年の作である。この時代の小さい活字でも600頁近くになる大作。妖しいフィクサー、防衛機密、舞台としての東京湾岸。潜水艦開発にかかるリアルな資料も活かしつつ、なぜ、どうやつて殺したのかといふミステリーの基本も読ませる作り込み方で、清張のこの頃の社会問題への関心のもち方もよく分かるやうに思ふ。
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浅香山三郎
単純再生産と拡大再生産の話。議論はかなり細かく、さまざまなパターンを想定してゐる。数式は頻繁に出てくるが、それらを図解ではなく、文章で書いていくので、わかりにくい。第2分冊はこの巻までだが、4巻を含め、理解が中途半端に終はつた。
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浅香山三郎
少し前の朝日新聞でも特集されてゐたが、戦争の加害者となつた兵士が帰還後、家族などに暴力を振るひ、荒れた生活を送るといふことがままあつたやうだ。辺見庸さんの父も、中国での体験を語らずにいたが、そのトラウマに縛られた一生を送つた。本書は、父親のトラウマの原因だつた中国での戦争の日本軍の行為の実態を息子の眼から辿りなおさうとするもの。独特の用字(熟語を平仮名で表記するなど)は、まず作家本人が手探りで1937年といふ時代をまるごと把握しやうとするゆへの、こだはりのように感じられる。(下巻に続く)
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浅香山三郎
春日太一さんの本などで、「犬神家の一族」から始まる横溝正史の金田一耕助シリーズの背景には興味があり、さらにこの本の著者中川さんの『江戸川乱歩と横溝正史』も読んでゐたので、その流れからの関心もあつた。角川映画作品そのものは、余り見た方ではないかもしれないが、映画の一場面をそのまま文庫の表紙にした本が書店に並んでゐたのを覚へてゐる。本書は、それらの映画や原作本にはどういふ背景があり、どんな角川春樹の思惑があり、どんなスターの売り出し戦略があつたのか、といつたところを仔細に明らかにした労作で、データの集め方と↓
浅香山三郎
2024/05/14 21:48

料理の仕方が、いつもながら中川さんはうまい。350頁を超える分量の本だが、手抜きのない充実ぶりである。

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浅香山三郎
全7章からなる。戦後70年の2015年刊なので、1章は10年ごとの区切りである。個人的には、第5章(1985-1995年)の区分の岩波新書は、リアルタイムではないが読んでゐて、6・7章の新書はほぼリアルタイムで読んでゐる。逆にそれ以前のものは、宇沢弘文『自動車の社会的効用』(1974年)を読んだかな、といふ程度である。それ以前のものは読む機会が無く、本書によつて知ることができた本ばかりである。著者3人の対論により、時代背景や社会的な価値観の違ひも分かり、新書の問題関心の普遍性と時代性の両方が領解された。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2015/10/15(3187日経過)
記録初日
2009/10/18(5375日経過)
読んだ本
2792冊(1日平均0.52冊)
読んだページ
829792ページ(1日平均154ページ)
感想・レビュー
842件(投稿率30.2%)
本棚
240棚
現住所
大阪府
自己紹介

これから新しく読む本は、できるだけ感想を残します。過去に読んだ本は、読んでたことを思ひ出した時点で、登録しますけれども、感想までは書き切れない感じです。さういふ訳で、投稿率はべらぼうに低いのですが、ご容赦ください。

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