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2024年11月の読書メーターまとめ

Tomegoro Matsumoto
読んだ本
18
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感想・レビュー
18
ナイス
294ナイス

2024年11月に読んだ本
18

2024年11月にナイスが最も多かった感想・レビュー

Tomegoro Matsumoto
登場人物たちのキャラクターも魅力的だし、高校生たちの確執と和解のエピソードもそれなりに心地よい。だが何といってもこの小説の肝は、特殊ルールで行われるゲームの攻防だ。もの凄く知的な戦略が必要とされる戦いだが、その実、結構アナログの作戦が多用され功をなす。「フォールーム・ポーカー」では、何でもありの力業が炸裂する。「自由律じゃんけん」のトリック、「だるまさん」の発想など、ちょっと思いつかない。
が「ナイス!」と言っています。

2024年11月の感想・レビュー一覧
18

Tomegoro Matsumoto
現実とリンクするように、政治の醜い部分を描いた小説で、骨太で読みごたえはあるが、エンタメ要素は少ない。ユーモアや笑える部分もない。作者の意図かもしれないが、政権与党やメディアに対する不満が、あまりにもストレートにそして感情的に溢れていて、全体的に愚痴っぽく感じてしまう。フィクションだから、もっと明るく希望を持たせてくれるお話のほうが好みだ。
が「ナイス!」と言っています。
Tomegoro Matsumoto
報酬充分のアルバイト。何もしなくてよいが、スイッチを押すとある一家が破滅する。この発想は面白かった。犯人捜しのトリックも、ミステリーとしても楽しめた。ただ、宗教に関する解釈等は、興味深くはあるのだが、やや退屈に感じた。
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Tomegoro Matsumoto
「百合の家」の女性は常に「おばちゃん」で本名では呼ばれない。そのことから、かなり早い時点で仕掛けはわかる。むしろ、その読みが外されるのではないかとの、ある種の期待を感じながら読んだ。雑誌記者が、3人の死を簡単に毒のセールスと推理する点や、百合の家の根源的な問題が安易に解決する点など、ミステリーとしての突っ込みどころは色々感じたが、生と死そして孤独といった重くなりがちのテーマをじっくり読ませ、しかも後味の悪くない面白い小説だった。
が「ナイス!」と言っています。
Tomegoro Matsumoto
「阿吽の久蔵」が登場する第4章あたりで、物語のオチは大体想像がつく。だけど、そこがわかっていても全く退屈しないで読める。もし、想像と違っていたら、という不安に若干ビクビクしながらだが。登場人物達が自らの口で語る来し方を通し、彼らの生い立ちから人物像が丁寧に描かれる。時代物は少し苦手で、手に取るのに時間がかかったけど、読んでよかった。満足の一冊。
が「ナイス!」と言っています。
Tomegoro Matsumoto
過労死の社員の労災を認めず、他の社員も見殺しにし、利益追求の犠牲に過酷な労働を強いる自動車会社。非正規工員の若者4人が労働環境改善を求め新労組を作り会社に団交を求める。無知な若者の反発と軽く見ていた会社も、彼らの法律知識と論理的戦略そして行動力に焦り、与党大物政治家を通じ公安警察を動かし可決されたばかりの共謀法で、でっち上げ逮捕を目論む。この昭和的小説が2023年に書かれたことに驚かされる。今の社会に対する問題提起か。登場人物は多いが、それぞれの人物の人生の背景が実に細かく描かれている。読みごたえがある。
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Tomegoro Matsumoto
心霊現象が報告される踏切の近くでは、キャバクラ嬢がヤクザに殺されていた。女性の本名も出身地も不明でのまま事件は終わる。病で妻を失ない悲しみと後悔から解放されない雑誌記者が、殺害された薄倖の女性の人生を辿る。珍しくない設定だが、明らかにヤラセではない超常現象を体験したとき、果たしてメディアはどこまでそれを書けるのかという視点は面白かった。
が「ナイス!」と言っています。
Tomegoro Matsumoto
登場人物たちのキャラクターも魅力的だし、高校生たちの確執と和解のエピソードもそれなりに心地よい。だが何といってもこの小説の肝は、特殊ルールで行われるゲームの攻防だ。もの凄く知的な戦略が必要とされる戦いだが、その実、結構アナログの作戦が多用され功をなす。「フォールーム・ポーカー」では、何でもありの力業が炸裂する。「自由律じゃんけん」のトリック、「だるまさん」の発想など、ちょっと思いつかない。
が「ナイス!」と言っています。
Tomegoro Matsumoto
南部鉄器の親方職人が、突然補導委託を引き受け問題を起こした少年を引き受ける。頑固で仕事一筋な親から、愛情を受けたことがないと感じて育った息子は、父の行動に戸惑い最初は引き受けに反対する。引き取られた少年の非行も父母との軋轢が問題だった。近くにいるが故に、お互いが見えず分かり合えない父と子の葛藤が描かれる。職人の健治とバイトの八重樫の、じゃれあいの様な、喧嘩っぽい言い合いに和まされる。考えは違っても悪い人は出てこない。ただ、口下手とコミュニケーション不足が、問題をややこしくしているように思える。
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Tomegoro Matsumoto
「神通力」学生が騙されて闇バイトに落ちていく、タイムリーな物語。ただ、そこからオチへの展開が面白い。現実の事件が酷すぎるだけに、こういった終わり方は救いを感じさせる。「黒きつぶらな君の瞳」古賀さんはいい人なのか悪い人なのか、最後までハラハラさせる展開。タイトルも素敵。「沼の底、さらに底」SNSで誹謗中傷を繰り返し、裁判沙汰になる救いのない女たちの話。最後も救われない。
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Tomegoro Matsumoto
登場人物は少ないし、クローズトサークル系の割とよくあるパターン。それほど複雑でもないので、気楽に楽しめると思って読んでいたら、最後、やはりというか、それまで読んでいた物語の世界観が、ひっくり返るような衝撃を体験する。更にその後、もう一発、パンチを喰らわされる。トイレが、和式だったはずなのに、途中から、そうではなくなっている。ずっと、この違和感のもやもやは気になっていたのだが、最後にようやく納得した。ネタバレになるので、これ以上かけない。
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Tomegoro Matsumoto
ハッピーエンドが約束されている、こういったシリーズ物は難しいことを考えずに、気楽に読めてよい。最終話、野球賭博のシステムは興味深かった。おそらく、雑学的知識以上に役に立つことはないが。
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Tomegoro Matsumoto
冤罪が晴れ無罪判決がでれば、自由は得られるが数年後には殺害される運命が待っている。無実の罪で数年の懲役を受け入れれば、死ぬことはない。タイムリープに捕らわれ、過去と現在の法廷を行き来する書記官の主人公に、苦境に陥った父を救うことができるのか、といったお話。タイムパラドックスを扱うお話は、ただでさえ時制が複雑で混乱しがちだが、ここでは時を行き来するのが一人ではなく、さらにややこしい。しかし、人を裁く裁判官の重圧や苦悩が描かれていて、法廷劇としては読みごたえがある。
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Tomegoro Matsumoto
ネタバレ交通事故被害者遺族が、加害者、偽証言をした目撃者、緊急手術を拒否した医者に復讐する、そんな簡単なストーリーでないことを信じ、何か違った驚くべき結末が用意されていて欲しいと、読みながら期待していたが。読み終えて、かなりストレートだったなという印象しかない。
Tomegoro Matsumoto
おそらく著者自身が投影されていると思われる主人公が、学生時代または仕事を通じて出会った、少し変わった人たちを語り、彼らの承認欲求について考えるといった、私小説的な連作。特に派手なエピソードもなく、退屈だった。自らが得た作家という職業を、不可解なものと表現しつつも、かなりの高所から高尚に自虐ぶって捉えているような感じがあり、心地よい読書とはならなかった。あくまで私個人の受け取り方だが。期待して手に取っただけに、残念だった。
が「ナイス!」と言っています。
Tomegoro Matsumoto
ネタバレ「姉のように」二つの新聞記事の、順番を入れ替えただけで成立するトリック。単純な仕掛けだけど、最後のヤラレタ感が心地よい。「許されようとは思いません」もの凄く陰湿でイヤな話が語られるが、最後はなぜかいい終わり方でホッとする。「目撃者はいなかった」主人公が追い詰められていく様子に感情移入する。リアルでもありそうなパターンだ。「ありがとう、ばあば」途中で少女の動機が予想できた。怖い。「絵の中の男」芸術家の狂気が描かれるが、5作品地風では、一番現実から乖離しているように感じた。
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Tomegoro Matsumoto
すごく読み易い。芸能界の裏側を、垣間見させてくれる作品集。実際のところはわからないけど、もしかしたら、本当にこんな感じかなと思わされる。「クランクアップ」タクシー運転手の登場が何か意味ありげで、結末を想像するのが楽しかった。「相方」相方もだが、奥さんが素敵だ。「娘は女優」いい話で締めてくれた。
が「ナイス!」と言っています。
Tomegoro Matsumoto
ネタバレサイコ・ウイルスという発想は面白かった。ただ、通り魔的事件の描写が何度か出てきて詳細に描かれるが、ここはもう少し割愛しても良かったのではないだろうか。全体のストーリーにあまり影響がないので。むしろ、最後に少し触れられるサイコ・ウイルスとヒトの進化の関連などをもう少し膨らましてはどうだったか。量子力学の専門家も登場するのだから、そういった視点からこの新種のウイルスを分析するなど、そういった展開も期待した。
が「ナイス!」と言っています。
Tomegoro Matsumoto
「罪を認めて罰を受け入れるか、罰を拒否して罪と向き合うか、どちらが正しい道なのかは、神様にしかわからない」らしいが、正しいかどうかは兎も角、拒否できるものなら罰からは逃げる、これが普通の発想だ。ただそんな人ばかりでは、物語にはならないだろうが。いわゆる単純な善人はほとんど登場しない。主役もわき役も、極悪人ではなくても、何かしら罪を抱えた人たちが多く出てくる。法律知識満載で、読み応えのある作品だった。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2015/12/13(3298日経過)
記録初日
2016/11/23(2952日経過)
読んだ本
943冊(1日平均0.32冊)
読んだページ
339641ページ(1日平均115ページ)
感想・レビュー
455件(投稿率48.3%)
本棚
0棚
性別
血液型
O型
現住所
大阪府
外部サイト
URL/ブログ
https://plus.google.com/111562430555757476030
自己紹介

桂枝雀が好きです。ニックネームは枝雀落語の登場人物から頂きました。
音楽では、昔のプログレ、特にピンクフロイドとムーディブルースが好きです。
小説は、主にミステリー系が好きです。
叙述トリックで見事に騙されるのも快感です。

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