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2025年2月の読書メーターまとめ

Tomegoro Matsumoto
読んだ本
16
読んだページ
5591ページ
感想・レビュー
16
ナイス
280ナイス

2025年2月に読んだ本
16

2025年2月のお気に入られ登録
2

  • TAISHI.O
  • 兎束

2025年2月にナイスが最も多かった感想・レビュー

Tomegoro Matsumoto
救急医のもとに、自分と瓜二つの溺死体が運ばれてくる。このオープニングの謎にミステリ好きの好奇心が鷲掴みにされる。医療ミステリであると同時に、本格ミステリとしても楽しめる。最後、魔球並みの変化球に翻弄されて真実が暴かれ、タイトルの恐ろしい意味が明らかになる。”子供を持ちたいという夫婦の願いにばかり目を向けるのではない。生殖医療は何よりも、生まれてくる子供のためにある”といった、医者ならではの医療倫理に関する視点にも、はっとさせられる。関西弁も良い。とにかく、面白かった。
が「ナイス!」と言っています。

2025年2月の感想・レビュー一覧
16

Tomegoro Matsumoto
表題作もそうだが「クルーエット夫妻の家」など、人ではなく町や家が怪異を行うといった話は欧米の発想なのか、新鮮に感じる。「コイン・コレクション」は異世界あるいはパラレルワールドに主人公が迷い込む話だが、コインが関わっているところが面白い。眉村卓の世界観にもこういうのがあった。「愛の手紙」は過去の世界の女性と手紙で交信する話。予想を裏切らない結末で読後感が良い。「悪の魔力」は、ちょっと中学生男子あたりが喜びそうな話?「独房ファンタジア」まさにハッピーエンドのファンタジー。
が「ナイス!」と言っています。
Tomegoro Matsumoto
子供のころに目撃した自分の父親も関係した事件がトラウマになり、心を病んだ男が、真実を知るため小学生の息子と共に当時暮らした村を訪れる。そこでも息子を巻き込んだ事件が起きるが、過去の悲劇との関係はあるのか?とにかく暗く重苦しいお話。思わずクスっと笑えるようなシーンも全くない。だが、複数の謎が気になり一気に読ませられる。怪しげな男が登場しミスリードされそうにもなる。やはりというか、思いがけない人物がキーマンだった。夢のシーンは少し疲れた。
が「ナイス!」と言っています。
Tomegoro Matsumoto
遺骨で作った容器に特定の飲み物を入れれば、その死者が声として蘇る。更にその液体を飲ませることで、約12時間他人に憑依できる。こんな面倒くさい特殊な設定を考え出した作者には脱帽する。
Tomegoro Matsumoto
ネタバレ高齢者ドライバーによる過失運転の問題と“後妻業的詐欺”をヒュージョンさせたようなテーマ。登場人物も少なく、”悪者”の正体もわかりやすく、概ね想像通りの結末になる。それより、認知症の親を抱えた家族、父子の意思疎通、夫婦間の潜在的不満など、家族間の関係につきいろいろと考えさせられる作品だった。個人的には、この奥さんは、結果的には家族の危機に際し息子と一緒に逃げ出すわけだが、もう少し夫に理解があっても良いのでは、などと感じた。一方、幹人少年は結構思慮深く将来期待できそうだ。
が「ナイス!」と言っています。
Tomegoro Matsumoto
幼い娘を殺された女教師が、犯人の中学生男子2人を、警察に突き出すことはせず自ら追い詰めて陰湿な復讐を行う。少年Aの犯行も、家を出ていった尊敬する母親に対する歪な思慕と彼女への承認欲求が動機になっている。優しさの欠片もない容赦ない物語だ。
が「ナイス!」と言っています。
Tomegoro Matsumoto
最後は少し派手な事件が起きてややトリッキーな手段で解決するが、普通に事件が起こって普通に終わったという物語。仁志村署長のエキセントリックな性格を強調したかったのかもしれないが、他の登場人物も含めて、描写が単調で思考や行動が予測の範囲で、あまり成功したように思えない。少し期待外れだった。
が「ナイス!」と言っています。
Tomegoro Matsumoto
「デスゲーム」主人公のこだわりがすごい。そして予想外の幕切れは辛かっただろう。「クロワッサン」突拍子もないあり得ない行列ができる話。バカバカしい。だけど現代人に対する寓話的なインパクトがある。「花嫁」これも何かの寓話としてとらえるのが良いのか?「ファースト」鳥兜のパフォーマンスを映像的に想像するとたまらなく笑える。「命名」まさに偏執狂。
が「ナイス!」と言っています。
Tomegoro Matsumoto
ネタバレ誘拐を扱った小説で、これほど優しくて美しい物語は初めてだ。「育児を半ば放棄していた内藤瞳に正義はないが、こうして幼い子供を連れまわしている自分たちにも倫理はなかった」と優美は語るが、そうだろうか?二人の決断は法を超えた善意にも思える。あと、絵心のない私ににとっては、文章で描写された絵画の美を解することの難しさを思い知らされた作品だった。
が「ナイス!」と言っています。
Tomegoro Matsumoto
ネタバレ修司達3人は、満身創痍になりながらも何とか戦いには勝った。そして、五億円の回収には失敗したかに思われたが、それは収まるべきところに収まっていた。泣かせる手紙付きで。この部分が一番のサプライズで感激した。主役の3人だけではなく、登場するキャラクターが実に魅力的だ。磯辺という政治家は、明らかに悪に加担しているが、私利私欲が目的でもなさそうで、彼なりに国家を憂いてもいる。不思議で興味深いキャラだ。
が「ナイス!」と言っています。
Tomegoro Matsumoto
「幻夏」と「天上の葦」を先に読み、本作が最後になった。これまで不明だった、修司と相馬達との出会いとその後の関係がわかり、すっきりした。企業を守るためとはいえここまでするのか、というのがここまでの感想。後半の展開が楽しみ。
が「ナイス!」と言っています。
Tomegoro Matsumoto
救急医のもとに、自分と瓜二つの溺死体が運ばれてくる。このオープニングの謎にミステリ好きの好奇心が鷲掴みにされる。医療ミステリであると同時に、本格ミステリとしても楽しめる。最後、魔球並みの変化球に翻弄されて真実が暴かれ、タイトルの恐ろしい意味が明らかになる。”子供を持ちたいという夫婦の願いにばかり目を向けるのではない。生殖医療は何よりも、生まれてくる子供のためにある”といった、医者ならではの医療倫理に関する視点にも、はっとさせられる。関西弁も良い。とにかく、面白かった。
が「ナイス!」と言っています。
Tomegoro Matsumoto
失踪した弟を探す兄。その過程で、弟に関係した様々な人たちの背景が細かく描かれる。兄、母親、高校生時代の彼女、職場の同僚、保育園時代の先生。しかし、弟自身がどういった人物なのかははっきりとはわからない。本人は自分が空っぽだと感じている。くみ子の語る”なにか薄いあきらめが、霧のように全身をつつんでいる人”という評価が私には一番しっくりくる。
が「ナイス!」と言っています。
Tomegoro Matsumoto
精緻な描写と濃厚な表現力で、まるで主人公と共に熊を追いかけて、森の中を歩いている気分になってくる。そして同じ迫力で、生き物の誕生と死が描かれる。読み終えて緊張から解かれ、どっと疲れを感じた。最後に陽子が取った行動の意味は、異常すぎてはっきりとは分からない。だが、生き続けることに疲れを覚えたように見える熊爪を、救済することになったという解釈でよいのだろうか。
が「ナイス!」と言っています。
Tomegoro Matsumoto
この作家の作品は好きなのだが、本作は、タイトルの甘ったるい響きに怯んで、なかなか手に取る気になれなかった。だが、読んでみると、ただ甘っちょろい恋愛小説というわけでもなく、企業小説の趣もありなかなか良かった。弟の亮のキャラが楽しませてくれる。
Tomegoro Matsumoto
結構きつい現実を凄くコミカルな文体で描いている。登場人物たちの関係も、冷静に考えればかなり恐ろしい。主人公の妙は、勤める店の女性オーナーの元旦那と付き合っている。しかも大学生の彼らの息子とも、友達感覚で仲が良い。元夫婦の二人も息子も特に蟠りなく会話もする。皆、凄くさわやか。ちょっと簡単にはあり得ないような”家族”だが、読後感も良い。
が「ナイス!」と言っています。
Tomegoro Matsumoto
老舗旅館の長男逸夫の悩みは尽きない。祖母は自ら偽ってきた過去が明かされ元気がない。残酷ないじめを受けているらしいクラスの友人敦子からは、かなり無理なお願いをされる。それが原因で父親との関係も悪化。旅館の経営状態も楽観できない。終章で描かれる逸夫がとった、おまじないのような方法は、実に中学生らしい発想だが、それをきっかけに少しずつ変化が起きる。読後感はよい。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2015/12/13(3377日経過)
記録初日
2016/11/23(3031日経過)
読んだ本
990冊(1日平均0.33冊)
読んだページ
357393ページ(1日平均117ページ)
感想・レビュー
502件(投稿率50.7%)
本棚
0棚
性別
血液型
O型
現住所
大阪府
外部サイト
URL/ブログ
https://plus.google.com/111562430555757476030
自己紹介

桂枝雀が好きです。ニックネームは枝雀落語の登場人物から頂きました。
音楽では、昔のプログレ、特にピンクフロイドとムーディブルースが好きです。
小説は、主にミステリー系が好きです。
叙述トリックで見事に騙されるのも快感です。

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