自分の中で、今年のベスト図書でした。 映画化のニュースで原作を知り、早速読みました。初めて読む作家さんでしたが、人間の描写がとても繊細かつ精緻で、まるで自分も登場人物の隣にいるかのような感覚さえありました。 異なる土地、異なる年代、性別の心情を見事に書き分けた文章にぐいぐい引き込まれていきました。 冤罪、裁判、人間の本質についてとても考えさせられ、途中何度も泣きながら読んでいました。

とっかかりは、アクセルとブレーキを踏み間違えた老人が、片田舎のコンビニに突っ込んで、20代の店長を轢き殺してしまった事件。 次々に暴かれる過去‥めくられていく嘘… 展開が気になり、どんどん読み進めたくなり、最後の最後まで何が正解かわからない内容にどハマリしました。 レビューを読むと、賛否両論ありますが、私はこれで納得しました。 マスコミの在り方を考えさせれます。私もど田舎出身なので、30年くらいに起きた事件が未だに井戸端会議で話題になります。田舎とはそういう所なのです。

「正体」で染井作品に出会い、「正義の申し子」「芸能界」「震える天秤」「海神」そして、本作を読みました。1ヶ月の間に6作品も読んでしまうほどハマりにハマりました。 「悪い夏」は、今まで読んできた中ではストーリーはイマイチでしたが、それでも心理描写に引き込まれ、あっという間に読み終えてしまいました。狂った人を書かせたらこの方の右に出るものはいないのではないかと思うほどです。 ラストはひっちゃかめっちゃかで、わけがわからなかったですが、それが楽しかったです。 そして納得のオチでした。

方言がよい。 東日本大震災の被災地の復興に乗じて、支援金を着服した男とその男をめぐる話。 染井さんの作品は4作目になりましたが、相変わらず、人物描写がうまい。お年寄りでも、10代の女の子でも、まるでその人の人生を一度経験したこがあるかのように、内面を描く。 今回は、江村という得体の知れない少年がキーマンでしたが、アレキシサイミアという症状をもつこの少年を実に不可思議に描いていました。 混沌としたストーリーの中でも人間ドラマがしっかりと楽しめる良作だと思います。

サクサク読めて、スカッとしました。 いろんな偶然が重なり交わる人間模様がおもしろかったです。

自分の中で、今年のベスト図書でした。 映画化のニュースで原作を知り、早速読みました。初めて読む作家さんでしたが、人間の描写がとても繊細かつ精緻で、まるで自分も登場人物の隣にいるかのような感覚さえありました。 異なる土地、異なる年代、性別の心情を見事に書き分けた文章にぐいぐい引き込まれていきました。 冤罪、裁判、人間の本質についてとても考えさせられ、途中何度も泣きながら読んでいました。