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2024年3月の読書メーターまとめ

I (et al.)
読んだ本
5
読んだページ
1184ページ
感想・レビュー
5
ナイス
225ナイス

2024年3月に読んだ本
5

2024年3月のお気に入り登録
2

  • またの名
  • 万葉語り

2024年3月のお気に入られ登録
2

  • 万葉語り
  • ゼンマイ

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

I (et al.)
中盤からもうとんでもない名品であることに気づく。情景描写と比喩の技巧の過不足のなさ、ミニマルな文体から立ち上がる砂丘、窪地の廃屋、女の諦めた姿―。喚起する力に富んだ、美しいとさえ感じる言葉の点綴。性病の挿話と《希望》が運んでくる転回が印象的。読者の期待の地平をことごとく想像力と博覧強記で裏切ってくる、これこそがずっと読みたかった「小説」ではないか!
が「ナイス!」と言っています。

2024年3月の感想・レビュー一覧
5

I (et al.)
サッカーに燃える少女亜美と、叔父さんの鹿島までの旅。真言やジーコのエピソードや、柳田國男と田山花袋の関係、丹念に織りなされる自然・風景の描写がオーバーラップしながら旅は進む。「涙せずにはいられない」みたいな陳腐な帯には辟易してしまうし、小説的な企みも透けて見えなくもない。それでも、ラスト近くの浜辺での述懐は価値のあるものだと思う。
が「ナイス!」と言っています。
I (et al.)
中盤からもうとんでもない名品であることに気づく。情景描写と比喩の技巧の過不足のなさ、ミニマルな文体から立ち上がる砂丘、窪地の廃屋、女の諦めた姿―。喚起する力に富んだ、美しいとさえ感じる言葉の点綴。性病の挿話と《希望》が運んでくる転回が印象的。読者の期待の地平をことごとく想像力と博覧強記で裏切ってくる、これこそがずっと読みたかった「小説」ではないか!
が「ナイス!」と言っています。
I (et al.)
 家族という地獄、家族という監獄、傷つけ合い、なあなあに切り替えて許すことのない家族。脳卒中で「おかしくなってしまった」母、冷酷で手の出る父、兄弟は愛想をつかして家を出る。その環境にあってかんこは達観している。というより諦めているのだろうか。  車の中での口喧嘩のシーンは見事。描きたかったものもわかるし、モティーフも巧みで魅力的なものもあるのだが、どうしても好きになれないのは、この親から出てくる悪意みたいなものが、どうしようもなく作為的に感じられるからかもしれない。
が「ナイス!」と言っています。
I (et al.)
「明夫」の造形が絶妙だった。不器用でうまくいかず、けれども自分と闘いながら、大人になってしまった悲しさが、推し量られる。震災という等しからず巨大な傷を残した状況、その喪失の荒地を、美談にするのではなく直視し続ける胆力のある、まじめな小説だ。 読んだほかの人が本書のラストをどう解釈するのか、すごく興味がある...。
が「ナイス!」と言っています。
I (et al.)
執拗なまでに健康を押し付ける社会の圧力、そこに抗う女子高生たちが物語の始まりだった。それは社会自体の転覆というところまで膨らんでゆくが、その書きぶり、というか現実からちょっと毛が生えた架空性を「想像させる手腕」は卓越している。 結末はすこし尻すぼみ感があるが、「虐殺器官」から一貫した、未来的であり魅惑的なモティーフ、その造形が美しかった。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2016/04/08(2941日経過)
記録初日
2016/04/08(2941日経過)
読んだ本
338冊(1日平均0.11冊)
読んだページ
71637ページ(1日平均24ページ)
感想・レビュー
217件(投稿率64.2%)
本棚
9棚
性別
血液型
O型
職業
専門職
現住所
東京都
自己紹介

26歳、編集者。研究者。



「この世はな、知らんことには、自分が知らんという理由だけで興味を持たれへん、それを開き直るような間抜けで埋め尽くされとんねん。せやから、自分の知っとる過去しか知らずに死んでいきよる。八十でくたばるときに考えるんは八十年間のこと、つまり頭からケツまで己のことや。己のことを考えるから苦しむっちゅうことに気づかず、今に通用する身の振り方だけを考えて、それを賢いと合点して生きとんねん。情けない話やのー。」
―乗代雄介『皆のあらばしり』

「人は読みながら推量し、捏造する。すべては最初の間違いからはじまる。……我々が頑なに、そしてそれに劣らず誠実に……真実だと信じていることの大半は……当初の間違いに端を発しているのである。」
―マルセル・プルースト『失われた時を求めて』

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