大変、面白かった。達郎の妹の陽子の執拗な粘りで、もうここまでかと思ったが、上海への高飛び成功。お終わりが、ちょっと尻切れトンボな気がしたが、どんどん読ませる話の展開は、さすがだと思った。

大変、面白かった。達郎の妹の陽子の執拗な粘りで、もうここまでかと思ったが、上海への高飛び成功。お終わりが、ちょっと尻切れトンボな気がしたが、どんどん読ませる話の展開は、さすがだと思った。

戦後18年。確かに、戦後の混乱の闇がまだ残る時代ではあるが、成沢、猫寅の闇が、いまいち分からなかった。相馬運送の従業員が何でここまで殺されなくてはならなかったのか？池井戸作品の中では、異端と言えるのでは？かなり不思議な作品でした。

現代の琢磨、40年前の父、史郎の話が交錯する展開に引き込まれて読んだ。史郎の仕事への使命感に感服する。成沢、猫寅が出てくる辺りからの不気味な感じが、池井戸さんだなと思った。下巻に期待！

吃音のために、自分の言いたいことを押し殺す少年。加藤くん、おっちゃん、石橋先生、ゲルマ、大野、ワッチ。彼等とのふれあい、別れは、どれも情景が浮かぶとともに心に刺さった。自分の意志で東京、早稲田大学を選んだ少年は強いと思った。 あさのあつこさんの解説も良かった。