「こころっていつもからだについてきて歩行の邪魔をするからきらい」こちらの「こころ」は理性的な「頭」でもあり、心と頭の境目みたいなものを考えてしまう歌集。他に好きな短歌で「雨、ぼくはぼくよりも不憫なひとが好きで窓から街を見ている」「生と死が地続きである月の夜に川はやさしい目隠しをする」「きみが飛ぶ夢を見るからあの鳥が飛べない夢を見る熱帯夜」「細長い花瓶の底にこびりつく花の無念を洗えずにいる」
現実と夢を行ったり来たり、あるいは夢から戻ってこれないような感覚が痺れる。特に連作”うしろへうしろへ”は読み応えあってゾッとする怖さもある。あとがきが夢を描いた小説のようでこれも好き。好きな短歌「上腕に上腕二頭筋はあり君は言い訳せず生きたまえ」(彗星の心)「夢でしか入ったことない公園に現実で来て石ごっちょごちょ」(50センチ、または、361キロ)「生命と宇宙について全貌を熟知していた目覚めるまでは」(ハーモニー)
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「こころっていつもからだについてきて歩行の邪魔をするからきらい」こちらの「こころ」は理性的な「頭」でもあり、心と頭の境目みたいなものを考えてしまう歌集。他に好きな短歌で「雨、ぼくはぼくよりも不憫なひとが好きで窓から街を見ている」「生と死が地続きである月の夜に川はやさしい目隠しをする」「きみが飛ぶ夢を見るからあの鳥が飛べない夢を見る熱帯夜」「細長い花瓶の底にこびりつく花の無念を洗えずにいる」