ただ生きることだけが目的であれば、恋愛というものは異物だ。いわゆる不要不急の代表格だ。だけど、僕らは目的のために生きているのであって、不要不急な目的こそを大切にしていたりする。少なくとも、僕にとっては不要不急こそが人生だ。だから、小説も歌詞も結局は恋や愛をことばを組み替えて描き続けているだけだとしても、売るために何かを模した紛い物でなければ、構わない。少年時代に訪れる初めてのそれは、衝動的で、無垢で、刹那で、哀しい。表題作にはその全てが詰まっている。純粋なだけに、残酷だ。黒歴史こそが、大切な思い出なのだ。

ただ生きることだけが目的であれば、恋愛というものは異物だ。いわゆる不要不急の代表格だ。だけど、僕らは目的のために生きているのであって、不要不急な目的こそを大切にしていたりする。少なくとも、僕にとっては不要不急こそが人生だ。だから、小説も歌詞も結局は恋や愛をことばを組み替えて描き続けているだけだとしても、売るために何かを模した紛い物でなければ、構わない。少年時代に訪れる初めてのそれは、衝動的で、無垢で、刹那で、哀しい。表題作にはその全てが詰まっている。純粋なだけに、残酷だ。黒歴史こそが、大切な思い出なのだ。

一度でもお金を仲介させてしまうことで人間関係は必ず変化してしまう。たとえ再びお金のやり取りをなくしても、二度と戻らない塑性変形だ。そういうことって、教えられなくても本能的にわかる。もらう側だけでなく、渡す側にとっても、とても悪趣味な話だってことも。お金と恋愛の相性が最悪だってことも。それでも、確かに失われてゆく愛を横目に、恋の伝え方としてお金を渡したりすることがある。まずいことに、どちらも傷ついていく。それでも、ことばにすると全部嘘になってしまいそうなことでも、お金にしたら本当に伝わるような気がするんだ。

死んだらどうなるのか。死とは肉体の変化であり、その後も魂は存在するのか、それとも消えてしまうのか。仮に消えてしまうとしたら、苦しみや哀しみを全うして生きることに意味はあるのか。そりゃ楽しさや嬉しさもある。だけど割合で言えばせいぜいが8:2だ。もちろん、苦8の楽2。文字通り割に合わない。だったら、どうせなら死後も魂は存在する説に賭けてみたくなるじゃないですか。でもそうすると、既に地球は祖先たちの魂でぎっちぎちって考えるとちょっと怖い。温暖化はそのせいじゃないか。僕はそんな物語を聴き、音楽を読んだ。気がした。

バンドは一番小さな単位の社会だ。たとえば、ずっとメンバーの入れ替わらない少人数の会社で、四六時中、膝を突き合わせて何年も仕事をするようなものだ。エンプティランプの灯る閃きを絞り出しながら、ときには互いのアイデンティティを削りながら作品を共同で創る。学生のような仲の良さでは絶対に乗り切れない。しかも、活動を続けるほどに、非情なまでに才能の個人差が明るみになる。それでも傑出したフロントマンが、ソロではなくバンドに拘るだけの魅力が、そこにはある。ライブハウスでしかうまく息ができない僕らは、その刹那を聴きたくて。