汝、星のごとくの続編。前作だけで一応完結として纏まってはいたので蛇足とも捉えられかねないが、今作の本文中にあるように、「物語ならそこで終わって永遠になるんだろうが人生はそのあとも続く」とばかりに、暁海のその後の人生が書き綴られていて、感慨深い。家族の形、愛の形は様々であること、それぞれが個であり自らの人生を生きているだけ等々、作者の意図があちこちにはっきりと書かれていて、箴言集を作れるくらい名台詞が散りばめられている。すっきりとして読み易かった。

初期の中編３話、それぞれ過不足無く纏まっていて、作者の語り部としての魅力と力量が窺える。同じ日を繰り返す「秋の牢獄」には寂寥感が漂い、「神家没落」と「幻は夜に成長する」では日常がスッと異界へ繋がってしまうという怖さが感じられた。

汝、星のごとくの続編。前作だけで一応完結として纏まってはいたので蛇足とも捉えられかねないが、今作の本文中にあるように、「物語ならそこで終わって永遠になるんだろうが人生はそのあとも続く」とばかりに、暁海のその後の人生が書き綴られていて、感慨深い。家族の形、愛の形は様々であること、それぞれが個であり自らの人生を生きているだけ等々、作者の意図があちこちにはっきりと書かれていて、箴言集を作れるくらい名台詞が散りばめられている。すっきりとして読み易かった。

菊池寛については高名な作家であるという程度の認識で特に思い入れも無かったのだが、文藝春秋の立ち上げ、芥川賞、直木賞の設立と、現代に繋がる日本の小説界に大きな業績を残した方だったのだなと改めて認識した。菊池寛の伝記として読むと、ここに書かれた当時の文壇の多くの人との交流が興味を引く。また人物としては俗っぽい面も描かれ、それが可愛げにも見えて親しみを感じた。同時代でこの本に登場しない作家にも何名か気になる方がいるが、文藝春秋とはあまり縁がなかったのだろうか。

相変わらず次々に人が登場するが、前作とは前後編のような位置付けで話が繋がっている為に、あまり戸惑わずに読み易かった。良い人の周りには良い人が集まり、皆が幸せになれるという話であり、前巻から引継いだほぼ全てのエピソードに決着が付いて、すっきりと終わった。