ネタバレ結構な長編だったが吸い込まれるように読んだ。定町廻り同心服部惣十郎は事件の真実を追求上にへつらうことなく己の義を貫く。薬種問屋の火付けと二遺体の謎が解けぬまま次々事件が起きる。彼を支える小心者佐吉元巾着切 の完治蘭医の梨春。流言飛語に翻弄される人々現代のネットの書き込みと同じだなと。親の介護認知症の問題も。疱瘡の予防の種痘に蘭方と漢方の対立、惣十郎の妻郁の死が事件に深く関わり義父を巻き込み事件の悲しい結末へと。彼の母を介護する雅の作る料理がなんとも美味しそうで良いな。続編ができそうな展開だなと。

ネタバレ娘を夫に託して離婚したアラフォー祥子の仕事は見守り屋。夜寝ずの昼夜逆転の彼女の楽しみは仕事帰りのランチとお酒。何処に入るか昼間から飲む彼女を訝しむか気にしながらも中々良いお店をチョイスする。私はあまりお酒は飲まないが彼女の語りがとても美味しそうでこちらまでほろ酔い気分になる。娘への思いの切なさ、関わりあった人に向ける優しさ、温かさ素敵な人だ。彼女を仕事に誘ってくれた亀山、幸江、やはり人は繋がりで生きられ生かされる。介護の資格取得、彼女のような人こそ最適だなと。