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2025年1月の読書メーターまとめ

Kira
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感想・レビュー
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ナイス
564ナイス

2025年1月に読んだ本
22

2025年1月にナイスが最も多かった感想・レビュー

Kira
ネタバレ電子。四篇の短編を収録したD県警シリーズ。表題作は、天下り問題に直面する人事担当者二渡の苦労を描く。この二渡調査官は、四篇のいずれにも出てきて存在感がある。四話目の「鞄」は、罠にはめられた怖さが最後に迫ってくる。警察官も出世競争に明け暮れ、互いの足を引っ張り合うのは会社員と同じ。女性警察官に対する男性警察官の、あからさまな差別と偏見も見苦しい。その偏見に押し潰された女性警察官を描いた「黒い線」が悲しかった。
が「ナイス!」と言っています。

2025年1月の感想・レビュー一覧
22

Kira
図書館本。剣客商売シリーズの読み返しは、まず四巻から始めて次にこの八巻という順番が、自分の中で定着している。「狂乱」で描かれる男の孤独は、現代人の心の闇に通じている。これを読むたびに平成の時代に起きた、ある殺人事件を思い出す。ところで、本書は昭和五十二年に出版され、読んだのは昭和六十二年二十一刷である。10年で21刷。その後文庫化され、また増刷を重ねて今では何刷目なんだろうか。本屋の棚から、このシリーズが消えることはないだろうと思う。
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Kira
図書館本。再読。前作の続編で、川衆と陸衆の対立に、どくろ大名なる不気味な藩主がからんでくる。ラストシーンは明治を目前にした動乱期になっているが、川衆は明治時代も生き残れたのだろうか。
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Kira
ネタバレ図書館本。文庫版で3回も読んで今回が4度目だというのに、やはり夢中になって読んだ。文庫版にはない挿絵をながめるのも楽しかった。池波小説には女の生きざまを描いた長編がいくつかあるが、この作品も含まれると思う。「剣客商売」の番外編で、秋山小兵衛が薄幸の女性お福の人生に巧みに関わる。お福の生きざまを描きながらも、池波氏が得意とするテーマの仇討ちが織りこまれている。「剣客商売」シリーズの面白さに、女のひたむきさと仇討ちの緊迫感が合わさって、愛読せずにはいられない。
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Kira
ネタバレ図書館本。時代小説アンソロジー。わずか三篇の収録だが、気に入っている作家さんばかりなので満足度が高かった。なじみの深い風野氏の短編は、商家の道楽息子が謎解きをする軽いミステリ。坂岡氏は、武士の純愛を書かせたら好感度大。今回最も注目したのは辻堂氏の「鬼しぶ事件帖」。辻堂氏といえば、「風の市兵衛」シリーズ。それをちゃんと読もうと思っていただけに、タイムリーで面白かった。鬼しぶ親分、いいなぁ。市兵衛ともなじみが深いそうな。シリーズを読む楽しみが増えてニンマリ。
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Kira
図書館本。「剣客商売」シリーズは文庫版で何度も読み返している。この巻にいたっては5回読んだ。それでもまだ読み飽きず、しばらくするとまた読みたくなる。今回は思いついて単行本を借りてみることにした。各話に挿絵があるので楽しみが増える。書いてあることは同じなのに、活版印刷というだけで味わいがある。不動の人気とは、まさにこのことかなと思う。読み返すたびに思うのだが、シリーズの中でこの巻には特に粒揃いの話がつまっている。読み終わるとまたすぐに読み返したくなるのは、このシリーズの持つ魔力といおうか。
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Kira
電子。試し読みで目次を確認したら、読んだ覚えのないものがあったので買ったのに、読んでみれば収録された九篇はすべて読了済みだった。また失敗したわけで(なんという体たらく)。この巻も、江戸の闇の世界に身を置く者たちの非情な世界を描く。だましたつもりがだまされ、裏切りつつ裏切りにあう。殺伐とした話が多いが「殺しの掟」には、少しだけ胸のすく思いがした。
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Kira
ネタバレ図書館本。世界観の説明が長すぎて冒頭は退屈した。攻と受が出会ってからも、ところどころ説明が入るので読み飛ばした。捕らえられた受を攻が救い出しに行くあたりからやっと萌え始めたが、すぐに別れがやってくる。でも、攻の風読みの心情の変化は丁寧に描かれているし、受のマドレーヌの真の姿が凛々しい。火事場から風読みを救う場面は、イラストも美しすぎてドキドキした。汚れた水のせいでこの世界が滅びるって、なんだかナウシカの話を思い出した。ニウライの正体を想像すると、これもまたSFBLかなと思った。
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Kira
ネタバレ電子版で再読。SF作家さんの書く時代小説は面白いと改めて思った。徳川幕府が開かれた頃から存続する泥棒寄合の陸衆と川衆の確執を描く活劇。川衆の若きリーダー川瀬若菜がくり出す剣の技が格好いい。薩摩と結びついた陸衆の陰謀を阻止できるのか。読みどころいっぱいで楽しかった。
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Kira
ネタバレ電子。子供の頃に好きだった本を、この年齢になってもう一度読めたことがうれしい。斎藤隆介氏の創作童話も含む28話。何十年も前に読んだのに、意外に覚えていて驚いた。子供の頃とは違う読み方ができたのは、作者のあとがきを読んだから。この作家さんが常に書いていたのが「戦うこと」だったとは知らなかった。民話に題材をとった素朴な話だと思っていたものが、まるで違う色を帯びて迫ってくる。いわれてみれば、『ベロ出しチョンマ』も戦いの話だったなと気がついた。
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Kira
ネタバレ電子。榎田先生の「聖域」目当て。すばらしい作品だった。個人的にSFBLに求めているものが満載で、ちゃんと濃厚なラブシーンもあって大満足。何より、この愛の形がとてもよかった。何度も読み返すだろうと思う。《ムシ》シリーズという壮大なSFBLを書いておられる樋口先生の短編は、優しい味わいのある作品だった。SF作家さんのもので読了できたのは「二人しかいない!」だけ。個人的に、BL(要素のある)SFよりも、SF(設定の)BLの方が好み。宣言まで出したのだから、早川さんにはこの分野の育成を期待したい。
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Kira
ネタバレ電子。五篇のミステリを収録した傑作短編集。昭和のミステリの面白さを満喫した。今では死語となった言葉が当たり前に出てくるので、楽しくてしかたがない。「殺意の接点」では、国電(!)の時刻表をめくりながらの捜査が、なんともいえず古くて面白い。「レジャーランド殺人事件」では、世界各国の民族衣装をつけた人形が織りなす幻想的な館内を、ゴンドラに乗って巡るという遊戯施設で殺人が起きる。トリックの謎解きも面白かったが、似たような遊戯施設に子供の頃に夢中だったことを思い出して懐かしかった。
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Kira
電子。池波小説が好きすぎて短編集もけっこう読んだが、まだ読んでいない短編があるはずと思うと、こういうコレクションを買いたくなる。で、買って読んだ結果、収録された十篇はすべて読んだ覚えのあるものだった。この巻は暗黒時代小説ということで、江戸の暗黒に生きる者たちの非情な世界を描いた話が多い。非情ではあるが、殺し屋たちのちょっと間の抜けたところなどが悲哀とともにおかしみも誘って、複雑な読み心地がする。短編のタイトルはなかなか覚えきれないが、何度読もうと、池波小説を読んでいる間は幸せな気分でいられる。
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Kira
ネタバレ電子。面白すぎて一気読み。両国の見世物小屋で流行っている見世物で人が殺されたという噂が出回る。南町奉行根岸の配下のメンバーが探索すると、意外な事実が浮かび上がってくる。この巻では、さまざまな見世物の仕掛けが語られていて、とても面白かった。「生首踊り」では根岸と五郎蔵が昔やった「ろくろくろっ首」まで出てきて、思わずニンマリ。しかし、真相が暴き出すのは歪んだ性向というのが耳袋秘帖では非常に珍しくて、ちょっとびっくりした。江戸人の心の闇も、なかなか深い。
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Kira
電子。集英社文庫版既読。下巻では、本物の次期将軍家慶の行方を求めて狂四郎が京都に向かう。刺客と戦いながらであるから、重傷を負うこともある。しかし、いつも狂四郎は誰かしらに助けられている。男であれ、女であれ、みんな狂四郎の虜になってしまう。そんな狂四郎に惚れ込んでいる身にとって、本作は何度読んでも面白く、読了するとまたすぐに読み返したくなる魅力でいっぱいの傑作である。
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Kira
ネタバレ電子。どこかしらほっこりするミステリを書く作者なので期待したが、ミステリ色はそれほどでもなかったような…。海外へ単身赴任する夫のおかげで、実家に帰って出産することになった主人公が出くわす違和感。両親と妹の間に何が起こったのか。謎が解き明かされてみれば、家族崩壊の過程はそれほど珍しいものではないように思う。おさまるべきところに事がおさまって、再生が始まりつつあると思わせて、最後にくるものがある。妹の正体を想像すると、ちょっとこわい。
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Kira
ネタバレ電子。六篇を収録。長い顎で異相の阿古十郎の謎解きは、この巻でも冴えている。替え玉を使ったトリッキーなミステリ「離魂病」が面白かった。あちこちの大名や旗本の中間部屋から引っ張りだこの阿古十郎は男たちの人気の的である。阿古十郎がしばらく部屋にいてくれると、活気が出るのだという。なので、男たちはかいがいしく世話を焼く。ただ一つ残念なのは、艶めいた話がなかったこと。男気があって、推理に冴えていて剣の達人であっても、やはり異相では女にもてないようである。
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Kira
電子版で三読目。三度目でやっとわかったが、この巻から、現在展開中の「南町奉行」シリーズの体裁になりつつある。凶四郎が活躍する夜の探索だけでなく、昼間にも根岸を始めとして宮尾や椀田、女岡っ引きのしめたちが探索する。でも、凶四郎はやはり眠れない。
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Kira
ネタバレこの巻の前半のハイライトは赤壁の戦いの描写で、孔明がいかにして曹操を敗北させるのか、わくわくしながら読んだ。赤壁以後は劉備が蜀を得るまでの経緯が描かれる。義を重んじる劉備は、やっと自分の国を持てたときにはもう老い始めている。そうして英雄たちが歴史の舞台から消えていく。その後を継いだ者が英雄とは限らない。曹操のことは最後まで好きになれなかったが、後継ぎの曹丕よりはましだった。劉備の後継ぎ劉禅があまりにも凡庸なのは何故なのか、不思議に思う。
が「ナイス!」と言っています。
Kira
ネタバレ電子。四篇の短編を収録したD県警シリーズ。表題作は、天下り問題に直面する人事担当者二渡の苦労を描く。この二渡調査官は、四篇のいずれにも出てきて存在感がある。四話目の「鞄」は、罠にはめられた怖さが最後に迫ってくる。警察官も出世競争に明け暮れ、互いの足を引っ張り合うのは会社員と同じ。女性警察官に対する男性警察官の、あからさまな差別と偏見も見苦しい。その偏見に押し潰された女性警察官を描いた「黒い線」が悲しかった。
が「ナイス!」と言っています。
Kira
ネタバレ電子。警察小説を含む四篇のミステリ。表題作は紛失された警察手帳の行方を探るミステリ。「逆転の夏」は文字通り逆転の結末に驚いた。横山氏のどんでん返しも秀逸だなと思った。「密室の人」は法廷で居眠りをした裁判長の話。審理中に居眠りをする裁判官が多いと、新聞記者は恐ろしいことを言うが本当だろうか。本当だとしたら、実に恐ろしい。主人公の裁判官が世間知らずだというのもうなずける。四篇のいずれも意外なオチで楽しませてもらった。
が「ナイス!」と言っています。
Kira
ネタバレこの巻は『三国志』におけるクライマックスを含み、五胡十六国時代から東晋時代を経て隋に至るまで。赤壁の戦いの描写にはわくわくした。個人的にどうしても好きになれない曹操の敗北に、ニンマリさせてもらった。しかし赤壁以後に、英雄たちが次々と歴史の舞台から退場していくのは淋しい。諸葛孔明亡き後に司馬仲達が走らされた後は、小国の小競り合いが続くばかりで面白味に欠ける。やはり中国史における三国時代成立過程は、最もドラマティックなのではないかと実感した。
が「ナイス!」と言っています。
Kira
ネタバレ図書館本。前作を動とするなら、本作は静だろうか。日岡の雌伏のとき。田舎の駐在さんとして、何ら事件のない日々を送っている。焦りはあるが、指名手配犯の潜伏先を報告しない。清濁併せ呑むことを覚え、利用できるものは利用する。大上の教えが生きていることがわかる。やがて抗争が勃発すると、ストーリーは急展開を見せる。考えてみれば、3部作のどれもが興奮するものだったら、こちらがもたない。緩急をつけた構成で、完結編がまたすごいらしい。続きを読むのが楽しみ。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2016/09/02(3090日経過)
記録初日
2016/04/22(3223日経過)
読んだ本
2326冊(1日平均0.72冊)
読んだページ
727534ページ(1日平均225ページ)
感想・レビュー
2265件(投稿率97.4%)
本棚
50棚
外部サイト
自己紹介

時代小説を読むことが多いです。ミステリやサスペンスも好きです。BLも読みます。

ナイスやコメント、ありがとうございます。こんな読書の楽しみ方もあったのだなと、幸せな毎日です。

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