久々の京極作品。「姑獲鳥の夏」上梓から四半世紀たった今でもブレることのない京極堂のキャラクターとおどろおどろしさを纏う作風。800項超あっても、あっという間に読了。是非時間を作って「邪魅の雫」も読みたく。

ゴンクール賞受賞経験者であるフランス人作家ミッシェル・ウェルベックによる2015年に上梓された、2022年にイスラム教徒がフランス大統領になるという内容の近未来小説。世界的なポピュリズムの台頭と昨今のムスリムの増加率を鑑みるるに、なまじあり得ない話でもないのかと、、、。ちょうどパレスチナ・イスラエル問題が取り立たされているタイミングだけに、感慨深いものがある。

久々の京極作品。「姑獲鳥の夏」上梓から四半世紀たった今でもブレることのない京極堂のキャラクターとおどろおどろしさを纏う作風。800項超あっても、あっという間に読了。是非時間を作って「邪魅の雫」も読みたく。

元日本赤軍最高幹部重信房子が、彼女の青春と赤軍メンバーとして事件を起こすまでに至る経緯を彼女自身の視点から語る手記。日本赤軍に関してはこれまで体制側寄りのメディアが発信する情報にしか目を通したことがなく、当事者しかも元最高幹部の赤裸々なメッセージは読んでいて非常に新鮮。多くの犠牲者を出した事件に関与していた人物だっただけに、彼女の主張を全て是認するわけにはいかないが、傾聴に値する内容ではある。

「守護局」に徹底的に監視を受ける「単一国」の世界。国民はナンバー制と「時間律令板」により完全統制下に置かれる、、、。明らかに当時のソ連の体制を揶揄した設定ではあるのだが、構成主義要素が功を奏してか近未来感溢れる言葉選びや情景描写で現代SF作品的に読めるのも面白い。また、オーウエルの「1984」以前に書かれた作品である事実にも驚きを覚えるわけで。

1970年11月25日、市谷中駐屯地にて三島は割腹刎頸の自死を遂げる。そんな衝撃的な出来事に、没後３５年の回顧展を通うじて語られる呉智英、鹿島茂、瀬戸内寂聴ほか５名の有識者それぞれの想い。読んでいて非常に感慨深い。

本屋大賞受書作の「同志少女よ、敵を撃て」逢坂先生と文學界で絶賛連載中の「ロシア文学の教室」を執筆する奈倉先生が姉弟だった！両作品を読んでいた（いる）だけに存外な衝撃。両人の育った家庭環境や価値観・思想が垣間見え非常に楽しく読了。

I chose this novel as condolence for Mr. Cormac McCarthy. Story itself is quite simple but quite thought-provoking at the same time.