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2025年12月の読書メーターまとめ

shita
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2025年12月に読んだ本
12

2025年12月のお気に入られ登録
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  • 文衛門🍙
  • アナクマ

2025年12月にナイスが最も多かった感想・レビュー

shita
「暇」とは状態であり、「退屈」はそのときの空虚な心のありようを表す。本書は、この退屈を古今の哲学的思考から解釈する。広告により生産側が欲望を喚起し、ブランドという記号を消費する(ボードリヤール、ガルブレイスなど)。真に望むモノではなく、退屈から逃れようと、その根源の消費を繰り返す。果てはない。ただ、結論部は、「賢い消費者になろう」という電通的言辞にも見える。ハイデガーの存在論的退屈を、仕事への惑溺に帰する、と批判するつり合いはどうか。 ブログ https://fn7447.hatenablog.com/
が「ナイス!」と言っています。

2025年12月の感想・レビュー一覧
10

shita
ある種の人間のなかには、社会化されないもの、不整合なままのものがある。それらを枠にはめず、手触りのよいストーリーに収めることもなく、ただあるものとして書く。そういうのは、普通、純文学のような芸術性の高い創作がするのだけど、本作には明らかにそれがある。その不整合がありながら、世界は暗いだけのものとしては描かれない。むしろ見方によっては前向きでさえある。ユーモアもある。善いとも悪いとも言わない。実際に、現実とはそのようなものだ。優れた作品が、たまにそれを見せてくれる。
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shita
人間は、意識せず、環境における「こうするものだ」というコードに乗っている。勉強とは、このコードを疑い、これまでの自己を破壊することだ、とする。その方法には、コードの根拠を疑う仕方(アイロニー)と、特定のコードから別の考え方に移る仕方(ユーモア)が挙げられる。アイロニーは絶対的な真へ後退しないように、どこかでユーモアによる切り返しをする。ユーモアも完全な拡散に向かわせず、個人の享楽的こだわりで仮固定する。それらの破壊の仕方を体得するために勉強をしろということらしい。教養とは、果てしのない道のように見える。
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shita
ドゥルーズの入門書。二項対立を基礎とせず、主体/客体の区別さえ、生成と差異の流れのなかで捉えなおす。すると、それぞれの要素は仮の安定として関係する。また、マジョリティ・マイノリティ性も固定しないものとして挙げられる。権力と結びつく条理空間(数えられる、測れる)を離れ、平滑空間(捉えがたい)との往復のなかで、ノマド的にあることの重視が説かれる。価値を疑う仕方は明るい。 ブログ https://fn7447.hatenablog.com/
shita
日本画家である東山魁夷が書いた文章。画家がどういうことを考えているのかはなかなか知れない。一般に、画家の展覧会のコメントなどは、過度に抽象的と感じる。東山魁夷は、一つには思弁的な性格だったらしく、もう一つには文章が上手だったようで、何を考え、何を書いたのかが、非常にわかりやすく書かれている。それだけでなく、北欧旅行の白夜の静けさは詩的であり、過去への郷愁は普遍的でもある。東山魁夷の書いた絵を観たくなるような本だった。 ブログ https://fn7447.hatenablog.com/
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shita
下町での日々を描く。大きなことは起こらない。古本を探す。旋盤工と話し、行きつけの店で飲む。繰り返しの中の小さな差異を見つめる。黒電話を今でも使っていることに時間のずれを見る。町工場も、米屋も、記憶の底に沈みつつある。教え子との会話は、思春期の女の子にこうあってほしい(自分を慕ってくるのもふくめて)、という願望のようで恥ずかしくさえある。けれど、どこかの街のスナックで、見知らぬ人間たちが日々を過ごしていることを想像するような、郷愁がある。 ブログ https://fn7447.hatenablog.com/
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shita
「暇」とは状態であり、「退屈」はそのときの空虚な心のありようを表す。本書は、この退屈を古今の哲学的思考から解釈する。広告により生産側が欲望を喚起し、ブランドという記号を消費する(ボードリヤール、ガルブレイスなど)。真に望むモノではなく、退屈から逃れようと、その根源の消費を繰り返す。果てはない。ただ、結論部は、「賢い消費者になろう」という電通的言辞にも見える。ハイデガーの存在論的退屈を、仕事への惑溺に帰する、と批判するつり合いはどうか。 ブログ https://fn7447.hatenablog.com/
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shita
20世紀後半の、ポスト構造主義を概観する入門書。まず、デリダが思考の二項対立を否定する。善・悪、薬・毒などはテキストのなかで溶け合い渾然とする。土台こそが揺らされる。ドゥルーズは、差異を前提とする同一性を説き、準安定を言う。フーコーは、権力が上からだけでなく、下からも支えられる構造を説く。我々は、絶対的な安定のないなかで、可能な対話をしなければならない。わかりにくいが、作者の叙述は、少なくともわかった気になれる。そして最後まで読める。 ブログ https://fn7447.hatenablog.com/
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shita
静謐な文章の多くが、現実を描き、省略し、そこに残る余韻を手触りにする。ボルヘスは、むしろ、その省略や余韻が世界を構築していく。語られること以外は語られないが、そこに外延があり、世界があることは予感される。なぜ、そんなことができるのか。そして、とても静かでもある。何人かの天才が作り上げる架空の世界(トレーン)や、宇宙の構造の叙述(バベルの図書館)など、ほかに類を見ないイメージの豊穣がある。 ブログ https://fn7447.hatenablog.com/
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shita
イギリスの海岸線沿いを旅する。旅は、土地の記憶と結びつき、現在と過去は混然となる。いまの荒涼とした光景を、かつてあったものと結びつけるのは困難だが、かろうじて残る廃墟や、人間の時間スケールでは変わりのない自然が、思われることに手触りを与える。作者自身の記憶と、歴史は並列に語られる。あったことと、あったはずのことと、境はあいまいになる。実際に、記憶されたことでさえ、何度も出し入れされているうちに、輪郭を変えていくのかもしれない。 ブログ https://fn7447.hatenablog.com/
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shita
歳をとり、文章が澄明さをましていく。詩人でありながら、社会的には会社員であり、象徴や抽象を用いず、日常を描いていく。それなのに、文体は静かで澄む。晩年にいたって、まわりの人間は世界から去っていく。静謐の境にある。むかし、祖母が孫と会って「不憫だ」と泣いたのは、実は、喜びだったからではないか、と追憶する。そこには、「喜び」と同量の「悲しみ」があったのではないか、と。仮に、自分のなかにもあったとして、なかなか掬いだせないような言葉がある。 ブログ https://fn7447.hatenablog.com/
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2016/12/10(3333日経過)
記録初日
2016/12/05(3338日経過)
読んだ本
878冊(1日平均0.26冊)
読んだページ
249753ページ(1日平均74ページ)
感想・レビュー
23件(投稿率2.6%)
本棚
1棚
性別
外部サイト
URL/ブログ
https://fn7447.hatenablog.com
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