自己肯定感が飛び抜けて強い中年女性、夜の接客をやっていただけあり、たぶん美人ぽい。 単身赴任の夫に呼ばれてコロナ禍の中国で過ごす半年の物語。2022年冬から翌春まで中国で生活した筆者の分身とも言える。とにかく歯に衣着せぬ物言い、過去未来に囚われず現在を楽しむ生き様は、痛快でしかない。結末で誓う更なる向上心は圧巻です。 生きづらい世界でも、考え方ひとつでどうとでもなることを改めて知る。ショウブ姐さんファンになってしまうとこでした。

コロナ禍、中高一貫の私立女子校に通う中学生一人称で描く青春小説。社交的で友達思い寂しがりで無邪気な陽キャラで、健康的で食欲も旺盛。頭の回転が早いのかせっかちなのか、とにかく疾走感がある。基本的に明るい展開なのだが、思春期ならではの家族との関係性や、友達との付き合い方で悩んだり、一生懸命。初めはティーンズ向きの本と思ったが、むしろ大人が読むべき本かも。若者達の懸命さに、心打たれます。最終章の高校時代では、少し大人になった彼女達を、頼もしく、そして少し寂しく感じるんじゃないかと。親心だな、これは。

自己肯定感が飛び抜けて強い中年女性、夜の接客をやっていただけあり、たぶん美人ぽい。 単身赴任の夫に呼ばれてコロナ禍の中国で過ごす半年の物語。2022年冬から翌春まで中国で生活した筆者の分身とも言える。とにかく歯に衣着せぬ物言い、過去未来に囚われず現在を楽しむ生き様は、痛快でしかない。結末で誓う更なる向上心は圧巻です。 生きづらい世界でも、考え方ひとつでどうとでもなることを改めて知る。ショウブ姐さんファンになってしまうとこでした。

父親は無職、母親とは離別、バイトしながら定時高校に通っていた高校生が主人公。バイトで貯めていたお金を父親が勝手に使った上、泥酔して警察の世話になったため迎えに行くはめになり、その帰り、口論の末殴殺、雪の中に放置。一切れのパン、ナイフ(じゃないものを)カバンに詰め込んで逃避行するという物語。その後の展開について、いくつかのパターンを予想しつつ読んでいく。めちゃくちゃ悲惨な状況なのに、本質的にポジティブなキャラなので、ストレス無く読めました。

1960年三島由紀夫35歳頃の作品。週刊明星で連載されていた随筆を書籍化。69の章題は不道徳と付いてるだけあって、世間の常識の逆を行くものばかり。その逆説的なとこに真実味があり、それぞれの理に納得してしまう。時代が移っても、社会や人間の本質は変わりないのか、60年後の今でもさほど違和感がない。筆致は軽やかでユーモアがあり、10年後に壮絶な最期を遂げるとは思えない。「自殺するくらいなら人を殺すか、人に殺されたほうが、ましというもの」とは･･･、深すぎます。

夏休みに、いくつかの班に別れて、レンタカーで移動しつつ公演をしながら10日間旅をする、恒例のイベントがある大学のお笑いサークル。3年生2人2年生の班長、新入生の2人の5人が東京から東北に向かうロードムービー。間髪なく描かれる登場人物たちの心の機微の展開が面白い。 現実と妄想が混ざったような世界観は、それこそ映像で見たい気もします。結末もどことなく映画的でした。

自身の実体験とリサーチを元に週間連載した2022年頭から2023年末までの歌舞伎町のエピソードを纏めたもの。 「トー横」「ホス狂い」「出稼ぎ」「バパ活」「立ちんぼ」「メンコン」「頂き女子」等々、ニュースになった事件や話題から、コアな話までてんこもりです。地方の人にとっては、大都会の繁華街は、ファンタジーに近い景色にも見えるのでは。生活感は感じないが、生命力が溢れる、そんな世界。 実際に足を踏み入れる前に、目を通しておいて損のない本です。