ネタバレ「……選ぶとは覚悟や責任……自己を取る行為　そこから目を背けているかぎり貴女はチグハグで幼稚なままなのです(中略)貴女も変わろうと願えば　変われるのではないですか？」ヴァイオレット戦、「誰でもいい人」達の代表としてムーンセルでの戦いに臨んだ岸波が自分の願いの為に他者の想いを砕く事に対して覚悟を持つべきだと自らを叱咤するのに聖杯戦争という題材を通してこのシリーズが描いてきた人の願望とその実現への向き合い方の答えの一つが見える。それを全力で受けて立ったからこそ敗れてなお岸波を救おうとするシンジの姿勢が眩しい。

ネタバレ「……選ぶとは覚悟や責任……自己を取る行為　そこから目を背けているかぎり貴女はチグハグで幼稚なままなのです(中略)貴女も変わろうと願えば　変われるのではないですか？」ヴァイオレット戦、「誰でもいい人」達の代表としてムーンセルでの戦いに臨んだ岸波が自分の願いの為に他者の想いを砕く事に対して覚悟を持つべきだと自らを叱咤するのに聖杯戦争という題材を通してこのシリーズが描いてきた人の願望とその実現への向き合い方の答えの一つが見える。それを全力で受けて立ったからこそ敗れてなお岸波を救おうとするシンジの姿勢が眩しい。

ネタバレ「おろか者どもがっ! "貴き"とは己の心のありようを示すのだっ! 己がわがままが聞きいれられぬからといって! 群れをなして相手を制圧するののどこが"貴き"か？」 著者の書くコスモ貴族主義、前半のカラス先生と木星じいさんことグレイ・ストークの対話にも見られる様に立場に相応しい人間とはそれ相応の能力を身につけた者であるべきとの思想が根っこの部分で繋がってるのかなと。それはあの社会においては非常にシビアなもんであると同時にジオニズムという考え方が紆余曲折を経た上で辿り着いた結果の一つでもあるのが悩ましい。

ネタバレ『柳生一族の陰謀』での成田三樹夫モデルのおじゃる様が最後まで頼りになるの、この著者のボーイミーツガールものとして他の作品にない立ち位置のキャラクターであり、各巻の後書きで著者が影響を受けた作品について語っているのも読み応えがあって良かった。