競合という方式はクリエイターが凌ぎを削り、優れた広告が生まれるように感じられるが、実はそうとはいえない。……選ばれる基準はそのクリエイティヴの善し悪しではなく、プレゼンテーションの善し悪しになってしまう。競争に強いクリエィティブ、いわゆる競合という状況でウケる作品が勝ち残る。そして、この競争がクリエイターを疲弊させる。これぞと思う企画が没になる。自分の中で善し悪しの基準を見失ってゆく。自分のプランのブラッシュアップができなくなる。そのうち誰かの作品が通ればいいや、という投げやりな雰囲気も生まれる。p172
ケージが行った音楽の革命があまりにも徹底的なものだったため、フルクサスの芸術家たちは当初、音楽芸術においてはそれ以上何もすべきことは残されていないかのように感じ、それゆえ、ケージの戦略を「徹底的に」継承せざるをえなかったのだ。また、フェルドマンは、ケージが「理想」として機能したのではなく「革命は終わった」という感覚を残したことを述べている。p.107
ハンス・ライヒェル[Hans Reichel, 1949-2011]が発案したダクソフォン[Daxophone]は木片を弓で擦って演奏する楽器で、市販はれていないがその作り方はネット上で公開されている。p.93 https://web.archive.org/web/20090819081955/http://www.daxo.de/download/DaxInfo.pdf.zip https://web.archive.org/web/20090819081955/http://daxo.de/
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