執政に目覚めるルイ14世、その密偵としてベルイールへ飛ぶダルタニャン。その直前にはラウルを伴って一騒動あり、それをきっかけにフーケとコルベールとの対面があり、王側のコルベールより敵となるフーケが気に入ってしまうダルタニャン。偵察先のベルイール、ヴァンヌでの旧友との再会、アラミスの陰謀の序章……息もつかせぬ面白さ！フーケ(アラミス)に出し抜かれて、苦労して手に入れた情報をフイにされるダルタニャンの姿は気の毒ながらも人間臭くて可愛い。熱意も頼りがいもある君主に成長したように見えるルイだけど、この先どうなる？

久々のノンフィクション。『ダルタニャン物語』の世界を理解したくて図書館で借りる。当時の軍の体制や役職の売買事情、役職の上下より重要視される地方・血縁の結託等、興味深い内容だった。史実が淡々と綴られるのでドラマ性は少ないが、苦労人ダルタニャン氏の実直な仕事ぶりが浮かび上がってくる。終盤、ダルタニャン直筆の手紙の写真が載っていて、その署名を見てちょっと胸が熱くなった。