「日常」の物事の捉え方にこんなにたくさんの切り口があり、難しさがあるのかと感じました。様々な先行の意見を取り上げたり具体例が豊富で、その後に著者自身の考えを述べる構成なので、自分ならどれがシックリくるか考えながら読みました。料理は芸術なのか、ヘルシンキでの経験、の話が特に印象的。「伝統的な」美学の本や哲学者の本などと読み比べてみたいです。

現代社会において「当たり前」だからしょうがないという諦めや閉塞感について、そのまま受け入れていいのか？と考えさせられる本でした。文章が難しかったですが、理論的な世界を語っているのではなく、実世界で自分自身や身近な範囲でもありそうな実例が多い。一見抵抗しているようで実は補強していたり、「記憶障害」で自分の価値観が自覚せずに書き換えられていたり、メンタルヘルスの個人責任だし、仕事では表象が重視されていたり。映画、音楽、小説がたくさん参照・引用されるので、内容を知っていれば良かったなと。特にカフカ。

「日常」の物事の捉え方にこんなにたくさんの切り口があり、難しさがあるのかと感じました。様々な先行の意見を取り上げたり具体例が豊富で、その後に著者自身の考えを述べる構成なので、自分ならどれがシックリくるか考えながら読みました。料理は芸術なのか、ヘルシンキでの経験、の話が特に印象的。「伝統的な」美学の本や哲学者の本などと読み比べてみたいです。