表題『紙の動物園』と、最後の『文字占い師』に強く揺さぶられた。初のケンリュウさん、他の作品も読みたい。 中国人、アメリカ人、台湾人、日本人。様々なバックグラウンドと歴史の上で、しかし個人として愛するものを愛して生きる姿の美しさと愁しさが堪らない。 カンさんの文字占いと穏やかな声、受け入れてくれた腕の温かみを、リリーと共に感じていた気がする。ラストに近づくにつれて辛くて読み進められなかった。でも読んでしまう。大切な一冊になりました

私の母と曽祖母が、ひのえうまでした。母から近年「ひのえうまの孫はやめてね！！」と口酸っぱく言われてきた私にとって目からウロコの本書。社会的背景に浮き彫りになるひのえうまという現象要因、そしてその後の昭和のひのえうま(母世代)のアンケートが面白かった。少子化の進む現在、ひのえうまの起きる削りしろがないし、確かにマタハラだのなんだのと炎上しそう。けれど、確かにあった過去のひのえうまの現実(昭和から避妊等妊娠計画が主流だけど過去は子流しや間引き、祭り替えが行われたこと)は忘れてはいけない。

表題『紙の動物園』と、最後の『文字占い師』に強く揺さぶられた。初のケンリュウさん、他の作品も読みたい。 中国人、アメリカ人、台湾人、日本人。様々なバックグラウンドと歴史の上で、しかし個人として愛するものを愛して生きる姿の美しさと愁しさが堪らない。 カンさんの文字占いと穏やかな声、受け入れてくれた腕の温かみを、リリーと共に感じていた気がする。ラストに近づくにつれて辛くて読み進められなかった。でも読んでしまう。大切な一冊になりました